【鎌倉 イベントレポ】華道相阿彌流 - 花が語る相阿彌眞相の精神
華道 相阿彌(そうあみ)流 『開祖 相阿彌眞相 没後500年記念華展』
500年の時を超え、花が語る相阿彌眞相の精神のイベントが北鎌倉・円覚寺 松嶺院にて2025年4月28日・29日開催されました。
室町時代以来継承してきた 花型と精神
画像出典:湘南人
華道相阿彌流は、室町時代に端を発し、500年以上の歴史を持つ華道の流派です。室町幕府の足利将軍家に仕えた相阿彌眞相の精神と花型を基盤とし、眞相の
「生花は花を生くるにあらず、心を生くるなり」という訓辞に従い、花を生けることを通して精神の研鑽を図るということを主眼においています。参照元:プレスリリース
https://souami.jp/
本日は鎌倉幕府ゆかりの円覚寺、山門を上がり左手にある立派な門の 松嶺院という贅沢な空間で、花型と古典の神髄に触れたいと思います。
葉蘭を表現する
画像出典:湘南人
相阿彌流は、八代将軍足利義政公が相阿彌眞相に自然に繁茂する葉蘭を生けてみよ、
というこの逸話から始まったといわれるそうです。
相阿彌は出先のこととて花器の持ち合わせがなかったので、馬たらいにくつわを花留めとして、葉蘭の自然の形態を生けてご覧に入れたところ、義政公は、
「風韻いまだ乏し」
と喜ばれなかった。
そこで相阿彌は、軍楽調教中の強者どもの隊形を見て悟るところあり、隊形の入り乱れる様を形式化して葉蘭を生け直したところ、
義政公はいたく感服し
「汝よろしく斯道を後世に伝え、門葉を啓発すべし」
という賞賛言葉を賜ったということである。
参照元:華道相阿彌流の歴史
https://souami.jp/
古典の精神と花型
画像出典:湘南人
水盤にかきつばた。
一枚一枚葉をむいて花型に合わせていけています。
よく見ると二対のかきつばたの葉の先端は内側を向いていて円を表しています。
葉の表現が素晴らしいです。
画像出典:湘南人
こちらは端午の節句の菖蒲。すらり凛として。
それでいて奥行も見事なバランスでした。
相阿彌流では全体のバランスを取る基本構成を「体(タイ)」「用(ヨウ)」「留(トメ)」で作られ、この3つの要素に
「胴」「礼」という2つが合わさることにより、さらに全体の調和がとれるそうです。
画像出典:湘南人
画像出典:湘南人
型を生けるのではなく、その人の精神を生けるという古典を崩さない相阿彌流。
よくみると面白い発見が。
枝を曲げて富士山を表しています。
見えますでしょうか。
画像出典:湘南人
二重切り花入れに緑の風が吹いて来るような、独特の躍動感を感じました。
画像出典:湘南人
会場の様子。
いたずらに華美ではなく古典的、それでいてダイナミックな作品にすっかり魅了されました。
画像出典:湘南人
枝の使い方で空間の広がりや美しさを感じる2つの作品。
下段の作品はメインともいえる色花たちが、ちいさな黄色のアクセントカラーで見事にまとまっていました。
画像出典:湘南人
二重切りの花入れにグロリオサの紅い花と枝ぶりが美しい。
花型にリズムが生まれ、躍動感が素晴らしい大きな作品でした。
画像出典:湘南人
こちらは色合いも枝のバランスものびやか。
可憐な作品の作者はなんと小学生たちです。
画像出典:湘南人
画像出典:湘南人
こちらは足利義政公と相阿彌眞相の逸話を元にした葉蘭の作品です。
眞相が最初に作られた馬たらいに見立てた桶とくつわで留められたという内容がとてもよく分かる作品でした。
華道相阿彌流
21世家元 横地画抱
「室町時代からつづく相阿弥眞相の精神は、21世家元にしっかりと継承されているのですね。
古典花、特にわたしは緑の葉蘭の花型は他で見たことがなかったので、その高い美意識に魅了されました。」
500年の時を超え、花が語る相阿彌眞相の精神
開催期間
2025年4月28日〜4月29日 10:00〜16:00
開催場所
会場名:北鎌倉円覚寺・松嶺院
住所:鎌倉市山ノ内409
駐車場:なし
【地図】
主催
華道相阿彌流