【倉敷市】牡蠣小屋-燎- 〜 さまざまな牡蠣料理が1年中楽しめる水島の居酒屋
冬のごちそうといえば牡蠣(かき)。
いくら牡蠣が大好きでも、家庭で楽しもうとすると、一度にいろいろな牡蠣料理を作るのは大変ですよね。
さらにさまざまな料理を特別な空間で楽しみたいと思ったことはありませんか?
そして、冬だけでなく1年中、牡蠣が楽しめるとしたら?
倉敷市水島に2024年7月にオープンした「牡蠣小屋-燎-(かがりび)」は、そのような願いを叶える居酒屋です。しかも、岡山県産では希少な、生食用の牡蠣「喜多嬉かき」が食べられるのも大きな魅力。
ここでしか味わえない牡蠣料理の数々と、店主がこの店に込めた想いを探ってみました。
家族とも、仲間とも、ひとりでも楽しめる居酒屋
「牡蠣小屋-燎-」は水島臨海鉄道・栄駅より徒歩10分。駅前の繁華街を抜けた住宅街にあります。
近くには水島中央公園があり、街の賑わいから少し距離を置いた、穏やかさが漂うエリアです。
屋外にはデッキ席があり、まさに「牡蠣小屋」のような雰囲気。バーベキュー気分を盛り上げてくれそうです。
中に入ってみると、2024年7月に内装を含めてリノベーションしてできた店なので、清潔感があり居心地の良い空間。
店内には2~4人のテーブル席のほか、ひとりでも楽しみやすいカウンター席、8人まで大丈夫な個室席もあります。
家族での来店も大歓迎とのこと。子ども用の椅子があるほか、ベビーカーでの入店も可能です。
「喜多嬉かき」を中心にさまざまな牡蠣が楽しめる
「牡蠣小屋-燎-」の営業時間は午後6時〜11時と午前0時〜3時。午後6時〜11時には牡蠣のメニューを中心にいろいろな料理が楽しめます。
午前0時〜3時にはうどんメニューも登場。夜の仕事帰りのかたなどが利用されるそうです。
お酒はメニューにあるもののほか、日本酒も楽しめます。
価格もリーズナブル。
なお「水島ハイボール」は、ハイボールが通常の2倍の濃さだそうです。予約制で飲み放題メニューもあります。
以下、午後6時〜11時のメニューの中からおすすめをピックアップして紹介します。
生カキ
「牡蠣小屋-燎-」の特徴は、希少な岡山県産の生牡蠣が食べられること。
取り扱うのは、北木島の勇和水産から仕入れる「喜多嬉かき」。
小ぶりで味がぎゅっとつまっているのが特徴です。
臭みが感じられず、口の中でとろけるような旨味が広がりました。
岡山県で初めて生食用の殻付き牡蠣の販売を認められた瀬戸内海屈指の牡蠣ブランド。「喜多嬉かき」は、北木島海域で育ちます。
一級河川などの河口がなく、瀬戸内海のなかでも有数の清浄海域。プランクトンが豊富に生息し、牡蠣の生育にとってまさにベストな環境なのです。
生牡蠣は、冬だけでなく1年中食べられるメニューです。
一般的に牡蠣の生食の旬は11月~4月までで、それ以外のシーズンには加熱用冷凍牡蠣が市場に出回ります。
しかし「喜多嬉かき」の生産者である北木島の勇和水産は、独自に研究を重ね、鮮度が保たれる特殊な冷凍技術(DENBA+)を採用。
その結果、水揚げしたときの牡蠣の美味しさを1年中楽しめるようになりました。
冷凍と聞くと、味が劣化するように思うかもしれませんが、「喜多嬉かき」は2024年2月にアラブ首長国連邦のドバイで開催された飲食品展示会「ガルフード」の冷凍・チルド商品部門で、最高賞のグランプリを受賞しています。
世界のお墨付きの味わいといえるでしょう。
海鮮ガンガン焼き
新鮮な海鮮をブリキ缶に詰めて、そのまま火にかけて蒸し焼きにする海鮮ガンガン焼き。
「牡蠣のみ」か、えび、はまぐり、ほたて、たこも入った「全部入り」が選べます。
牡蠣の旬のシーズンは、北木島以外の産地、寄島や日生の牡蠣を使うことが多いそう。
この日は寄島牡蠣でした。ぷりぷりでおいしいです。
大玉カキフライ
普通のカキフライは、一粒の牡蠣をフライにしていますが、「牡蠣小屋-燎-」の大玉カキフライは一味違います。
たくさんの牡蠣を合わせてボール状にしたものをフライにしているため、大きいです。
フライの中には、多くの牡蠣が入っています。
たっぷりの牡蠣に、サクサクの衣とタルタルソースがマッチ。
豪快さが魅力の食べごたえがある創作料理です。
冬限定の鍋料理
