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【一期一会の良い酔いを】2025年4月におすすめのお酒イベント

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【一期一会の良い酔いを】2025年4月におすすめのお酒イベント

さあ、いよいよ春。凍えた味覚も嗅覚も解け出すシーズン、香りの良いお酒を嗜みたくなる頃である。春から新環境に身を置く予定の方にとって、4月は人付き合いの輪に変化が訪れる季節。そんなとき、大人の話題として「お酒」が活躍する確率は高いのではないだろうか。「そういえばこの前、こんなイベントに行ったんですよ」と語れば「〇〇お好きなんですか」と同好の士が集まってくるかもしれない。もしくは、日々のストレスを癒すべく、ひとりで参戦するのも味わい深い。ソロプレイでもマルチプレイでも大歓迎な、心踊る酒の祭典たちを、それでは紹介していこう。

飲んで歩いて、街ぜんぶが好きになる!
『第9回 日本橋エリア 日本酒利き歩き 2025』
日本橋エリア 4月12日(土)

『第9回 日本橋エリア 日本酒利き歩き 2025』

まずは『第9回 日本橋エリア 日本酒利き歩き 2025』だ。数あるお酒を愉しむイベントのなかでも異色とも言える、都心のいちエリアを丸ごと会場として、「飲み歩く」ことに重点を置いたイベントである。とにかく会場が広い。

『日本橋エリア 日本酒利き歩き』過去開催時の様子

「日本橋で日本酒を/日本橋から日本酒を」を合言葉に、日本酒の普及とエリアの活性化を目的として開催される本イベント。元をたどれば、2010年に個人店を会場とした小規模な利き酒会として始まったという。参加者が増えるにつれて規模が大きくなっていき、やがて小さな個人店をつないで街全体を会場とする形式になったそうだ。2024年版の会場マップを見てみると「人形町」を中心としておよそ半径500〜600m、「三越前」「新日本橋」「小伝馬町」「水天宮前」などに至る路地が会場として網羅されている。

『日本橋エリア 日本酒利き歩き』過去開催時の様子

参加者は受付でリストバンドと専用おちょこを受け取ったら、そのあとは自由に街へと繰り出せばOK!である。エリア内の参加各店には全国約50の酒蔵から集まった日本酒が振り分けられており、参加者はそれを無料で飲み歩くことができる。見逃せないのは、それぞれの店が用意した、その日本酒に合う特製フードメニューが販売されるところだ。日頃気になっていた個人店を気軽に訪問して、逸品をいただく絶好の機会である。準備はきっとものすごく大変なのだろうけれど、酒ファンと個人店の出会いを生み出すいいアイデアだなとしみじみ思う。ちなみに公式ブログに掲載されている前回開催時の「フードメニュー×出品酒の組み合わせ」を軽い気持ちで覗いてみたところ、あまりにも美味しそうでついつい何時間も見てしまった。日本酒好き・晩酌好きならぜひ一度チェックしてほしい。なお、同ブログでは利き歩きの楽しみかたや注意点についても丁寧にまとめられているので、併せて読んでおくのがおすすめだ。

『日本橋エリア 日本酒利き歩き』過去開催時の様子

さらに、エリア内には、日本酒とは直接関係が無さそうなお店や、意外な場所にも「振舞酒」コーナーが設置される。そちらのコーナーにはランダムに選ばれた日本酒が設置されており、参加者がおちょこで自由に利き酒を楽しめるそう。歩き回れば歩き回るだけ、街と日本酒のことが好きになれそうなイベントである。ぜひ歩きやすい靴と飲料水を相棒に、冒険に繰り出してみてほしい。

『日本橋エリア 日本酒利き歩き』過去開催時の様子


【主催者からのメッセージ】

4月12日(土)に『第9回 日本橋エリア 日本酒利き歩き2025』を開催いたします。本イベントは、日本酒を味わい、日本橋エリアを巡り、楽しんでいただくことで、日本酒と日本橋エリアの魅力をPRすることを目的としております。

今年も、日本全国から50以上の酒蔵が自慢の銘酒を携えて集結し、日本橋エリア各所に設けられた日本酒ブースや振舞酒コーナーにて、自由に利き酒をお楽しみいただけます。今回は特に、振舞酒コーナーを設置する飲食店を拡充し、参加者の皆様がより日本酒にアクセスしやすい環境を整えるよう準備を進めております。

参加飲食店も、普段は敷居の高い名店や隠れた実力店が多数参加し、提供されるフードメニューも好評です。イベントをきっかけに訪れたお店に、後日改めて足を運んだという声も多くいただいており、新たなお気に入りの店舗を見つける絶好の機会となっています。

また、関連ショップ&イベントも多数展開し、日本橋エリアの魅力をより一層感じられるコンテンツを充実させております。

本イベントを通じて、皆様が新たなお気に入りの日本酒を見つけたり、日本橋の魅力を再発見するきっかけとなれば幸いです。ぜひ、ご家族やご友人とともに、日本酒と街歩きを存分にお楽しみください。

毎回、多くの皆様にご参加いただき、心より感謝申し上げます。今回も安全で楽しいイベントとなるよう、ルールやマナーを守りながらご参加いただきますようお願い申し上げます。

それでは、日本橋エリアでお会いしましょう!

