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わたしの ふかくさ暮らし Vol.4(深草地域移住者インタビュー) 子どもファーストで、地域の子どもたちに寄り添う

デジスタイル京都

深草体育振興会 会長 尾﨑千佳さん

深草に移住し、ふかくさ暮らしを満喫されている方へのインタビュー。

今回は、深草体育振興会の会長をはじめ、さまざまな地域の活動に力を注いでおられる尾﨑千佳さんです。約20年前に深草に引っ越してこられた尾﨑さんは、4人のお子さんを持つベテランママさん。“子どもファースト”をモットーに、地域の子どもたちを温かく見守り、わが街を盛り上げるべく奮闘されています。そんな尾﨑さんに深草の魅力をお聞きしました。

尾﨑千佳(おざきちか)さん

2003年12月、ご長男の出産を機に、宇治市からご主人の地元、深草に移住。現在、ご長男は独立され、ご主人と、大学1回生・高校1年生・中学1年生の3人のお子さんとふかくさ暮らし継続中 (学年は2024年12月取材時のもの)。

2023年より深草体育振興会 会長を務めるほか、深草学区の日赤・献血友の会(会長)や深草小学校 学校運営協議会の活動にも積極的に取り組む。

その他にも、児童館の非常勤職員、小学校総合支援ボランティア、京都市情報モラル市民インストラクター、深草中学校 学校運営協議会 副会長、伏見中「はぐくみ」ネットワーク実行委員会 世話役と多くの役割・役職を担っている。

地域の方が温かく、人と人のつながりが息づく深草

――深草に引っ越してこられた時の第一印象は?

尾﨑さん:ちょうど子育てを始めた時だったので、小児科などの病院、幼稚園などを調べたところ、選択肢の多さにびっくりしました。自分たちに合うところを選べるのは嬉しいですよね。

家から、スーパーやコンビニ、銀行、郵便局なども歩いていけてすごく便利。役所で手続きや子育て支援サービスを利用する際も、初めは伏見区役所に行かなければと思い込んでいたのですが、近くの深草支所でできると知って嬉しい驚きでしたね。

――深草の街の雰囲気はどうですか?

尾﨑さん:引っ越してきた当初は家から近い竹田駅方面に行くことが多かったのですが、長男の深草小学校入学後は、深草商店街が身近な存在になりました。子どもから「授業で商店街にインタビューに行ってきたよ」と聞くと、そのお店に一緒に行ってお買い物したりとか。歴史があり、規模も大きくて、元気に営業されているお店が多いのはもちろんですが、息子から「登校時にいつも挨拶してくれるおばちゃんがいる」と聞いて感激。私が子どもの頃にあった温かみや人と人とのつながりが、まだまだここにはあるんだなぁって嬉しかったですね。

その後、PTAの役員や会長を務め、深草商店街を含めて地域の方々には、たくさんお世話になりました。子どもだけでなく、私たちにもいつも温かく声を掛けてくださって、ありがたかったですね。

――古き良き文化が残っていますよね。

尾﨑さん:そうですね。うちの子たちは駄菓子屋さんにもよく行っていましたよ。子どもたちがお小遣いで「何買おうかな」ってワクワクできる場所があるのって、夢があっていいですよね。

居場所という点では、最近オープンした「タカギヒロバ」さんも、中学生の次女の友人が時々勉強をしにいくこともあり、ありがたい存在になっているようです。

私自身も「子どもたちの居場所づくりの一環になれば」と、職員として関わっている児童館で、“卒館”する子たちにも、「いつでも遊びにおいで」と声を掛けています。

タカギヒロバ

深草商店街の旧ファミリーショップたかぎ店が空き店舗となり、所有者の高木さんのご厚意で生まれ変わった、多世代交流型コミュニティスペース。

買い物途中や放課後などに、気軽に立ち寄れるアットホームな空間です。

▼タカギヒロバについてはこちらから

https://fukakusa-flower.com/archives/2689

――深草学区はかなり広いのも特徴の一つですよね?

尾﨑さん:それも驚きでした。子どもが、「友だちのところに遊びに行ってくるわ」と出かけた先を聞いて、「えっ、そこも学区やったん!?」とはじめて知ることも。

小学校も生徒数もが多くて活気があり、いろんな友だちができますし、京都市内では今や貴重ではないでしょうか。

また、新しく移り住んできた若い方が多いエリアと、代々地元に住んでいる方が多い地域とで、バランスよく構成されているのも特徴ですね。私が関わっている体育振興会の活動なども規模や活気がありますし、意見をまとめる大変さはありますが、やりとりを重ねることで一体感につながっていると思います。

