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【倉敷市】【2/9(日)開催】伊七 新酒まつり 〜 地域を盛り上げようと立ち上がった歴史ある蔵元の挑戦

倉敷とことこ

【2/9(日)開催】伊七 新酒まつり 〜 地域を盛り上げようと立ち上がった歴史ある蔵元の挑戦

近年、全国各地の蔵元で「蔵開き」イベントが多数開催されています。

倉敷最古の蔵元である「熊屋酒造」の「伊七 新酒まつり」もそのひとつです。

「伊七 新酒まつり」は岡山県内でもトップを切って開催されることもあり、例年多くの日本酒ファンで賑わいます。なお、昨年(2024年)は約3,000人の来場がありました。

毎年楽しみにしているかたも多いこちらのイベント、今年は2月9日(日)に開催されます。

コロナ禍での休止もありましたが、2025年で12回目となり、地域に根ざしたイベントとなっている「伊七 新酒まつり」を紹介します。

伊七 新酒まつりについて

「伊七 新酒まつり」は2025年2月9日(日)、倉敷市林にある熊屋酒造有限会社にて開催されます。

当日は茶屋町駅、倉敷駅より無料シャトルバスの運行があります。

詳細は以下のチラシを見てください。

会場へのアクセス

当日の会場「熊屋酒造」までのアクセスは以下のとおりです。例年非常に混み合うので、無料シャトルバスの利用がおすすめです。

無料シャトルバス(JR倉敷駅)

倉敷駅からは60人乗りの大型バスにて運行します。

倉敷駅 みずほ銀行前 バス乗り場

無料シャトルバス(JR茶屋町駅)

茶屋町駅からは小型バスにて会場まで随時ピストン運行します。

茶屋町駅東口 バス乗り場

路線バス

倉敷駅南口6番乗り場で、「下電バス天城線児島駅行き」に乗ってください。

熊野神社入口(林)バス停下車 徒歩10分です。

熊野神社入口(林)バス停

JR

瀬戸大橋線 木見駅下車徒歩20分です。

自家用車

駐車場は近隣に2か所用意されています(利用の際は警備員の指示に従ってください)。

第一駐車場

岡山・倉敷方面より、第一農協前交差点を左折(水島方面からは右折)。

第一農協前交差点

しばらく走ると右手に郷内幼稚園が見えてきます。

郷内幼稚園

郷内幼稚園を過ぎたら左手に駐車場(林山竹公園)があります。

駐車場(林山竹公園)

ここから会場までは徒歩5分ほどです。

第2駐車場(雨天時は閉鎖)

岡山方面より県道21号岡山児島線を水島インター方面へ走ると、左手に丸亀製麺水島インター店が見えてきます。

丸亀製麺水島インター店 この信号を直進

それを過ぎたところにある空き地を臨時駐車場として開放しています。

第2駐車場入口(雨天時閉鎖)

