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ちょっと贅沢なランチ「一度食べたら納得」 静岡市の中心街で国産にこだわった「うなぎ弁当」

Shizuoka

素材にも焼きにもこだわる静岡市の「うなぎ弁当あつき」
コインパーキングの一角に店を構える「うなぎ弁当あつき」

■静岡市葵区両替町に4月オープン「うなぎ弁当あつき」

頑張った自分へのご褒美に。家族や職場の仲間たちとの団らんに。ちょっとした贅沢は日常に彩りを添える。静岡市葵区に今年4月オープンした「うなぎ弁当あつき」は国産にこだわったうなぎ弁当を販売している。高級食材でありながら手が届く価格に設定している理由には、店舗運営の費用を抑える工夫と「日常の特別感」をつくり出したい思いが込められている。

【メニューや場所をチェック】静岡市の中心街に店を構える「うなぎ弁当あつき」

お昼時の静岡市中心街から嗅覚と胃袋を刺激する香りが漂う。醬油ベースのタレを焦がした香りは人を引き寄せる力がある。香りの先にあるのは、コインパーキングの一角に設けられた真っ白なキッチンコンテナ。「うなぎ弁当あつき」は半年ほど前から、うなぎ弁当とうなぎの肝焼きを販売している。

うなぎ弁当は並、大、特大の3種類。税込2300円の並は弁当としては金額が高い。ただ、うなぎ専門店の相場と比べると、1000円以上は安い。オーナーが「一度食べていただければ、満足いただけます」と自信を見せるように細部までこだわりが詰まっている。

弁当のメインとなるうなぎは静岡県吉田町にある「マル二うなぎ加工(株)」から取り寄せている。吉田町は南アルプスを源流とする大井川の伏流水が豊富に流れ、養鰻の名産地として知られている。

マル二うなぎから仕入れた自慢のうなぎ

■「マル二うなぎ」から仕入れ 臭みを抜く大井川の伏流水

うなぎの味を決める上で重要な要素なる水に恵まれた地で、1948年に創業したマル二うなぎ加工は「誰もが満足のいく味」を追求してきた。うなぎは地元を中心に全国の産地から仕入れている。時期や産地によって風味が異なるため、年間を通じて最高の品質を届けられるように素材を吟味している。

うなぎは加工の2日前から大井川の伏流水に浸して清浄する。この清らかな水が、うなぎの臭みを抜き、身を程よく引き締めている。うなぎ弁当あつきのオーナーは「うなぎ弁当自体がシンプルなので素材の差が顕著に表れます。国産のうなぎでも水がきれいなところではないと、特にうなぎの皮に臭いが残ってしまいます」と説明する。

弁当では、うなぎを引き立てるタレも厳選した国産の調味料を使っている。醤油やみりんはうなぎを焼いた時、味に違いが出るという。砂糖も天然の砂糖を使用して自然で優しい甘さに仕上げている。

付け合わせにも妥協がない。控えめに添えられたしば漬けは東京の銀座にある店から取り寄せている。漬物が有名な京都などで食べ歩いた結果、オーナーが「一番おいしい」とたどり着いたしば漬け。一口味わえば、単なる脇役ではないとうなずける。

営業は午前11時半から午後1時半のランチ時のみ

■うなぎの焼き加減も絶妙 「炭の香りがして身はふんわり」

こうした素材を生かすのが、炭を使ってうなぎを焼く作業。担当するのは、店名の由来にもなっている木下篤紀さん(33歳)だ。夜は近くの焼き鳥店で働き、飲食の仕事に就いて10年以上が経つ。

鶏肉と比べてうなぎは串からはがれやすく焦げやすい難しさがあるが、“焼き”を専門にする木下さんが最高の状態へと仕上げていく。木下さんは「うなぎは炭の香りがして、身は柔らかくふんわりしています。老舗のうなぎ専門店と変わらないクオリティで提供しています」と力を込める。

オーナーがうなぎ弁当の店を構えたのは、日常にささやかな楽しみや幸せを実感する時間をつくりたい思いがあった。静岡市清水区で生まれ育った子どもの頃、食卓にうなぎが並ぶのは珍しくなかった。釣り好きな父親が時々、うなぎも獲ってきたという。

「実家で暮らしていた頃は、父親が獲ってきたうなぎの蒲焼を食べていました。大人になってから『お店で食べると、こんなにも高いのか』と知りました。最近はうなぎの価格がどんどん上昇して高級品になってしまい、食べる機会が減った人は多いと感じています」

店名は焼きを担当する木下篤紀さんの名前が由来

■「月に1回の特別感」 コスパに納得してリピーター増加中

うなぎが有名な静岡県内では、うな丼やうな重が1人前4000円、5000円の専門店は少なくない。好物ではあっても、値段を見ると躊躇(ちゅうちょ)してしまう。

オーナーが描くのは「月に1回の特別感」。普段の食事や弁当としては少し高額になるが、手の届く金額で日常に幸せを感じられる時間をつくろうとしている。国産の素材を揃えながらも並2300円の価格に抑えられているのは、必要最小限の設備にしていることに加えて、コインパーキングのデッドスペースを有効活用しているため場所代がかからない点も大きい。

「仕事を頑張った自分へのご褒美にも良いですし、プロジェクトが一段落した職場の仲間同士やお得意さまとのランチにも活用していただけると思います。ちょっと贅沢な時間を楽しみたいご家族にもご利用いただきたいですね。お弁当にしては少し高いと感じられるかもしれませんが、食べていただければ納得してもらえると思っています」

 その言葉通り、店をオープンして半年が経ち、リピーターも増えてきたという。主役のうなぎはもちろん、タレや付け合わせまでこだわり抜いた弁当は、ふたを開けた瞬間も口に運んだ時も幸せが広がる。

(間 淳/Jun Aida)

【うなぎ弁当あつき】

場所:静岡市葵区両替町2-2-8

営業時間:平日の午前11時半~午後1時半

予約受付:午前9時~午後6時

電話:054-260-7417

メニュー:並2300円、並(肝焼き入)2600円、大3000円、特大3600円、肝焼き1本300円。価格は全て税込。

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