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東京23区最後の牧場のミルクが完成

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今日は牧場の話題です。
東京23区に今、唯一残っている牧場が練馬区大泉学園町にある「小泉牧場」。
この小泉牧場の単体のミルクを作ろうというプロジェクトが始まり、ミルクが完成しました。

東京23区最後の牧場のミルクを作ろう!

どんなプロジェクトなのか、吉祥寺の牛乳屋・乳業メーカーの武蔵野デーリー副店主 木村充慶さんのお話です。

武蔵野デーリー副店主 木村充慶さん

もともと全国のこだわりを持った牧場の、単体の牛乳を販売するということをやっていたんですが、実際になかなかそういう牧場って多くなくて、こだわっていても、農協とかに卸して、いろんな牧場のものと混ぜて販売するのが一般的というのが実態として分かって「その牧場の単体の美味しさを伝えたい」という牧場主の方がとても多いなと思いましたので、牧場単体のミルクとして販売するプロジェクトをスタートしました。小泉牧場さんは、すごく地域に根ざして地元の仲間の方がすごくいるので、そういう人たちと一緒に牛乳を作る体験をすることで、より牛乳の魅力を伝えられるんじゃないかと、クラウドファンディングを始めました。まずは牧場の牛乳、9月14日に販売をスタートしました。23区で最後、唯一の牧場っていうところの価値を、いろんな方に理解していただきたい、魅力を知っていただきたいと思っています。

東京都酪農業協同組合のHPによると、現在36の牧場が加盟していて、このうち、23区内は練馬区の小泉牧場だけなんです。木村さんの話にもありましたが、多くの牛乳は、いろんな牧場の生乳が混ざって製品になっています。そんな中で「牧場単体のミルクを味わってほしい」「牧場ごとの味の違いを楽しんでほしい」というのがこのプロジェクトです。

クラウドファンディングを行ったところ、目標額200万円を上回る300万円以上の支援額が集まったそうで、小泉牧場のミルクが無事完成して、9月14日から販売が始まりました。

23区最後の牧場「小泉牧場」とは

23区内で牧場、というイメージはなかなか湧かない方も多いかもしれませんが練馬区の小泉牧場はどんな牧場なのか、これまでの苦労などを小泉牧場3代目 小泉勝さんに伺いました。

小泉牧場3代目 小泉勝さん

僕のおじいちゃんが、最初、岩手県の岩泉で酪農をやっていました。東京の巣鴨に移転して、そこで牛を育てていたらしいんですよ。そして、練馬区大泉学園に移転してきたのが、昭和10年だったそうです。今現在25頭、育てています。僕はこの道34年やらせてもらっていて、そのときは苦情はなかったんですけど、お父さんのときが結構大変で、そこで頭を下げて、僕も引き継いで、それから苦情より「頑張ってください」「辞めないでください」って。においとかは言われたときあったんですよ。でも今は1日6回から8回掃除して、だから、できることはやるよ、って。それでもダメだったら、お互い話しましょうと、そこまでいっていませんけど。みなさんも分かってくれて、お互い様ってことで楽しくやらせていただいています。少しでも継続することが僕にとっての恩返しだと思って。地方も夢見たときもありましたけど、この地で生まれてこの地で育ったので、この地で死にたいので、だからできる限りやりたい、やっぱり好きなんでしょうね。

牧場に取材に伺ったんですが、西武池袋線の大泉学園駅から歩いて10分ほど。住宅街の中にあって「こんなところに牧場が!」と驚きました。農地面積は8アール、バスケットコート2面分ほどの広さとなっています。

牧場で、牛に触ることができたり、子どもたちに酪農の体験授業を行う「酪農教育ファーム」の認証牧場になったりして、これまで、地域とのつながりを大切にしてきたそう。取材中も牧場の前を通ったお子さんが「こんにちは!」と元気に小泉さんに声をかける姿もあって、いい関係を築いてこられたんだなと実感しました。

「オンリーワンのミルクは夢だった」完成したミルクは大好評

小泉牧場のミルクへの想いや、完成したときの受け止めを再び、小泉さんに伺いました。

小泉牧場3代目 小泉勝さん

愛情込めて育てた牛から、1日朝と夜2回乳搾りしているんですけど、そこまでは僕は話せるんですよ、子どもたちにも。でもそこから先、牛乳どこ行ったのって、工場に行って、そこから100%詳しくは僕も分からないというか、言えないんですよね。そういうことを何十年もやってきて「でもうちの牛乳は学校給食にもなっているし、それでいいや」って自分でも言い聞かせてきたんですよね。小泉牧場のオンリーワンのミルク、出たらいいなって密かな夢もあったので、今回こういう形になって、少しでもみなさんに恩返しのつもりでお出しできたらいいかなと思ってます。僕自身飲んで、やっぱり美味しかった。日に日に嬉しくなりましたよね。かなり並んで大好評でしたよ。嬉しくて泣きそうになっちゃいました。

200ミリのボトルが500円、900ミリが1500円。地域の豆腐屋から出るおからをエサとして牛に与えていて、味は甘くて、でもすっきりして飲みやすいのが特徴です。今は土日を中心に、小泉牧場の目の前のスペースで販売しているということです。今後はアイスクリームやヨーグルトも作る予定です。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:西村志野)

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