会場までは徒歩10分ほどですが、当日は会場直通のシャトルバスが立ち寄る予定です。

有料試飲コーナー

伊七 新酒まつりで毎年大好評の「有料試飲コーナー」では、蔵元おすすめのお酒を味わえます。

蔵の中に設けられた有料試飲コーナー

受付で試飲チケット(500円)を購入し、有料試飲コーナーでおすすめのお酒3種セットと引き換えてもらえます。まずはこちらを飲みくらべてみてください。

蔵元おすすめのお酒を飲みくらべ

なお、試飲に並ぶお酒は、新酒のなかでも出来が良いものをチョイスして提供されています。

なお、今年のラインナップは当日発表されます。玄人好みな味わいのものから、女性に好まれそうなソフトなものまで6〜7種類の銘柄を用意されるとのことです。

飲み終えたら、おかわり試飲券で自分の好きな銘柄を3種類選んで試飲できます。

おすすめのお酒をおかわりしても良いですし、他の銘柄にチャレンジしてみるのもおすすめです。

販売コーナー

もちろん、お酒の販売コーナーもあります。

熊屋酒造を代表する銘柄が並びます

こちらで気に入ったお酒を購入して、奥の飲食スペースで早速開けて楽しんでいる姿も。

蔵元限定酒「寒しぼり」

毎年、新酒まつりの会場にて限定発売される蔵元限定酒「寒しぼり」

新酒まつりに併せて仕込みをおこない、当日の早朝に瓶詰めされたお酒で、日本酒のボジョレー・ヌーヴォーと呼べる一品です。

年に一回、「伊七 新酒まつり」でしか買えないお酒なので、蔵元限定酒「寒しぼり」を目当てにしているかたも多いかもしれません。

樽出し 奈良漬け(数量限定)

酒造りにて発生する「酒粕」を使った奈良漬けも、毎年多くのリピーターに愛される人気の商品です。

徳島県産のウリを熊屋酒造の酒粕で漬け込むこと4年、熟成させて作られています。手の込んだ製法で作られていて、大量生産ができないので数量限定での提供です。

売り切れ必至なので、希望のかたはお早めにどうぞ。

無料甘酒コーナー

「お酒が飲めないと楽しめないんじゃないの?」と思うかたも安心してください。

麹(こうじ)が効いた絶品の甘酒が無料で振る舞われます。

小さい子も美味しそうに飲んでいました

こちらも無くなり次第終了なので、お早めにどうぞ。

屋台コーナー

毎年充実の屋台コーナー、2025年は以下の店舗が出店予定です。

・肉の中山「千屋牛サイコロステーキ串」
・我流たつみ「中華そば・唐揚げ」
・ひろし食堂
・「レンコンコロッケ」
・丸亀つぼ屋「骨付き鶏」
・お好美屋「明石焼き・他」
・Deucecafe「クレープ」
・うまか亭「イイダコの唐揚げ」
・壷焼き「石焼きいも」

飲食スペースも広く取られているので、一升瓶ケースをイスとテーブルがわりにして、お気に入りのお酒とともに味わえます。

当日はこちらが飲食スペースになります
昨年(2024年)のようす

今までのあゆみとこれから 〜 代表取締役 庵谷晴男さんインタビュー

熊屋酒造有限会社 代表取締役 庵谷晴夫さん

熊屋酒造有限会社 代表取締役の庵谷晴男(いほりや はるお)さんに、2025年で12回目となる「伊七 新酒まつり」について、始めたきっかけと今までのあゆみ、そして今回の開催にかける思いをインタビューしました。

歴史あるこの地域を知ってもらいたい

──「伊七 新酒まつり」を始めたきっかけについて教えてください。

庵谷(敬称略)──

30年ほど前に県外の酒造メーカーから実家である熊屋酒造に帰ってきて、各地の即売会に出店していたところ「熊屋酒造さんってどこにあるんですか」と聞かれることが多々ありました。

(熊屋酒造のある郷内地区も)瀬戸中央自動車道の水島インターがあり、幹線道路沿いにはロードサイド店舗が立ち並んでいて賑やかですよね。

近くを走る幹線道路(県道21号岡山児島線)交通量は多く、ロードサイド店舗が立ち並ぶ

だけど、幹線道路から入ったこのあたりのことをご存知のかたは、実はそう多くはないんです。

このあたりは古くから栄えた場所で、日本第一熊野神社をはじめ、歴史のあるものがいっぱい残っていて、児島の小京都みたいな感じなんですよね。そういった文化財を知ってほしいという思いが以前からありました。

熊屋酒造近くに鎮座する「日本第一熊野神社」

2000年代になって、岡山県内の蔵元がタッグを組み、各地で日本酒のイベントを開催するようになりました。

そのなかのとある蔵元さんが、早くから新酒まつりを開催されていたのです。いろいろとノウハウを聞きながら、僕らもやってみようと新酒まつり開催に向けての話が具体化していきました。

仕込みのようす(写真提供:熊屋酒造)

蔵元にとっての2月は、実は仕込みの時期で忙しいんです。

だけど、他のお祭りも少ないこの時季に開催してみようと、2012年2月に第1回目の「伊七 新酒まつり」を開催しました。

最初のころは餅投げもありました(写真提供:熊屋酒造)

