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保護者とのコミュニケーションが希薄で、些細な諍いが絶えなかった大所帯チームを変えた、保護者と指導者の「10の心得」とは

サカイク

千葉県で活動する「Wings」は、伝統ある強豪チームとして知られています。この秋Wingsとグループ4チームの保護者に対して「サカイク10か条」を配布しました。

サカイク10か条とは、「サッカーと教育」をテーマに保護者に向けて情報を発信する「サカイク」が、子どもが心からサッカーを楽しむために、「勝たせたい」「上手くしたい」の前に大事にしてほしい親の心得をまとめた内容です。

Wingsがサカイク10か条をチームで配布しようと思った理由、配布してどんな変化があったのかを高橋慎一コーチにお伺いしました。

 

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Wingsの選手たち

 

 

■配布してすぐに、いい影響が出た

サカイク10か条は、子どものサッカー歴やサッカーのレベル、チームの強弱にかかわらず、すべての子がサッカーを本気で楽しみ、成長していくための大人のスタンス、行動指針を提示したものです。

以前よりサカイク10か条に賛同いただいていたクラブの代表・久保巳郎さんが、Wings及びグループ4団体にも配布を希望されたのが、チラシ配布のきっかけでした。

配布から約1か月後、保護者の反応やチームの変化をうかがってみると「すぐに変化が出た」と教えてくれました。

 

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■コーチと保護者のコミュニケーションが不足していた

Wingsは所属選手が200人ほどいるため、指導者も複数の学年を担当していたり、1つの指導現場が終われば次の子たちの指導に移動するなど、時間に追われ、保護者とじっくり話をする機会自体が少なかったそう。

関係性が希薄ゆえに、コミュニケーションが取れていればすぐに解決できるような問題が大事(おおごと)に発展しやすい状況にあったのだとか。

チームとしても、もっと保護者とコミュニケーションを取る必要性を感じており、サカイク10か条を配布し、「自分たちもここに書いてあるようなことを大事にして指導している」と、チームの理念を伝える機会を設けたのだと教えてくれました。

クラブの理念と同じことをサッカーメディアも発信している、とチラシを見せることで、背中を押されている気分になり、伝えやすくなったようです。

サカイク10か条をこのように活用する一つの例として参考になるのではないでしょうか。

 

■保護者だけでなく指導者も変わった

多くの保護者からは特別な感想などはなかったそうですが、それまでと比べて保護者のほうから話しかけてくれる機会が増えたそうです。

これは、サカイク10か条の第5条「コーチやクラブの考えを聞いてみよう」を見て「話しかけていいんだ」と思えたからかもしれません。

もともと「サッカーの指導はクラブに任せましょう」というスタンスだったこともあったため、保護者との距離がほかのチームより出来やすかったのかもしれない、と高橋コーチは振り返ります。

今でもその姿勢は変わりませんが、10か条配布以降保護者とのサッカーのことだけでなく日常会話も増え、意思の伝達がしやすくなったそう。

高橋コーチ自身の話だけではなく、ほかのコーチたちも同様に保護者との会話が増えたそうです。

 

■ピッチ外での親から子へのダメだしが減った

ほかにも、試合の時に我が子にダメ出しをする親御さんが、我慢してくれるようになった例もあると教えてくれました。

ピッチサイドで見ていてミスや不甲斐ないプレーを目にすると、「何やってんだ!」と怒鳴る保護者もいますよね。指導者から見ても我が子に対してそこまで言わなくてもいいのではないか、と感じるぐらい厳しいダメ出しをする親御さんもまだまだいるようです。

ですが、10か条配布後にはそういった保護者の方が声を出さないようにしている場面が増えたそうです。

10か条チラシ配布からほんの1か月もたたないうちに、目に見えて良い影響が出たと嬉しそうに教えてくれました。

 

■「勝ちたい」も大事だけど、小学生年代では何より「楽しい」が大事

高橋コーチは、小学生年代は楽しむことを大事にしてほしいと語ります(写真提供:Wings)

 

Wingsは東京ヴェルディの準支部でもあり、強豪ひしめく千葉県で好成績を残しているチームでもあります。

そういったクラブの立場として、勝つことを目指してはいますが、小学生年代ではサッカーが楽しいと思えること、楽しいから練習に行くというのをないがしろにしたくないと高橋コーチは言います。

勝ちを目指すことは悪いことではありません。子どもたち自身、サッカーに真剣になるほど「勝ちたい」と思うのは自然なことです。

勝負にこだわることも大切だと指導しているけれども、ただ勝つことが優先されるのではなく、楽しいから上手くなって、強くなった。だから、勝てた。そんな順序を理想的だと考えていたそうで、コーチ自身もサカイク10か条が指導者にとっても大事な心得だと感じている、と語ってくれました。

 

■コーチ自身がサカイクの情報をピックアップして共有するようになった

今では高橋コーチ自身が良いと思ったサカイクの記事をピックアップして、保護者にメールなどで共有したり、積極的に保護者に向けて情報をお伝えしているそうです。

保護者と意思疎通が円滑になり、チームの指導方針を共有することで、チームに一体感が生まれます。そうすることで、子どもたちの指導環境もより良くなっていくのです。

今後、時間がたてば今の気持ち、10か条の記憶が薄れて行くかもしれないけれど、断続的に保護者に伝えて行きたいと高橋コーチは語ります。

これから10か条の考えがより浸透して更なる変化がでるのか、楽しみにしたいものです。

 

近年、インターネットやSNSの普及で保護者も様々な情報を得ているがゆえに、子どもをもっと上手くしよう、選手として高いレベルにしたいと親のほうが熱くなってあれこれさせていることがありますが、そんな保護者たちに「ちょっと待って。上手くすること、勝つことの前に大事なことは何?」と気づかせてくれるサカイク10か条。

あなたのチームでも配布しませんか。

 

チームでのサカイク10か条配布を希望の方はこちら(配布は無料です)>>

 

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