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居心地は良いけれど、毎日がルーティンワークで、仕事がつまらない。【motoさんのお悩み相談室】

求人ボックスジャーナル

居心地は良いけれど、毎日がルーティンワークで、仕事がつまらない。【motoさんのお悩み相談室】 【求人ボックスジャーナル】はたらき方やキャリアを考える機会を創出するメディア

ビジネスパーソンが抱える仕事やキャリアの悩みに、転職・仕事のプロがお答えする「お悩み相談室」。

今回のテーマは「居心地は良いけれど、毎日がルーティンワークで、仕事がつまらない。」です。株式会社ラーニングエージェンシーが行った「若手社員の意識調査(社会人2年目~4年目の直面する壁TOP3編)」によると、「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」と答えた人はどの年次でも割合が高く、若手社員の多くが抱える悩みであるとわかります。

今回質問にお答えいただいたのは、新卒で地方ホームセンターへ入社後、マイナビやリクルート、スポットライト(現:楽天ペイメント)など7社を経験されたビジネスパーソン・motoさん。

仕事に慣れて毎日がマンネリ化したときにはどう考え、どう行動すべきかを伺いました。

Question

居心地は良いけれど、毎日がルーティンワークで、仕事がつまらない。 製造業で事務をしており、毎日同じ業務の繰り返しで飽きてしまいました。いかにミスなく効率よく仕事を処理するか、という点のみで評価される業務で、将来AIなどで自動化されたら自分の存在が不要になるのではないかと不安です。事業は安定していて、職場の人間関係に不満はないのですが、将来的に長く続けられて飽きない仕事ができたらと考えるようになりました。何か資格を取って転職するのが良いのか、もう少し我慢した方が良いのか悩んでいます。 (製造業/事務/3年/26歳女性)

転職はおすすめしない。まずはもっと自分にできることがないか考えよう

今の会社に大きな不満がないのであれば、転職はしなくてよいと思います。取り組むべきは転職活動ではなく、 今の会社でもっと自分にできることはないかを考えること ではないでしょうか。

毎日がルーティンワークで飽きてしまうのは、おそらく指示された仕事を指示された通りにこなしているだけだから、だと思います。 仕事の成果をより高める のであれば、まずは仕事に対して自分の思考を介在させる意識を持ちましょう。

例えば、今の仕事でもっと改善できる部分はないかを考えて上司に提案してみる。AIに仕事を取られるのが不安なら、自分がAIを使いこなす側に回るにはどうすればよいかを考えるのです。それでも今の仕事や部署に飽きてしまうのであれば、もっとチャレンジングな経験ができる部署への異動希望を出してみるのもよいかもしれません。

自分ができることはないかを考えて動いていくと、おそらく周りから「やってみなよ」と新しい仕事を任されるようになるでしょう。そこで成果を出せれば自分の評価が上がり、また違う仕事を頼んでくれるようになる。そうやって 次々に新しい仕事にチャレンジできる環境を自らつくり出せるようになれば、きっと仕事に飽きる暇もなくなる のではないでしょうか。

会社員でいる限り、すべての仕事はルーティンワークである

そもそも会社員として働いている以上、仕事はルーティン化していくものです。考えてみてください。誰かが退職しても、少しすれば次の担当者が採用されて、その人が前任者と同じように仕事を回し始めるでしょう。「いなくなったら困る」と言われていた人でさえ、その人が退職した後も会社は変わらず動き続けているのが現実です。

つまり、会社の仕事は誰がやっても同程度の成果が出せるように仕組み化されている。だからこそ自ら変化を起こしにいかなければ、誰でもマンネリ化するのは当たり前なのです。

飽きずに長く仕事を続けていくには、言われたことを言われた通りにこなすだけでなく、役割以上の仕事を自分でつくり出していく必要があると思います。 できる仕事をどんどん増やしていくと、自分の市場価値の向上にもつながっていくはず です。

ただし、幅広いスキルや経験を身に付けようとすると、それだけ場数を踏んで練習しなければなりません。一時的に労働時間が増えたり、働きに対して給与が見合っていないと考えたりする可能性もあるでしょう。

そのときに 大事なのは、中長期で自分のキャリアを考える視点 です。労働時間の増加や給与の低さといった目先のマイナスに気をとられるのではなく、経験値が上がることで自分の市場価値が上がり、理想とするキャリアに近づけるといったプラスの面を考えるようにしましょう。

資格があっても成果がなければ意味がない

個人的に、今の状態を脱するために資格取得に向かうのはあまりおすすめしません。転職において、資格があるだけで有利になる場面はほぼないからです。

転職で評価されるのは「どのような成果を残してきて、それを次の転職先でどのように活かせるのか」という点です。つまり「資格がある」だけでは足りず、「資格を使ってどのような課題をどのように解決できるのか」までセットで伝えられて初めて評価されるのです。例えるなら、同じ弁護士資格を持っている2人でも今まで一度も裁判で勝てていない弁護士と、全勝している弁護士ではどちらの市場価値が高いのか、といった話と同じです。

もちろん資格自体を否定するつもりはありません。ただ、今は資格を取得することが目的になってはいないでしょうか。そうではなく、 本来は資格取得の先にゴールを設定すべき だと思います。「経理に異動したいから簿記の資格を取る」など、成し遂げたい未来があり、そのために資格を取る。この順番を間違えないようにしてください。

何にせよ「資格を取って転職する」か「我慢して働く」の二択ではなく、「 今の会社でもっとできることはないかを考えつつ、自分のスキルを磨いていく 」といった、新しい選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

プロフィール

moto(戸塚俊介)

1987年長野県生まれ。新卒で地方ホームセンターへ入社後、マイナビやリクルート、スポットライト(現:楽天ペイメント)など7社を経験。自身の転職経験をもとにした転職ノウハウやキャリア観などの発信がSNSを中心に話題に。現在はmoto株式会社、HIRED株式会社の2社を経営。

代表著書 『転職と副業のかけ算(扶桑社)』『WORK価値ある人材こそ生き残る(日経BP)』 企業サイト moto株式会社/HIRED株式会社 X(旧Twitter) moto (戸塚俊介) ブログ 転職アンテナ

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