「懐かしい!」学習雑誌の表紙絵がズラリ 柿崎出身 玉井力三の企画展
「懐かしい!」と感じる人もいるかもしれません。学習雑誌の表紙絵を、昭和20年代から20年以上にわたり描いた上越市出身の洋画家、玉井力三の企画展が高田城址公園内の小林古径記念美術館で開かれています。
昭和29年に出版された小学館の学習雑誌「小学二年生」です。表紙には生き生きとした子どもが描かれています。
手掛けたのは旧柿崎村出身の玉井力三です。
明治41年に生まれ、幼いころから絵を描くのが好きで、20歳で上京し油絵を学びました。40歳のころ、月刊誌や婦人誌の表紙に写実的な人物の絵を描くようになり、42歳から24年間、小学館を中心とする学習雑誌などの表紙を描き続けました。会場には表紙絵の原画、約50点のほか、学習雑誌の原本など約120点が展示されています。
学習雑誌の表紙絵には人物のほか、アニメキャラクターや大阪万博、子どもたちに人気だったトランシーバーなども描かれていて、当時の流行などを振り返ることができます。
訪れた人
「タイムリーに雑誌を見ていた。何気ない表紙に画家の生命が入っているとは、当時は気づかなかった。懐かしさを覚える」
主任学芸員 市川高子 さん
「ふっくらしたほっぺ、柔らかい髪の毛、小物も手を抜かない。昭和の重要トピックスが入っているので、見つけるのも楽しい」
このほか冬の朝市の風景や人物画、玉井が使った筆、学習雑誌の付録なども展示されています。
主任学芸員 市川高子 さん
「懐かしい世代だけでなく、若い人にも新鮮・ポップな表紙絵の世界を楽しんでほしい」
この企画展は9月1日まで小林古径記念美術館で開かれています。
会場には学習雑誌の形をした顔出しパネルが設置されています。小学生気分を盛り上げる黄色い帽子を借りることができます。また期間中は、油絵のワークショップや学習雑誌の復刻ふろく「東京タワー」がもらえるイベントなどが企画されています。
詳しくは美術館のホームページをご覧ください。