――活気があって、子どもたちが楽しめるイベントも多いですよね。

尾﨑さん:ほんとにそう。歴史ある藤森神社の藤森祭はもちろん、藤森盆踊りフェスティバルや深草ふれあいプラザなど、他にもお祭りやイベントがいろいろあります。

深草商店街で毎年の恒例イベント「ふかくさ100円商店街」も、子どもたちがいきいきしてるんですよ。お菓子だけじゃなくて、焼き鳥や唐揚げ、コロッケの列に並んだりして。特に、焼き鳥は“大人の食べ物”の憧れがあるようで、自分でお金を払って買えるのがすっごく嬉しいみたいです(笑)。チェーン展開のスーパーなども参加されて一緒に盛り上げておられるのも、いい雰囲気だなと思います。

また、地域のイベントや学園祭などで、京都教育大学や龍谷大学の学生さんと一緒に遊ぶなど交流できる機会も多いですね。よそに遊びに行かなくても、この近辺で充分楽しめるのも深草の魅力の一つです。

PTAバレーがきっかけで体振の会長に

――深草体育振興会の会長を務められているんですよね?

尾﨑さん:はい、さまざまな活動を行っていますが、現在、役職として主となっているのが体育振興会(以下「体振」)の会長で、2023年から務めています。

――会長になられた経緯とは?

尾﨑さん:参加していたPTAバレーの先輩ママさんが体振バレーをされていて、一緒に行くようになったんです。体振の先輩方が少しずつ引退されて、私たちが世話役として役員の会議に参加するようになったのが最初のきっかけですね。

その後、会長が辞められて、引き受ける方がおられず、このままだと体振がなくなってしまうという危機に直面しました。せっかくコロナ禍が明けて、久しぶりに大会に出ることを部員一同楽しみにしていましたし、普段の練習のために体育館を借りることもできなくなってしまう。それはあまりにも悲しいことなので、自らお引き受けしたわけです。

体振の活動を支える仲間でもあるバレーのメンバー

――体振の会長としてはどんなことをされているんですか?

尾﨑さん:年5回ある伏見区全体の会議に出席するほか、体育振興会の京都市大会への参加や京都マラソンのボランティアの要請などさまざまな取りまとめをしています。

それから、町内対抗のソフトバレー大会や卓球大会など、学区内で行われる競技、そして、一番大きな行事である区民運動会の企画・準備・運営ですね。

前任の会長さんは一手に引き受けてくださっていたのですが、私一人では到底できないので、いろんな方にお手伝いいただいています。

伏見区体育振興会連合会の式典にも参加

――お忙しい中、大変ではないですか?

尾﨑さん:そうですね。2023年は子どもたちが中学・高校・大学の入学の年で…。並行して、桃山高校のPTA会長、京都府高等学校PTA連絡協議会の副会長もしていました。2024年7月14日・15日に、それぞれ近畿地区高等学校PTA連合会の大会が京都で開催されたこともあり、その準備委員会にも前年度から参加していました。

いずれも進んで立候補したわけではないのですが、「私にできることで、皆さんのお役に立てるなら…」という思いで務めていました。

――慣れない中、区民運動会ではどのような取り組みを?

尾﨑さん:1年目は、基本的に前任の会長さんの計画に沿って準備を進めました。ただ、コロナ明けだったため、従来の1日開催から半日開催に変更したんです。反対意見もあり、議論や説得を重ね、どうにかこぎつけた形でしたが、当日やってみるとなんとかうまくいったんですね。

それで、2年目は新たな改善に取り組みました。それまで深草中学校前まで行かないとわからなかった雨天中止の連絡を、QRコードで確認できる仕組みを提案。体振の卓球メンバーでパソコン教室をされている方にお願いすると、すぐに作っていただき導入できました。幸い快晴で出番はなかったのですが、今後他の行事でも活用できますし、小さいけれど一歩前進できたなと思っています。

――体振の活動で課題に感じられていることは?

尾﨑さん:昔に比べるとやはり運動会などの参加者数は少なくなっていて、コロナ禍でさらに減ってしまったことですね。子どもさんが小さい間は来られていたけど、大きくなると参加されないというケースも多いです。例えば、おじいちゃん・おばあちゃん、親御さん、お孫さんで出場する「親子三代競技」も、以前は100組ぐらい参加がありましたが、今は30組程度になっていますね。

――30組でもすごいなぁと思います。

尾﨑さん:昔はお孫さんの数だけ走るおじいちゃん・おばあちゃんもおられて、「元気やなぁ。楽しそうでいいなぁ」と見ていましたが、最近はお孫さんの数も減っていますしね。

参加されない町内があったり、そもそも町内会に入っておられない世帯があったりという問題もあります。町内から集める分担金も減り、景品を買い揃えるのにも苦労しますし、一方で参加されている年配の方からは「昔の方が景品がよかった」「出られる競技が少ないのに分担金が高い」という声をいただくことも。