酒と音楽でどこまでもゴキゲンに、楽しんだもの勝ち!
『愛酒でいと2025』
Zepp Namba(OSAKA) 4月29日(火祝)

『愛酒でいと2025』

続いては、個性強めの『愛酒でいと2025』。キャッチコピーは「日本イチ日本酒イベントらしくない日本酒だけのお祭り」であり、難しいことは考えず日本酒を楽しもう!という強い意志に満ちた企画である。なんと会場はライブハウス。美味しい日本酒で感性がやわらか〜くなった状態で、アーティストたちのスペシャルライブを楽しむことができる。

『愛酒でいと』過去開催時の様子

大阪の日本酒バーの店主が軸となって始めた『愛酒でいと』は、口コミで動員を伸ばし続け、現在では数十軒の飲食店・蔵元が参加する大イベントとなっている。驚くべきは、18年目・1000人規模の動員がある現在でも、スポンサー企業や各種補助金・イベント会社らを入れておらず、当事者のみで運営されている点だ。米・米麹・水のみでできた純米酒のように、酒蔵・飲食店・愛酒家(来場者)のみで構成されているのである。会場のノリはそれだけに熱く、忖度なしのハチャメチャ感が漂う。大阪万博をパロディしたチラシを見るだけで、関係者一同の含み笑いが聞こえてきそうだ。ちなみに本イベントのチラシは毎回何かしらのパロディだそうで(競馬新聞や中吊り広告、プロレスetc……)それもまた、『愛酒でいと』に欠かせない名物とのこと。なるほど。

『愛酒でいと』過去開催時の様子

当日の会場には屋台が組まれ、各蔵が自慢の一杯、各店が渾身の肴を提供するという。2025年の開催ではおよそ20蔵×20飲食店が参加する予定だ。なお、本イベントはチケットとは別にキャッシュオンでの飲食となるので、その点はご注意を。

『愛酒でいと』過去開催時の様子

スクリーンでは蔵元の紹介映像が流れ、ライブのほかにBGMとして80年代の懐メロ(邦楽)が会場を盛り上げる。ちなみに『愛酒でいと』というちょっと変わったイベント名は、「愛するお酒とデートする1日」との意味を込めて、田原俊彦「哀愁でいと」(1980年)に由来しているそうな。アーティストご本人公認というのがまた、ニヤニヤしてしまうポイントである。

『愛酒でいと』過去開催時の様子

日本酒イベントという既存のイメージに囚われることなく、「オモロかったらなんでもあり」のマインドで進化を続ける『愛酒でいと』。このノリはいちど知ってしまったらクセになってしまうかも。引いて眺めていてもきっと楽しくなれない。同じ酒好きなら、飛び込んでその熱の一部になってナンボ、である。

【主催者からのメッセージ】

素晴らしい伝統と技術を受け継ぎつつも、まだまだ日の目を見られてない蔵元や日本酒が多く、日本酒をもっと幅広く敷居を低く親しみやすく広めたい、という気持ちだけで、あらゆるイベントやお店の形態を模索して挑戦してきました。

「日本酒」の、固く、古く、難しい、というイメージを覆したく、なるべく真逆の、ゆるく、若く、簡単に、とにかく大阪らしくオモロく日本酒を楽しめるイベントを心掛けてきました。

18年目を迎える今年も、イベント立ち上げ時から変わらず、スポンサー無し、補助金無し、イベント会社も入らず、日本酒を愛する飲食店、蔵元、酒屋、ボランティアスタッフと、お客さんで作っていくスタイルです。ライブのブッキングは、2009年から一緒にイベントを作ってくれている西田良敬(にしだよしのり)、彼も私と同じく飲食店(Osake Sunny Osaka)のオーナーです。

今年は、Zepp Namba(OSAKA)での開催10回目の記念の年となります。飲食店、蔵元、ライブ、DJ、全てがスペシャルな年になると、準備からスタッフ一同ワクワクしています。

世代を越えて、たくさんの方に、日本酒の面白さ、美味しさ、楽しみ方をお伝えできたら嬉しいです!

