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犬が『美味しい』と感じる条件とは?人間の味覚との違いや食いつきが悪いときの対処法まで

わんちゃんホンポ

犬と人間の味覚の違い

犬は人間のようにゆっくりと味わって食べるということがほとんどありません。ほんの数回噛んだだけで飲み込んでしまう犬が多いものです。

ちゃんと味を分かって食べているんだろうか…と、疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。犬と人間の味覚は、似ているようで、ちょっとだけ違う部分があります。

犬と人間の「甘味」の違い

犬は甘味の感受性が高く、とくに大好きな味であるとされています。

しかし、人間が美味しいと感じる甘味とは違いがあります。砂糖やハチミツなどの甘味ではなく、肉や魚の糖質を美味しいと感じるようなのです。

肉の場合では、鶏肉<豚肉<牛肉の順番で含まれる糖質の量が多く、とくに鶏のササミは高タンパク質で低脂質なため、トッピングやおやつとしても人気ですよね。

犬と人間の「旨味」の違い

甘味と同じくらい感受性が高く、肉や魚に含まれる旨味(グルタミン酸やアミノ酸など)は、犬が大好きな味であるとされています。

“犬は旨味を感じることができない”とされていたこともあったそうなのですが、近年の研究によって、“犬は旨味への感受性が高い”ということが分かったそうです。

犬と人間の「酸味」の違い

犬は酸味を苦手とする傾向にあります。筆者の愛犬は、キウイ・パイナップル・みかんなどの酸味の強いフルーツを一切食べません。

チーズやヨーグルトなどの酸味の弱い食べ物に対する苦手意識はない傾向にあるようなのですが、レモンや柚子などの刺激の強い酸味を好んで食べる犬は滅多にいないでしょう。

犬と人間の「塩味」の違い

犬は塩味をほとんど感じることができないとされています。野生であった頃、肉から十分な塩分を摂ることができていたため、他の塩分を必要とすることがなく、発達しなかったのでしょう。

塩で味つけをしても犬はほとんど感じることができませんし、ドッグフードから十分な塩分を摂ることができているため、塩で味つけされた食べ物は、犬にとって塩分過多になってしまうことがあります。

犬と人間の「苦味」の違い

犬は苦味が大嫌いです。自然界にある苦味と言えば、危険なものであったり、毒物であったりするため、本能的に避けるのでしょう。

しかし、筆者の愛犬はピーマンやパプリカやゴーヤを好んで食べます。単純に好き嫌いがないだけかもしれませんし、苦味への感受性が低いからかもしれません。

愛犬のドッグフードへの食いつきが悪いときの対処法

犬が大好きな味は「甘味」と「旨味」であり、感受性も高いです。とくに好むものとして、肉や魚や野菜があります。

ドッグフードへの食いつきが悪いときは、肉や魚や野菜の茹で汁をかけてあげるだけでも、甘味と旨味が強くなり、食いつきがよくなることがあります。

味付けのされていない、茹でただけの肉や魚や野菜であれば、少量をトッピングとして与えてもよいかと思います。

犬が食事をするとき、味よりもニオイを優先します。味の濃いものよりも、ニオイの強いものを選んで食べます。

とくに犬が好む食べ物のニオイは、肉や魚に含まれる脂肪分のニオイです。このことからも、ドッグフードに肉や魚や野菜の茹で汁をかけたり、少量をトッピングすることで、食いつきがよくなることがあります。

まとめ

犬と人間の「甘味」「旨味」「酸味」「塩味」「苦味」の違いを解説しました。

愛犬のドッグフードへの食いつきが悪いときは、まずは、粒の形状や大きさを考えてみましょう。大型犬でも小粒が好きな犬もいますし、小型犬でも大粒が好きな犬もいます。

丸っこいドッグフードを好むときもあれば、平べったいドッグフードを好むときもあり、定期的に形状を変えてあげることで解決されることがあります。


(獣医師監修:寺脇寛子)

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