「沖縄=海釣り」のイメージが覆る!? 屋内釣堀「つり堀 南山」が面白過ぎる!
四方を海に囲まれた日本…をさらに凝縮したように、どんなに遠くてもモノの5分か10分(近い人は目の前! 遠い人は20~30分!?)クルマで走れば、そこには青い海が広がる南国・沖縄。それだけに「釣り天国」と思われているフシが多々ある。
しかし、実際は雨の日がけっこう多く、しかもどういうワケか釣行予定の週末“だけ”雨だったりすることもしばしば。また、海風も常に吹いているので、風が強い日は遊漁船も出船できず…なんてことも少なくない。
それでも…「雨でも、風が強くても釣りたい!」と思うのが釣り人の性。かくなる上はレインスーツを着ながら、風裏を見つけて何とか頑張るという手もなくはないが、正直「ガチの人」以外にはハードルが高すぎる……。ということで前置きが長くなったが、雨でも、風が強くても、お気楽に釣りを楽しめるスポットを見つけてきたので紹介しよう!!
釣りとは無縁の内陸部にある
屋内型のミニ釣り堀!
今回紹介する「つり堀 南山(なんざん)」は、沖縄本島の南部・糸満市にある屋内型の釣り堀。内陸部の集落にあるので海はまったく見えず、正直なところ釣りとはまったく無縁(※沖縄では釣り=海釣りなので)とも思える場所にあるのだが、釣れる魚が錦ゴイやフナ、キンギョとなればとくに不思議ではないだろう。
つり堀 南山
住所:〒901-0325 沖縄県糸満市大里111
TEL:090-2480-1363
Instagram:https://www.instagram.com/turiborinanzan/
営業時間は平日12時~午後6時、土日祝日は10時~午後6時。定休日は金曜日で、祭日の場合は営業している
建物の敷地内には軽自動車が3台駐車できるスペースがある。普通乗用車やミニバンなど、大きめのクルマの場合は100mほど離れた場所にある大里公民館の敷地内に駐車することができる
沖縄式の鉄筋コンクリート製住宅を改装した建物の中に入ると、何と釣り用イケスが2つもある。
大きなイケスには錦ゴイやフナが入っていて、大きいものでは40cmを超える「モンスター」も生息。一方の小さいイケスは、たくさんのキンギョが所狭しと泳ぎ回っている。
大人から子どもまで楽しめるメインのイケス「大」には、元気な錦ゴイたちが活き活きと泳ぎ回っている。しかし、狡猾でかんたんには釣らせてくれない…
一方のイケス「小」は、子どもがメイン(もちろん大人もOK)のキンギョ池。親子で協力しながら釣っている微笑ましい姿が見られる
ポイントをためて景品をもらう「ゲーム感覚」に、子どもも大興奮!!
まずはルールをかんたんに説明しよう。料金は50分で中学生以上が800円、小学生以下が500円。レンタルタックルとエサ込みのお値段なので、とてもリーズナブルではないだろうか。
魚はすべてキャッチ&リリースだが、釣った魚の種類やサイズによりポイントが付与され、さまざまな景品をゲットできるというシステムだ。それだけに子ども連れのお客さんが多く、週末になると待ち時間があるほどの賑わいを見せるという。
レンタルタックルは1mほどの長さのノベ竿に糸、ハリ、ウキが付いたシンプルなもの。子どもでも扱えるスペックだ
幅5mmほどの小さなスレバリに、エサのうどんを小さくちぎって付ける。あくまでもエサ用なので、お腹が空いても食べないように…
釣った魚の種類やサイズに応じてポイントがたまり(スレ掛かりはノーカウント)、お菓子やオモチャなどの景品がもらえるという嬉しいシステム!
魚はいる!ウジャウジャ見える!ただし…
決してかんたんではない!!
「取材」と称して実釣チャレンジ!
で、取材当日は皮肉にも天気はよく、風も穏やかで絶好の“外”釣り日和だっただけに、取材がなければ釣りに行っていたかもしれない…。そんな“釣り欲”でモヤモヤしていただけに、他人様が釣りを楽しんでいる姿だけ取材して帰るのも何だか……。というワケで、「取材の延長(遊びたいだけ)」と称して私も大きなイケスでチャレンジしてみた!