近年注目が集まる、失われし日本の古酒文化が咲き誇る!
『熟成古酒ルネッサンス2025』
赤煉瓦酒造工場 4月5日(土)

『熟成古酒ルネッサンス2025』

さて、熟成古酒、というお酒をご存じだろうか。簡単にいうと、蔵元で3年以上寝かせた日本酒のことである。国の重要文化財でもあるレンガ建築「赤煉瓦酒造工場」にて開催されるのは、そんな熟成古酒だけを集めた年に一度のお祭り『熟成古酒ルネッサンス2025』だ。日本全国から低温熟成古酒や常温熟成古酒が集結し、中には30年を越す熟成古酒も登場するという。

熟成させた日本酒って、どんな味なんだろう……。気になって調べてみたところ、「見た目や味わいはもはや日本酒ではなく別の酒」「日本酒が苦手という人ほど受け入れてくれる傾向」「飲んでいる途中に酔いが回り、明日の心配をするものの、なぜか翌日スッキリ。なんなら飲んでる途中にスッキリ」といったコメントを主催のSNSで発見。見た目は琥珀色やルビー色など様々で、カラメルのような甘く複雑な熟成香や、濃厚な味わいが特徴……なのだとか。ものすごく気になる。

『熟成古酒ルネッサンス』参考画像

イベントを主催しているのは「長期熟成酒研究会」。熟成古酒の復興と研究に夢とロマンを託している、酒造業者・飲食業・個人会員などからなる有志集団だ。熟成古酒の「復興」というところに注目である。そういえば、イベントの名前も「ルネッサンス(再生、復活)」と銘打たれている。

実はお酒を熟成させて愉しむカルチャーは、かつて日本にも当たり前に存在していた。遡れば鎌倉時代の文献にも古酒が登場するそうで、江戸時代には広く市井にまで浸透していたようだ。それが、明治時代の厳しい酒税制度をきっかけにして衰退の一途をたどり、すっかり「忘れられた文化」となってしまったらしい。そこで、今からおよそ40年前に立ち上がったのが、長期熟成酒研究会というわけだ。同団体は、毎年の春&秋に熟成古酒関連のイベントを開催。地道にファンを増やし続け、『熟成古酒ルネッサンス』は今では1,000人規模の酒ファンが集まるお祭りへと成長しているという。

『熟成古酒ルネッサンス』過去開催時の様子

当日、会場では様々な個性の熟成古酒を試飲することができる。基本的に出品酒は無料で楽しめるが、貴重なものについては有料試飲になる場合もあるとのこと。まだまだ一般に浸透しておらず、未知の部分が多い熟成古酒だからこそ、作り手さんと対話しながら味わうことの意義は大きい。銘柄ごとの製法のこだわりやおすすめのフードペアリングなど、聞いてみたいことが山積みである。

なお、本イベントは90分ごとに区切られた2部制での開催となる。たっぷり楽しみたい人のための通し券も発売されるので要チェックだ。

『熟成古酒ルネッサンス』過去開催時の様子

また、イベントの舞台となる「赤煉瓦酒造工場」の地下には「日本酒100年貯蔵プロジェクト」の貯蔵酒が保管されており、『熟成古酒ルネッサンス』では貯蔵庫の見学ツアーも行っている。2005年にスタートした「日本酒100年貯蔵プロジェクト」はその名の通り、日本酒を100年間熟成させるぞ!という意欲的な計画だ。2025年はその20年目の節目にあたり、関連イベントも企画されているらしい。

赤煉瓦酒造工場 地下貯蔵庫

これはイベントとは直接関係のない余談だが、同貯蔵庫には1925年(昭和元年)生まれの帯庄酒造『スウィートピー』も眠っている。醸造から100年を迎える今年2025年、「長期熟成酒研究会」ではその一本を抜栓予定なのだそうな。熟成古酒の世界には、未だ知られざるロマンがあふれている。

【主催者よりメッセージ】

熟成向きの日本酒の仕込み方、熟成方法など、メーカーごとにこだわりが違います。

じっくり寝かせた日本酒を味わいつつ、ぜひメーカーの熟成に対する熱い想いも聞いてみてください。お酒がより一層おいしく感じられると思います。お楽しみに!

各イベントのチケットはイープラスにて販売中

以上、2025年4月に開催されるお酒のイベントのなかから、気になる3つをピックアップしてみた。重いコートを脱いで、身も心も軽く、遊びに出かけてみては。それでは、乾杯!

文=小杉 美香、写真=オフィシャル提供

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