【ノッコミ序盤のチヌ】をライトルアー釣りで攻略する方法 ファイトはドラグ緩めで慎重に
3月から4月にかけて、釣り業界では早めのノッコミチヌ(クロダイ)が話題になり、その狙い方としてLT(ライトタックル)での攻略方法が注目されている。この時期、チヌは産卵に向けて活発に動き出すため、攻略法さえ理解しておけば釣果を上げやすい。今回は、ノッコミのチヌをLTタックルで釣るためのカギとなるポイントを深掘りしていこう。
ノッコミチヌの攻略の基本
ノッコミのチヌは、まず「キワの1本攻め」でいきたい。この「キワ」とは、磯や堤防の際のことを指す。特に産卵期に差し掛かるチヌは、浅瀬の堤防際などで頻繁に目撃されるため、このエリアをしっかり攻めることが釣果に直結してくる。一般的にチヌは、岩場や波の影響が少ない場所を好んで集まり、産卵に適した場所を求めて移動するため、キワの攻めが決まれば高確率でチヌに出会えるだろう。
キワでレンジを上げ下げ
キワを攻める際、ただひたすらキャストしてリトリーブを繰り返すだけでは釣果を得るのは難しい。ここで重要なのが「レンジの調整」だ。レンジを上げたり下げたりしながらアプローチすることで、チヌの反応を引き出しやすくなる。
水深に応じて、フローティングやシンキングのプラグを使うことで、微妙なレンジの調整を行うことができる。多くのカラーを用意しておけば、アクションの幅も広く、チヌに対してさまざまな刺激を与えることができるため、非常に効果的だ。
ボトムとそれ以外でのルアー使い分け
ボトムでの攻めもノッコミチヌには非常に重要だ。ボトムに近い場所にいるチヌを狙う場合、エビやカニ系のルアーを使うといいだろう。これらはチヌが本能的に捕食しやすいエサであるため、ボトム付近にいるチヌが反応しやすい。エビやカニの動きに合わせてルアーを操作することで、チヌに食いつかせることができる。
一方、ボトム以外の層を攻めたい場合は、マイクロベイトを模したワームが効果的だ。チヌはしばしば小さなベイトフィッシュを追って浮上することがある。特に春の時期には、水温が上昇し始めると、浮上した小魚を捕食することが多くなる。こういった時期には、マイクロベイト系のワームだ。ふわふわと軽い動きを見せ、チヌの捕食スイッチを入れる。アクションはあえて控えめのマイクロベイトを使うことで、より自然にチヌを引き寄せることができる。
抱卵チヌの特徴と釣り方
春のノッコミ時期に狙うべきチヌは、抱卵している個体が多い。抱卵チヌは、他の季節に比べて体重が増しており、引きも重量感がある。もちろん、夏の活発な時期に比べると引きの強さは若干控えめだが、それでも十分にスリリングな釣りが楽しめる。この重量感あるチヌの引きは、ライトタックルでの釣りでもしっかり感じることができ、特にファイト中の緊張感が釣り人を魅了する。
抱卵チヌは、特に慎重なファイトが求められる。強引に引っ張るとラインブレイクやバラシの原因になることがあるため、ラインの耐久性やドラグの設定に注意を払いながら慎重にやり取りを行う必要がある。目安として、PEラインは0.3号~0.4号を使い、ドラグは少し緩めに入れておこう。
抱卵したチヌは見た目にも大きく、重量感も感じられるため、釣ったときの達成感は格別である。
ノッコミでこそLTを
ノッコミチヌ攻略には、タックルの選定も重要だ。もちろん、ばりばりのチニングタックルを使うのもいい。しかしアタリの数を増やしたいなら、より細いイトで見切られず、ルアーも小型で食わせやすいメバリングタックルを推奨したい。PEラインを上述のように0.3号くらいの太さにしておけば、バテさせて釣れば確実にランディングできる。
メバリングロッドは軽量で繊細なアクションが特徴だ。プラグやルアーをふわふわと操作し、チヌの本能に訴えかけ、バイトを引き出すことができる。この時期に同時に食ってくるシーバスも釣れるので、おすすめしたい。
<井上海生/TSURINEWSライター>