――難しい問題ですよね。

尾﨑さん:みなさんの声をお聞きして、「もっと、どうしていったらいいでしょうね?」と一緒に考えてもらい、「じゃあ、他の町内にも聞いてみて、どういうことができるか考えてみますね」と、できる限り丁寧に意見や要望を聞いて、少しでもみなさんが納得して楽しく参加できるように取り組んでいます。

大切なのは、若い子育て世代の方の参加を増やしていくこと。2024年も午前のみの開催にしたのですが、それも、深草中学校での開催のため、授乳室やおむつ替えスペースがなく、時間が長いと小さいお子さんがぐずって親御さんも疲れてしまうという事情を考えてのことでした。

――気軽に参加できて、地域とつながるきっかけになればいいですよね。

尾﨑さん:そうなんです。競技に出場するだけでなく、親子三代競技など他の参加者を見て、「いいね。来年はうちも出ようか」ってなってもらえたら嬉しいですね。

やっぱり、観客が一番多いのは幼児レースなんですよ。運動会は若い世代に体振の活動を知ってもらう絶好の場ですし、将来の担い手へとつながるきっかけになると思います。

私もさまざまな団体や周りの方にお手伝いいただき、人と人とのつながりのありがたみを実感しています。また、伏見区の他学区の会長さんたちも本当によくしてくださるんですよ。ベテランの方が多く、「僕のところはこうやってるよ」と教えていただくことも。運動会の小学生ボランティアを募るなど新しい取り組みをされている学区もあり、すごく勉強になります。

親世代の方に興味を持っていただくきっかけにもなりますしね。

深草でも子どもさんを巻き込んだ活動ができないかなと検討しているところです。

――新たな取り組みで地域を盛り上げようとされているわけですね。

尾﨑さん:そうですね。慣れていない私が会長になったことで、意見や要望が出やすくなったり、協力の輪が広がったりした面もあるのかなと思います。

私自身も、自分がやってみて初めて、何か意見できるんだなと常々思いますし。

体振の会長職は長年務められているケースが多いのですが、私の理想は、誰が引き継いでも問題なくできること。ローテーションで担当できて、より多くの方が関わって意見を出し合い、盛り上げていけることが、存続と発展のポイントだと考えています。

多彩な活動の共通項は“子どもファースト”

――ご自身の子育てで大切にされていることはありますか?

尾﨑さん:ずっと思っているのは、“子どもファースト”。子どものためになるのであれば、少々大変でも頑張りたいなと思っています。

今はそれが地域内のすべての子どもたちへの思いになっていますね。危ないことは「危ないよ!」と注意しますし、少しでも知っている子には必ず声をかけています。

――尾﨑さんなら、たくさんの子どもたちとつながっていそう!

尾﨑さん:近所の子や児童館に来ている子どもたち、そのお友だちの子にも声をかけてますね。

最近は、「深草チャレンジ活動(深チャレ)」として、深草小学校でバレーボール部の5、6年生と一緒に活動しているので、その子たちともつながっています。

児童館は職員として週2~3回行っていて、ほぼ“おかん”みたいに思われてて、呼び名は“おざせん”です(笑)。

また、午前中は小学校総合支援ボランティアとして、小学校であるお子さんと一緒に勉強したり遊んだりしています。不登校気味だったのですが、こうした取り組みを通して、少しずつ休まずに登校できるようになっているようで、嬉しく思っています。

わが子は小学校を卒業しましたが、今でも関われることが嬉しいですし、素晴らしいことだなと感じています。

深草チャレンジ活動(深チャレ)

学校部活動の地域連携・地域クラブ活動への移行を目的に、深草小学校の学校運営協議会と深草体育振興会とが協力して行っている活動です。

――具体的に心がけていることはありますか?

尾﨑さん:さまざまな活動で、「どうしたら子どもが楽しいか」や「何が危ないか」を、常に子ども目線で考えるようにしています。

子どもたちが困らないように、ママパパが困らないように…。例えば、「大人は大丈夫だけど、子どもにはこの高さは危ないよね」「普通に歩くのは平気だけど、ベビーカーだと通れないよね」ということですね。

――子どもたち、親御さんたちみんなの味方として役が回ってくるのかも。

尾﨑さん:そうですね、確かに、深チャレも総合支援ボランティアも、「尾﨑さん、絶対向いてると思うし!」と声を掛けていただき始めました。何でも向いてると言われがちな気もしますが(笑)。

深草小学校のグランドにて。「おざせん~!」と子どもたちから声がかかります。

でも、深チャレの方は、以前お世話になっていたPTAバレーのコーチが「いいよ、行ってあげるよ!」と、ボランティアで練習や試合の指導を熱心にしてくださっていて、本当に助かっています。

体振を含め地域の活動を通して、一緒に取り組んでくれる仲間や応援してくださるたくさんの方々に出会えたことが何よりも喜びです。

■スポット情報
店舗名:タカギヒロバ
住所:京都市伏見区深草直違橋2丁目429

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