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日本橋のワインがおいしいおすすめ5店。人情味あふれる“天下のワイン所”で、気軽にバー・ホッピングを!

さんたつ

MELLOW

五街道を行き交う旅人でにぎわった日本橋。令和のいま、行き交うのはワイン目当てにバー・ホッピングする人たち。扉の向こうは、店主とも他の客とも親しくなれる距離感で、人情味にあふれている。さあ、今夜はどこで草鞋(わらじ)を脱ごう?

パーラー 305

路地にこぼれる灯(あか)りとワイン好きの笑顔『Rëats(リーツ)』【人形町】

イチジクの甘みとホアジャオの辛味が効いた鴨鶏のガランティーヌグリル(中央奥)など、料理は各880円。ワインはヨーロッパのものを中心に揃え、イングランドやギリシャなど珍しい地域のものも。

フレンチ出身の店主・清水絵理さんは「夕食前にお酒や軽食を通じて交流を楽しむ、フランスの“アペロ”が好き」と、立ち飲みスタイルのバルを2年前に開店。酒粕で作るグラノーラやミツバを使ったハーブソースのエビ料理など、カジュアルで美しい各皿が会話を盛り上げる。ワインはグラスを約20種用意。常連も一見もやさしく包み込むような空気感で、軽く一杯のつもりがつい長居してしまう。

ガラス戸から中の様子が見えて入りやすい。初夏は軒先で乾杯もしたくなる。
清水さん(左)とソムリエ試験に向けて猛勉強中の稲毛千夏さん。

『Rëats(リーツ)』店舗詳細

Rëats(リーツ)
住所:東京都中央区日本橋人形町2-11-1 YAビル1F/営業時間:18:00~23:00(土は16:00~21:00)/定休日:日・月/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩2分

街の端(はし)で腹ペコさんとワイン党を満たす『ワインバーアメ』【茅場町】

タラとフレッシュトマトソースのタリオリーニ1540円、ズワイガニと野菜のキッシュ990円。ナチュールもクラシックも、グラスはほぼ1000円以下で提供。付き合いの長い栃木の「Cfa Backyard Winery」のロゼ880円(写真)は、オリジナルブレンドだ。

ワインリストを見るとグラスが20種も。「フィレンツェの大好きなバーが20種ほど出してて、いろいろ飲めたのが楽しかったので」と浅原建(たける)さん。ワイン名の横には“龍角散”や“体液”などひとことコメントがあり、独創的だが味をイメージしやすい。雰囲気やリストはTHEワインバーだが、手打ちパスタをはじめフードも充実。仔羊肉の水餃子や鯖とクミンのポテサラなど飲んべえの心をつかむ一皿も!

「ワインは建さんにお任せで間違いなし」と常連。
黄色い扉が目印。

『ワインバーアメ』店舗詳細

ワインバーアメ
住所:東京都中央区日本橋箱崎町5-15 ポートワンカヤバチョウ1F/営業時間:18:00~23:00LO/定休日:日・祝・5月21日/アクセス:地下鉄日比谷線・東西線茅場町駅から徒歩5分

極小空間に流れるおいしい時間『MELLOW(メロウ)』【馬喰横山】

北海道産アサリのボンゴレビアンコ2200円、ギアラとトリッパと小腸の煮込み1600円、シラスと花椒のポテトサラダ950円。ワインはヴェネト州のラルコの赤など、イタリアを中心に各国のナチュールが揃う。グラスは白・赤各4種、オレンジ2種、泡・ロゼ各1種で1000円か1200円。

5.2坪の店内でひとりタクトを振るうのが、益田隆司さん。料理の品数は約40種もあるが、小気味よいテンポで提供される。「自分の料理は仕込みが8割。なるべく待たせず心地よい空間とサービスを提供したいんです」。新鮮なモツをトマトではなく塩ゆでする煮込みや、中華風細切り炒めのようなポテサラなどアイデアの光る各皿に、ナチュールが加速。シメは2.2mmの生パスタでもちもち食感に溺れるべし。

カウンターは8席。
好天時は表にテーブルを出すことも。

『MELLOW』店舗詳細

MELLOW(メロウ)
住所:東京都中央区東日本橋3-3-8 プリンセスコート日本橋102/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:00LO(土・日・祝は12:00~21:00LO)/定休日:不定/アクセス:地下鉄新宿線馬喰横山駅から徒歩すぐ

重心で味が変わるワインの未知なる世界へ『Vineria IL Passaggio(ヴィネリア イル パッサッジョ)』【浜町】

ミートボール900円、オーストリアの生産者「グート・オッガウ」の赤1800円など。ワインはすべてナチュールで、インポーターや造り手の人柄も重視して選んでいる。グラスは、赤6種・白4種・オレンジ3種ほどで1200円~。

ワインを注ぐ前、佐竹厚紀さんは4 、5秒、精神集中。「造り手やインポーター、経由した人すべてをワインは記録すると思っているので、最後は自分が味を歪めないよう、空っぽになる感覚ですね」。注がれた先は、なんと貝殻。「ワインも器も重心が大切と気づきました」。酸味・旨味が強い=腰高のナチュールは、重心が高い自然素材の貝殻が一番おしいく飲めるそう。この不思議、体験せよ。

グラスから陶器を経て、貝殻にたどり着いたという店主。

『Vineria IL Passaggio』店舗詳細

Vineria IL Passaggio(ヴィネリア イル パッサッジョ)
住所:東京都中央区日本橋浜町2-49-7/営業時間:11:30~13:00・18:00~23:00LO/定休日:日(ランチは土休)/アクセス:地下鉄新宿線浜町駅から徒歩3分

瀟洒(しょうしゃ)と懐古、注力と脱力。すべてがいい加減『パーラー 305』【人形町】

赤に合う3年熟成のゴーダとクルミのチーズケーキ900円、トマトとキノコと玉子のタプナードサラダ1200円。初心者でも入りやすい、果実味があってきれいなナチュールが豊富。グラス1100円からで、白・赤各3種、オレンジ・ロゼ・泡各1~2種。

あえて残した以前の靴屋の看板に、吹き抜けの開放感。無垢(むく)のカウンターの上にはレトロ喫茶で見る星座占い。絶妙ブレンドに、飲む前から期待が膨らむ。「ワインと料理の酸を、きれいに合わせることを意識しています」と久保ゆかりさん。定番の牛ハチノスのレモン煮込み1000円は、爽やかな柑橘系のポルトガルのオレンジと抜群に合う。「でもマリアージュ云々(うんぬん)より、町中華みたいにカブッと飲んでバクッと楽しんでもらえれば!」。

久保さんはフレンチの修業を経て、12年前に開業。
らせん階段を上った先に2階席もある。

『パーラー 305』店舗詳細

パーラー 305
住所:東京都中央区日本橋富沢町2-1/営業時間:17:00~23:00(金は18:00~、日は12:00~22:00)/定休日:月・水・土/アクセス:地下鉄日比谷線・浅草線人形町駅から徒歩2分

取材・文=鈴木健太 撮影=逢坂聡
『散歩の達人』2025年6月号より

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