冬限定で、牡蠣を使った鍋料理があり、おすすめです。
こちらは「チゲ鍋」。
ぷりぷりとした牡蠣の食感がたまりません。
心地よい辛味が感じられるスープに牡蠣の旨味がしみだし、野菜との相性も抜群。
寒い季節にぴったりの、深い味わいが心も体も温めてくれる一品です。
サーモンカツいくらタルタルのせ
子持ちベイカの煮つけ、タコキムチなど、牡蠣以外の海鮮メニューも豊富です。
特に人気という、ボリュームたっぷりで人気のサーモンカツいくらタルタルのせをオーダーしました。
外はサクサク、中はふっくらジューシー。いくらのプチプチ感も楽しくておすすめです。
浜焼き
店名の「牡蠣小屋」にふさわしく、テーブル席にはコンロを完備。
海鮮を自分で焼いて楽しめます。
お腹いっぱいで牡蠣は断念しましたが、代わりにししゃもを焼いて満足。焼きたてはやはりおいしいです。
もちろん、牡蠣やハマグリ、海老、サザエ、スルメイカなども焼けます。
「何を食べる?」「次は何を焼く?」会話も盛り上がりますよ。
「牡蠣小屋-燎-」についてお話を聞きました
「牡蠣小屋-燎-」のオーナー・白神 浩太郎(しらが こうたろう)さんに話を聞きました。
──お店オープンの経緯は?
白神(敬称略)──
元々、別業種の仕事をしていましたが、生まれ育った水島で飲食店をしたいと思っていました。ただ、ちょうど開業を検討していたころ、コロナ禍に。
数年、踏み切れずにいましたが、満を持して2024年7月にオープンしました。
──なぜ牡蠣小屋という打ち出しかたになったのですか?
白神──
普通の居酒屋でなく、何かに特化した居酒屋をしたいと思っていました。焼肉店も検討したのですが、水島には多いので。
どうしようか考えていたところで牡蠣漁師のかたと知り合ったんです。
しかも、岡山県内では珍しい生食もできる牡蠣で、特別な冷凍技術のため1年中楽しめる牡蠣だと聞き、これだと思いました。そういった経緯で、北木島の勇和水産から「喜多嬉かき」を仕入れるようになりました。
北木島の美しい海で育つ、希少な生食用の牡蠣は、小ぶりですがぎゅっと旨味がつまっていて、臭みがなくとろける味わいです。
世界的に評価されている牡蠣ですが、岡山県内での知名度はまだまだなので、せっかく1年中楽しめることですし、多くの人に知ってほしいと思っています。
──お店のこだわりはどのようなところですか?
白神──
牡蠣は焼いてシンプルに食べるだけではなく、居酒屋らしくいろいろなメニューをそろえています。
一般家庭では、一度にいろいろなメニューを作るのは大変です。料理の方法によって、同じ牡蠣でも違った味わい、食感となるので、そのあたりを楽しんでほしいです。
オープンして半年ほどですが、メニューについて、試行錯誤の連続でした。やっとグランドメニューが定まって来たところです。
それぞれの料理の味も、日々進化していると思います。さらに、これからも新メニューが登場するかもしれないので、そういった変化も含めて楽しんでほしいです。
──今後はどのようなお店にしていきたいですか
白神──
店名の「燎(かがりび)」は、漁や夜の警護のためにたく火のことで、「ずっと燃え続ける」という意味があります。
この店も、地元のかたたちや、牡蠣が好きなかたたちに愛されて、ずっと燃え続けるような存在でありたいという思いから名づけました。
繁華街から少し離れたところにある店なので、お子さまがいるご家族でも来ていただきやすいと思います。
家族や仲間と牡蠣を囲んで、いろいろな会話が生まれる。ひとりでも気兼ねなくじっくりと、いろいろな味わいの牡蠣が楽しめる。
だれにとっても居心地良く過ごせる店にしていきたいです。
おわりに
私は牡蠣が大好きですが、岡山県内産の生食用の牡蠣があることを初めて知りました。
岡山県では希少な生食用の牡蠣「喜多嬉かき」をはじめ、さまざまな牡蠣料理が一年中味わえる、牡蠣好き必見のお店です。カウンター席から個室まで幅広く対応しているので、ひとりでもグループでも楽しめるのも魅力。
お酒がリーズナブルなのもうれしいですね。
さまざまな牡蠣料理を食べたいかた、冬に限らずおいしい牡蠣を食べたいかたはぜひ行ってみてください。
私もまた、おなかいっぱい牡蠣料理を堪能したいと思います。