最低時給が50000円になったら? 「誰も雇わないですよ」専門家が賃金引き上げを解説
9月30日(月) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。月曜コメンテーターで経済評論家の上念司氏と、最低賃金引き上げについて意見を交わした。
最低賃金を上げすぎると失業が増えるんです
寺島アナ「すべての労働者に適用される時給の下限額である最低賃金の引き上げが、明日10月1日から各都道府県で順次始まります。2024年度は国の審議会が示した引き上げ額の目安を上回る県が続出。背景には働き手の確保に危機感を抱く地方の実情があると、記事には出ています。最低賃金は都道府県ごとに決まっていて、年に一度のペースで引き上げています。まず厚労大臣の諮問機関である中央最低賃金審議会が引き上げ額の目安を示します。次に各都道府県の地方最低賃金審議会が目安を踏まえて再度議論して最終的な金額が決まってくる。今年、中央最低賃金審議会が食料品など生活必需品の物価が大きく上昇している点を重視して、2024年度の引き上げ目安額を過去最大の時給ベース50円と示しました。目安額に地域差も付けず全国一律としました。地方最低賃金審議会では、47都道府県の半数を超える27県が目安を上回る引き上げを決めました。最終的な最低賃金額の全国平均は現行から51円高い1055円となります。明日から各地で最低賃金引き上げという動きです。上念さん、この現状はどうご覧になりますか?」
上念「最低賃金は、上がれば上がるほど良いと考えている人がいますが、上げすぎると失業が増えるんですよ。例えば、最低賃金を時給5万円にしましょう! …誰も雇わないですよね」
寺島「そうですね」
上念「これは価格統制の1種なので基本的にはやりすぎるとうまくいかないんです。最低賃金が低すぎるとか言う人がいますが、基本的に賃金はマーケットで決まるものですから、その要素を大幅に残しておかないと失業が増えるだけなんです。最低賃金を上げても失業は増えないという研究はありますよ。でもすごい特殊な状況じゃないと、そういうことが起こらないので、基本的には最低賃金を上げすぎると失業が増える、ということをご理解いただければいいのかなと思います」