ソフトバンクからFA移籍した選手と移籍後の成績一覧、石川柊太と甲斐拓也がFA宣言
最多勝右腕と強肩捕手の争奪戦に?
2024年のプロ野球FA戦線が本格スタートした。FA宣言した選手は15日から全球団と交渉可能。今年は大物が権利を行使しており、熱いストーブリーグとなりそうだ。
その中でも注目されるのがソフトバンクの2人。2020年の最多勝右腕・石川柊太と「甲斐キャノン」の異名を持つ強肩捕手・甲斐拓也は、どちらも実績があるだけに争奪戦に発展しても不思議ではない。
資金力のあるソフトバンクはこれまで多くのFA戦士を獲得してきたが、逆に国内他球団への流出も9人いる。過去にソフトバンクからFA移籍した選手は下の通り。
国内他球団へ移籍した投手は5人
1995年オフに下柳剛、安田秀之との交換トレードで松田慎司とともにダイエー入りしていた武田一浩は、1998年オフにFA宣言。明治大学の先輩でもある星野仙一が指揮を執っていた中日に移籍した。中日では3年間で15勝を挙げ、巨人に移籍した2002年に引退した。
1994年に西武からFAでダイエーに加入した工藤公康は3度の2桁勝利を挙げる活躍をしたが、1999年に2度目のFA宣言をして巨人に移籍。巨人では7年間で53勝をマークし、2006年オフにFAで加入した門倉健の人的補償として横浜に移籍した。
駒澤大学から1991年ドラフト1位でダイエーに入団した若田部健一は、4度の2桁勝利を挙げるなど先発として活躍していたが、2002年オフにFA宣言して地元・神奈川の横浜に移籍。しかし、横浜では1勝しか挙げられず2005年に引退した。
三菱重工長崎から2001年ドラフト3位でダイエー入りした杉内俊哉は、2005年に18勝を挙げて最多勝に輝くなど6度の2桁勝利をマーク。2011年オフにFA宣言して巨人に移籍し、引退までに39勝を挙げた。
2011年から4年連続50試合以上に登板するなど中継ぎ左腕として活躍していた森福允彦は、2016年オフにFA宣言。DeNAからFA宣言していた山口俊とともに巨人に移籍したが、巨人では通算1勝3敗9ホールドに終わり、2019年に引退した。
国内他球団へ移籍した野手は4人
ソフトバンクからFA移籍した野手は4人。1996年の盗塁王・村松有人は、2003年オフにFA宣言してオリックスへ移籍した。オリックスでもレギュラーとして活躍したが、2008年オフに大村直之との交換トレードでソフトバンクに復帰した。
報徳学園高から2000年ドラフト4位でダイエー入りした山崎勝己は、2013年オフにFA宣言してオリックスへ移籍。7年間プレーして2020年に引退した。
山崎と入れ替わるように、2013年オフに日本ハムからFA宣言してソフトバンク入りした鶴岡慎也は、2017年オフに2度目のFA宣言。5年ぶりに古巣復帰し、2021年に引退した。
多摩大聖ヶ丘高から2006年高校生ドラフト1巡目で入団した福田秀平は、2019年オフにFA宣言してロッテ入り。2023年に戦力外となり、2024年はくふうハヤテでプレーした。
メジャーリーグ移籍は4人
ソフトバンクからFA権を行使してメジャー挑戦したのは以下の4人となっている。
別府大付高(現明豊高)から1994年ドラフト1位でダイエー入団した城島は、本塁打30本以上を3度マークするなど強打の捕手として活躍。2005年オフにFAでマリナーズ入りし、日本人捕手として初めてのメジャー挑戦となった。2006年4月3日の開幕戦の第2打席にメジャー初本塁打を放つなど、1年目は打率.291、18本塁打、76打点をマーク。MLB計4年で通算打率.268、48本塁打、198打点の成績を残し、2009年オフに阪神へ移籍した。
川﨑宗則はダイエー時代の2004年に最多安打と盗塁王に輝くなど実績を残し、2011年オフにFA宣言。憧れのイチローのいたマリナーズ入りし、2012年は61試合に出場した。2013年からブルージェイズ、2016年からカブスに移籍し、MLB計5年で通算打率.237、1本塁打、51打点の成績を残して2017年にソフトバンクに復帰した。
和田毅は早稲田大から2002年ドラフト自由獲得枠でダイエー入りし、2010年に最多勝に輝くなど9年で7度の2桁勝利を挙げる活躍を見せた。2011年オフにFA宣言し、オリオールズと契約。左肘のトミー・ジョン手術を受けて2年間メジャーのマウンドに立てなかったが、カブスに移籍して迎えた2014年7月にメジャー初勝利を挙げた。2015年オフにソフトバンク復帰すると松坂世代の“ラストサムライ”として43歳までプレーし、2024年に引退した。
蒲郡高から2010年育成ドラフト4位で入団した千賀滉大は、「お化けフォーク」と呼ばれる落差の大きいフォークを武器に7年連続2桁勝利をマーク。2022年オフに海外FA権を行使してメッツに移籍し、2023年にいきなり12勝を挙げた。
前身のダイエー時代も含め、ソフトバンクから国内他球団にFA移籍した選手9人のうち、投手5人はセ・リーグ、野手4人はパ・リーグに移籍している。今オフは投手、野手1人ずつがFA宣言。単なる偶然で終わるのか、歴史は繰り返されるのか…。成り行きが注目される。
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記事:SPAIA編集部