釣った魚は各イケスの淵に設置してある浮きカゴにキープ。釣りが終了したらカウントしてもらえる。放流情報も随時公開されているウキはチョンチョン動くが食い込まない…
エサのうどんを小指の先ほどの大きさにちぎり、ハリにチョン掛けして投入。水深が浅い&水質がクリアなだけに、たくさんの錦ゴイがエサに群がってくるのが見て分かる。エサを突かれるたびにウキがチョンチョンと動くが…消し込むまでには至らず。しばらく静観してみたが、いつの間にかエサだけが食われてしまったようだ…。
完全に消し込まずチョンチョンと動くだけのウキに業を煮やしてアワセを入れるも、エサが食われるだけで魚が掛かってくれない…キィ~ッ!!
と、この流れを繰り返すこと数度。釣れない! 相変わらずチョンチョンと突かれるが、ウキが消し込んでくれないからアワセのタイミングが分からない!! 長かったうどんも、食べ終わったあとのどんぶりの底に残ったカケラのごとく、いつの間にか短くなっている。グヌヌ、意外と難しい…(ヘタなだけか?)。
そんな私を尻目に、イケス「小」ではスゴ腕キッズが次々とキンギョを釣り上げていく。「オジサン、まだ釣れないのぉ~?」と哀れむような目線が痛い…
まさかのサイトフィッシング!
アタる前に目で見て空アワセ!!
南山のご主人のアドバイスは、意図的な「空アワセ」
そんな哀れな私を見かねてか、南山のご主人が声を掛けてくれた。「上手な子どもたちはエサに群がってきた時点で、意図的に『空アワセ』を入れているみたいですよ。掛かるのを待つというより、自ら掛けにいく感じですかね」。なるほど、ウキに反応が出てからアワせるのでは遅いということか。エサに群がってうどんを突いているところを見ながら掛ける…つまり、サイトフィッシングのようだ。
なかなか釣れないときには、南山のご主人がアドバイスをしてくれる。エサの付け方などにもコツがあるようだ白いうどんが消える。それがバイトの瞬間!
ということで、錦ゴイのサイトフィッシング(の、ようなもの?)にトライ。
私のイメージはルアーフィッシング界の大御所・村田基さんが、かつて池原ダムで60cmクラスのモンスターバスをねらうとき、白いグラブを使っていたのと同じ要領。「水中で見えていた白いグラブが突如消える。それこそがバイトの瞬間!!」のごとく、白いうどんが消えたら錦ゴイが食っていると判断して空アワセを入れてみる。すると…、見事にヒット!
サイトでの空アワセ釣法、見事に炸裂! 南山のご主人&ジム(村田基さんの愛称)、ありがとう!!
その後もご主人のアドバイス通り、サイトでの空アワセ釣法を続けたところ、最終的には9尾の錦ゴイ&フナをゲットできた!
それにしても…何だコレ!? ゲーム性があって超面白い! 晴れ&微風の日に屋内での釣りは取材であっても「…何だかな~」とは正直思ったが、むしろコチラに来て大正解だ!!
最初の20分はまったく釣れず。どうなることかと思ったが、残り30分でマクっての9尾。コツさえつかめば初めてでも十分に楽しめる!
子どもはもちろん大人も本気で楽しめる屋内釣堀
アリ寄りのアリです!!
ということで、取材ソッチノケで本気釣りを堪能してしまった…(笑)。が、結論として晴れだろうと雨だろうと、風が強かろうと弱かろうと、このコンパクトな空間で「釣りの原点」を存分に堪能できる「つり堀 南山」は絶対にオススメだ! 地元の釣り人はもちろん、観光客の方々も一度は訪れてみてほしい。
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レポーター
プロフィール:くどぅちゃん
バイク雑誌→釣り雑誌の編集者を経て、現在はフリーランスのライター&編集者に。個人的な趣味としてもバイク&釣りを楽しんでいるが、完全にヘタの横好きで費用対効果がひじょうに悪いのが悩みドコロ…。