思考が弾む、コーヒー&本、二つの魅力が合わさった新店『Sobi(ソビ)』誕生 神戸市
鷹取駅(神戸市須磨区)のほど近くにオープンしたばかりの新店は、街の小さな“コーヒー屋さん”。そして街の“本屋さん”。二つの魅力が一つの空間に詰まった『Sobi(ソビ)coffee and books』を取材しました。
高い天井に、一見無機質にも思えるコンクリート打ちっぱなしの壁や床。足を踏み入れると静かで、スッと澄んだ空気を感じます。
一方で、片側の壁は温かさを感じる木目調。多すぎず、少なすぎず、視界に収まるくらいの本が並んでいます。
大の本好きである店主の杉井さんがセレクトした約250冊の本。人文書から児童書、また「ZINE(ジン)」とよばれる個人制作の本までジャンルは様々です。
「大手の書店では本を選ぶことに疲れてしまうとよく聞きます。コーヒー片手に見渡せるほどの冊数、そしてジャンルとカテゴリーに縛られないここだけの本棚から、気になるものを気軽に手に取っていただけたら」と杉井さん。
本を眺めながらいただけるのは、コーヒーを中心としたドリンク。浅煎りや深煎りなどの違いによって4カ所の異なるロースターの豆が使われている、少し珍しいスタイルのコーヒーです。
台湾のロースター『PHAROS(ファロス)』のPremiumコーヒーをいただくことにしました。併せて「Carrot(キャロット)Cake」を。
台湾で焙煎されたコスタリカの豆。熟した果実を摘み取った後、軽く乾燥させて果肉を取り除き、残った果肉ごと天日干しする精製方法で作られたものだそう。
口に含むとふわっと優しい酸味が広がります。上品な酸味は、発酵の過程で生まれたものなのだとか。
「相性抜群だと思います」とすすめられたキャロットケーキは、しっとりとした生地にスパイシーな香りが魅力的です。くるみなど複数のナッツの食感がゴロゴロと贅沢で、表面に重ねられたクリームチーズがまろやかです。
ニンジンの自然な甘みと上質なコーヒーの酸味。まるでこの組み合わせのために作られたかのようにマッチします。
「訪れるすべての人にとって思考が弾み、その後の行動に弾みが生まれる。そんな場所でありたいと願っています」と杉井さん。
落ち着いた空間で味わう一杯のコーヒー、偶然手に取る一冊の本。何かが生まれるきっかけになるかもしれません。
一人でゆっくり本の世界に浸るもよし、コーヒーを味わいながら語らうもよし、子どもと一緒に本を選ぶのも、普段生まれない会話が生まれるきっかけになるかもしれませんね。
訪れる時間、人、気分によって、それぞれの過ごし方のできるお店です。静かに佇む新店は、訪れる人をそっと優しく受け入れる、気持ちの良い場所でした。
場所
Sobi coffee and books
(神戸市須磨区大田町7-3-2 1F)
営業時間
水曜日、木曜日 10:00~19:00
金曜日、土曜日 10:00~21:00
定休日
日曜~火曜日
駐車場
なし