葉山町民有志 ごみ収集回数減に「待った」 署名約600筆と要望書を提出
葉山町が3月に開始する「生ごみ分別収集」に伴い、燃やすごみの収集回数が現行の週2回から1回に削減される。一方で町民有志が紙おむつ、ペットシートなど臭気ゴミの処分について問題提起し、これまで通り週2回を維持する要望書を町に提出した。
要望書を提出したのは町内の子育て世代を中心とした有志グループ「葉山で育てる」(浅見奈保子代表)。1月24日に550筆の署名と合わせ、新倉利勝環境部長に提出し、29日には追加された41筆の署名を携え、山梨崇仁町長に面会した。
同グループは、昨年11月からの町による町民説明会を受け、「燃やすごみ」収集が週1回になることに対し、高齢者や介護・子育て世帯、ペットを飼っている世帯は紙おむつ、ペットシートなどの臭気ゴミの処分について不安を抱えていると主張する。
また、署名を集める中で「生ゴミ分別収集は知っていたが、燃やすごみの収集が週1回に減ることは知らなかった」人が多くおり、町と町民のコミュニケーション不足は否めないとしている。
浅見代表は「生ごみは努力で減らせるが、おむつは物理的に無理。住み続けたいまち日本一を標榜するなら、市民サービスの低下となる収集回数の削減は止めて2回に戻すなり、おむつなどについては別途対応をしてほしい」と思いを語った。
町は個別対応検討
一方、同町環境課の担当者は町民の不安を受け止めながらも、「まずは予定通りに週1回の燃やすごみ収集を行い、不具合があれば個別に対応をしていく」と話した。
町はこれまでに、上山口(21年10月1日〜12月28日)、真名瀬(22年6月6日〜8月29日)、三ヶ浦(22年11月14日〜23年1月26日)、一色台(24年4月22日〜5月24日)の各地区でごみの出し方についての実証実験を行った。その結果、生ごみについては夏場の臭いから週2回の収集が必要で、他の燃やすごみについては週1回で問題ないとの結論に至ったという。その上で紙おむつなどについて問題が生じた場合は、拠点回収を行ったり、登録制で戸別収集したりするなども策の一つとして検討している。
担当者は「10年前にごみの戸別収集が始まった時も、町民の皆さんにはいろいろ戸惑いがあったが、収集時に職員が対応するなどして、今では受け入れていただいている。今回もまず一度、取り組んでみていただきたい」と理解を求めた。
浅見さんは戸別収集について「おむつを使用していることを知られたくない人もいる。尊厳に関わることなので、誰でも安心して過ごせるように現行の週2回の回収対応をしていただきたい」と改めて強調した。