長谷川寧(演出・振付)「劇場に集う人々と、無間地獄を味わう事が出来れば」~ミュージカル『インファナル・アフェア』が中国で開幕
長谷川寧が演出・振付を務め、中国で世界初演されるミュージカル『インファナル・アフェア』(2024年12月世界初演/作曲ウィリアム・ルソー)が2024年12月20日(金)に開幕した。この度、舞台写真と長谷川寧のコメントが届いた。
長谷川寧は「冨士山アネット」を主宰し、国内外で活動する、作家・演出家・振付家・パフォーマー。国内では、ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』(2023年・演出・振付)、ミュージカル『ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド』(2024年・演出)、そして海外ではミュージカル『人間失格』は5月より中国国内ツアーを行っている。
『インファナル・アフェア』は、2002年にアンディ・ラウとトニー・レオンによるW主演で上映された香港映画で、香港ノワールの代表的作品を今回、ミュージカル化。世界中で愛された本作をミュージカル化するために、国際的な布陣が集結。脚本には、韓国ミュージカル『フランケンシュタイン』『ベン・ハー』『ベルサイユのばら』『男たちの挽歌』『三銃士』『ジャック・ザ・リッパー』『ハムレット』などで知られる演出家・劇作家・作詞家のワン・ヨンボム。音楽にはフレンチミュージカル『赤と黒』『太陽王』『ロックオペラ モーツァルト』『1789:バスティーユの恋人』などで知られる音楽プロデューサー・作曲家・編曲家・マルチ楽器奏者・歌手のウィリアム・ルソー。作詞にはGMAゴールデンメロディアワードにて第28回「年間最優秀アルバム賞」にノミネート、第33回「最優秀中国男性歌手」にノミネートされた歌手・音楽プロデューサー・ソングライターの許鈞が務める。
国際的な布陣が集結し誕生した本作は、12月27日(金)まで上海大劇院にて上演される。
長谷川寧 コメント
今回、中華圏のみならず世界的に知られたこの伝説的映画を舞台化するにあたって色々な試行錯誤があった。原作が既に実写である、という事も私にとっても初めての挑戦。それはポジティブに捉えるべきか、ネガティブに捉えるべか。或る意味での答えを提示された状況で、どう舞台として提示するべきなのか。
ずっとそんな事を頭の片隅に置いて作って来たけれども、どんな手付きでこの作品と向き合うかどうか、結果はいつもやっている事とそう変わらなかった。
セットの模型を持ち帰っては、まるでプラモデルに没頭する少年の様に、脚本とああでもないこうでもない、とバラバラにしては繋ぎ合わせ稽古場で試し、壊しては作り、話し合い、壊しては作り、話し合い。その繰返しで答えを見つけて行く作業。
但しいつだって最後のピースは観客席が埋まってからでないとわからない事だらけだ。それこそ本作に於ける組織内のスパイ探しの様に、作品づくりにはいつだって見えない何かが潜んでいる。
この世界初演の上演中もずっと、それを相変わらず大陸で探し続けている事だろう。
劇場に集う人々と、無間地獄を味わう事が出来れば幸いです。