その結果……最初はうまくいきませんでした。来場者も現在の10分の1ぐらいでしたし。

事前にラジオなどでもPRしたのですが、思うように集客につながりませんでした。

以来、どうすれば多くの人に楽しんでもらえるか、試行錯誤を重ねました。それが功を奏してか、回を重ねるごとにお客さんが増えてきました。

多くの人で賑わう昨年(2024年)の新酒まつり

「また新酒まつりあるんですか」とか「楽しみにしていますよ」など、新酒まつりの開催を待ってくれている人たちがたくさんいるから、もうやめられなくなっちゃっていて(笑)。

反省と多くの人々の声援、それの積み重ねで、今回の12回目を迎えているのではないかと思います。

誰もが楽しめるお祭りを目指して

──お酒が飲めない人や子ども達にも楽しんでほしいとの思いがあると聞いています。

庵谷──

日本酒が飲めない人でも、屋台や雰囲気を楽しんでもらって、そして日本酒に興味を持ってもらうきっかけになればうれしいですね。

甘酒も老若男女問わず多くのかたに大変好評をいただいていますし、屋台コーナーにはお子さんにも人気のクレープやわたがしなども出店しています。

わたがしは子ども達に大人気

また、この地域(郷内地区)も近年ベッドタウン化が進み、若い世代のファミリーが増えてきていて、小学校の児童数も右肩上がりで増えているんですね。

(熊屋酒造の)前の道が小学校への通学路なんですけど、通学する小学生たちが「ここでお祭りがあるんだよ」と言ってくれるような声が聞こえるようになれば良いなとも思っています。

もちろんファミリーで来場して頂ければ、なおうれしいですね。

焼きたてのクレープもあるよ

岡山の地酒を盛り上げたい

──最後に、読者へメッセージをお願いします。

庵谷──

岡山の酒って、全国的には知名度がまだ低いのですが、アンテナショップや各種イベントを通して、近年徐々に認知度も上がってきています。

(写真提供:熊屋酒造)

たとえば、雄町(おまち)米という岡山生まれの酒米を使ったお酒が、東京や大阪などの都市圏を中心に、最近すごく人気が出てきています。

そうしたことも踏まえて、まずは地元のかたにも「岡山の地酒っていっぱいあるんですよ。蔵元の数も多いんですよ」と、蔵元の一つとして一人でも多くのかたに発信できればと思っています。

また、2024年に日本酒(伝統的酒造り)がユネスコの無形文化遺産に登録されることになりました。これも日本酒業界にとっては追い風ですね。

そして新酒まつりを通して、こういう蔵元があるよっていうのを知ってもらいたいです

他の蔵元でも同じような祭り(蔵開き)や試飲会、即売会などやっていますので、そちらも併せて巡ってもらえるとうれしいですね。

おわりに

筆者は熊屋酒造のすぐ近くで生まれ育ったこともあり、あまりお酒が飲めないにもかかわらず、開催初期からほぼ毎回、新酒まつりに参加してきました。

2019年の新酒まつり 平成30年7月豪雨後の開催ということもあり、被災地支援への感謝を告げる横断幕と懸垂幕が見えます

インタビューを通じて、老舗の蔵元として地域(郷内地区)を盛り上げたいという庵谷社長はじめ、熊屋酒造や地域の人たちの熱い思いを改めて感じました。

2017年の新酒まつりでは、音楽ライブもおこなわれました

また、限られたスペースでイベントを開催することの苦労も知りましたが、開催を楽しみにしてくれている人たちの存在が、イベントを続けるための原動力になっているのではないでしょうか。

お米や資材価格の高騰などで、どうしても値上げをしなければならない部分もありますが、その分美味しかったと言ってもらえるような酒造りをしていきたいと話されていたのも印象的でした。

地域の名前を冠した日本酒「郷内」

当日は、千客万来(せんきゃくばんらい)にて大いに賑わいますことを、今から楽しみにしています。

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