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「こうちゃん好きなのに。ママきらいなの?」虫を愛する息子の言葉で…“好きな人の好きなもの”に新しい世界を教えてもらった日【室谷香菜子のいっくじ日記#4】

Sitakke

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HBCアナウンサーの室谷香菜子が、息子「こうちゃん」の“一言”と、一緒にしたためる一句で、小学校入学までの1年間を”一句”(育)児日記につづります!

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

今年もこの季節がやってきました!

「虫シーズン」!!!

20代の頃の私は想像もしていませんでした。

まさか自分が「虫取り」をするなんて。

雪が解けて少しずつ気温が上がり、今年初めて「アリ」を見つけた時には大興奮でした!

虫を愛する5歳の息子・こうちゃんの影響で、今では私も虫に興味津々なんです。

2人姉妹で育った私は、おままごとや折り紙、リカちゃん人形遊びが好きで、シルバニアファミリーにも強い憧れがありましたが買ってもらえず…

とにかく昔から”インドア派“。

1年に1回必ずどこかへ家族旅行に出かけましたが、日程の中に「虫取り」はもちろん入っていませんでした。

幼少期の私と姉 「家族旅行で虫取り」の概念もなかったです…

社会人になって初めて、会社の同期たちと“泊まりキャンプ”というものを経験しましたが、楽しい反面、「虫が多い!」と、虫に対してはネガティブ発言ばかり。

そんな私が変わったきっかけは3年前、息子が3歳の夏。

コロナ禍で、人が集まる屋内の場所を避けて札幌市内の大きな公園へ家族で出かけた日のことです。

虫への興味がわき始めた様子のこうちゃんに、「虫取り網」と「虫かご」を初めて買ってあげました。

すると、これまでにあげたどんなプレゼントより喜んだのです。

まだ虫が1匹も入っていないかごの中を隅々まで覗いたり、公園で網を豪快に振り回して満面の笑みで叫びながら走り回ったり…

“無敵アイテム”をゲットして、たまらなく嬉しい!というような様子でした。

無敵アイテムゲット!うれしくてたまらない!

「網とかごだけでこんなに喜ぶんだ…」と、虫取り経験のない私にとっては驚きでした。

こうちゃんの言葉にはっとして…

その日こうちゃんはパパと一緒に〝チョウ“や”バッタ“を捕まえて大喜び。

かごに入った虫たちを持って、走って私のところまで来て、「ママ、触ってごらん!!!」と言うのです。

かごの中で動きまくる虫を前に、私は引き気味。

それでも「ほら!ほら!」と言うこうちゃん。

私は、「ママ、虫苦手なの!やめて!!」と強めの口調で返しました。

すると…

「えっ。なんで…かわいいのに。こうちゃんすきなのに。ママきらいなの…?」

悲しい表情で、口をついて出た小さな声に、私はハッとしました。

好きな人に、自分の大好きなものを全否定されたら…誰だって悲しいはず。

その日を境に、「息子の大好きなものに、私も興味を持ちたい」と、週末に出かけるときには、必ず虫取り網と虫かごを持っていくようになりました。

保育園でも息子の「虫愛」は止まりません。

夕方、園庭で遊んでいる時にお迎えに行くと、うちの子だけ鼻や口にまで土がついています。

大好きな虫にぐっと近づく…!

「こうちゃんはいつも虫と同じ目線の高さまで近づいて観察してるので、顔に土がついちゃうんですよね~」と先生。

なるほど。そりゃ顔も汚れますね。

またある日のお迎えの時間には「ママ、プレゼントがあるよ~!ほらっ!!」っと、小さな手をグーからパーに。

すると手のひらにはたくさんの小さな青虫。

心の中では「ひい~~~~!」と叫んでいましたが…

顔や手に土をいっぱいつけて、1匹1匹私に見せるために捕まえてくれたのだと思うと、愛しい気持ちがこみ上げてきます。

保育園からの帰り道も、「今日の給食はなんだった~?」「お昼寝はできた~?」という質問への答えは「忘れた」などと曖昧。

でも虫に関しては、1聞くと10返ってくる!

毎日こうちゃんの”虫愛“を間近に感じていたため、私にも徐々に変化が…。

去年、青森の実家に帰省した時のことです。


なんとかこうちゃんに持って帰りたい…!

姉家族も一緒に帰省し、実家の庭でバーベキューをしました。

飲み物が足りなくなり、姉と2人で歩いて数分のドラッグストアへ向かっていた途中。

民家の壁に、大きな大きなカマキリがくっついていたのです・・・!

「カマキリだ!!!!!」

緑色の体。長い両手。

恐る恐る近づいてみると、顔が逆三角形で、目が大きい。

カマキリの体長の平均は分かりませんが、姉も私も「…これは大きいね」と同じ意見。

なんとかして、こうちゃんに持って帰りたい…!

大喜びする顔が見たい…!

「ママ、すごい!」とも言われたい…!

奇跡的にカバンに1枚入っていたビニールの袋を虫網代わりに、さっと捕るイメージで立ち向かおうとしましたが…

実際に大きなカマキリを目の前にすると、あと1歩が前に出ない。

カマキリってどんな動きをするんだろう…ジャンプする?

こっちに向かってジャンプしてきたらどうしよう…

結局、姉と2人でぎゃ~ぎゃ~騒ぎ、格闘しながら、何とか袋の中に収めることができました!(興奮しすぎて写真を撮るのを忘れました…)

買い物を終えて、足早に帰宅し息子に見せると、憧れのカマキリを前に、くぎ付けです。

「お~…でっかい。本物だ…」

そして、その日の夜は「カマキリと一緒に絶対寝る!!!」とかごを離しませんでした。

以前の私なら、虫と一緒に寝るなんて、そんなの絶対に無理。

でも、自分で捕獲したカマキリだし、かごの中には他にも息子が初めて見て感動した虫たちがいます。

それに、明日には放す約束をしているし…

あれこれ考えながらかごを覗いていると…なんだか、かわいい。

結局、枕元に虫たちを置いたまま朝を迎えました。

日が昇ってかごの中をのぞくと、カマキリ以外の虫たちはすべていなくなっていて、カマキリだけが得意げに空間を独り占めしていました。

息子は絶句。

さすが昆虫界の名ハンター。カマキリ、恐るべし。


こうちゃんの“虫愛”は今シーズンも続く!?

カブトムシのTシャツをきて、カブトムシとツーショット

子育てを通して子どもから教わることってたくさんあるなぁとしみじみ。

母になり、息子と過ごすことでたくさんの“新しい世界”を見せてもらっています。

今年の夏は、家族で本州旅行を計画中。

図鑑でしか見たことがない珍しい虫にも出会えるかも!?

ここで一句!

『手の中に 青虫ごにょごにょ ママあげる』

「連載|室谷香菜子の「いっくじ」日記」

****

文|HBCアナウンサー 室谷香菜子
青森県出身。2009年HBC入社。HBCラジオ「アフタービート」、「美香と香菜子のおさんぽ土曜日」などを担当。2018年第1子(男の子)を出産。趣味は寝かしつけ後のドラマ鑑賞と、美味しいお酒。息子(こうちゃん)との日常はInstagramでも発信中。

編集:Sitakke編集部あい

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