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北九州でカウンターを極める~『珈琲テラス すいげつ』編~

キタキュースタイル

北九州市に来たばかりで知り合いがいない、などの理由で、いわゆるソロ活を余儀なくされる機会も多々あるかと思いますが、初めてのお店に一人で入るのはなかなか勇気がいるものです。

そこで、一人で行っても馴染みやすい、一人なのに不思議とさみしくない!そんな、北九州市のカウンターのあるお店をご紹介していきたいと思います。

店主さんとおしゃべりしたり、他のお客さんと仲良くなったり、一人きりの時間を思う存分堪能したり。 “一人だからこそできる楽しみ方”をぜひ北九州市で極めてください。

【珈琲テラス すいげつ】

最初の一歩

門司港駅から気軽に行ける登山スポットであり、関門海峡の絶景が見れることでも人気の風師山。その中腹に、【珈琲テラス すいげつ】はあります。

車で訪れる人が八割ほどとのことで、駐車場はお店の前に三台と、少し坂を上った広場に第二駐車場もあり、安心です。
風師山には紅葉の名所もあり、これからの行楽シーズンには登山やピクニックを楽しんだあとに徒歩で立ち寄る人もいるそうです。
なかなか見つけにくい場所にありながら、平日も休日も席が埋まってしまうほど人気な【すいげつ】。その秘密は何なのか、お話を伺ってきました。

関門海峡を望む一大パノラマ

まずは、扉を開けた瞬間目に飛び込んでくる、この景色!こちらの関門海峡を一望できる絶景が、お客さまを惹きつける魅力の一つ。思わず息を呑むほどの美しい光景が広がります。関門橋や下関、関門海峡を行き交う船を眺めながらお食事やお茶ができるとあって、お客さまが引っ切りなしに訪れるのも納得です。
現在、三代目の店主である河本さんが切り盛りされていますが、一代目である河本さんの叔母がここにお店をオープンしたのが、昭和47年6月。河本さん含め、みなさん子どもの頃からここに住んでいたのだそう。

【すいげつ】の成り立ちはというと、もともとはカフェをやるつもりはなかったそうで、叔母たちが大人になって車を運転するようになったとき駐車場が必要になったため、鉄骨を組んで駐車場にするつもりだったところ、駐車場にするには広すぎるから、という理由で半分を喫茶店にしたんだとか。不思議な成り立ちですが、今、この景色を眺めながらゆったりとした時間を過ごせている身としては、ここに喫茶店をつくってくれたことに感謝しかありません。

トアルコトラジャコーヒーをはじめとした人気メニュー

【すいげつ】には、景色だけでなくその味を求めてやってくるお客さまもたくさんいらっしゃいます。

まずは、現在北九州では唯一【すいげつ】だけがマイスターとして認められているという、トアルコトラジャコーヒー。かつて「幻のコーヒー」といわれたインドネシア・トラジャ地方で産出されたコーヒーで、爽やかな酸味や芳醇な香りが特徴。さらに、風師山の湧水を使用しているため、まろやかな味わいになっており、まさに【すいげつ】だけでしか味わえない特別なコーヒーとなっています。このコーヒーを求めて他県からいらっしゃるお客さまもいらっしゃるそうです。

そして、現在食事のメインメニューになっているのが、デミグラスソースを使った料理。ハンバーグ、ハヤシライスなどどれも美味しそう!

河本さんの曾祖父が外国船のコックをしていたお友達から直々に教わったというデミグラスソース。河本さんにとっては、小さい頃からケチャップ代わりに使っていたという家庭の味だそうです。代々改良を続けながらも、曾祖父から受け継いだデミグラスソースの味を守っています。

他にも、うす焼き(一銭洋食)は年配の方に人気とのこと。50年の歴史がある【すいげつ】は昔から通ってくれているお客さまも多いため、三代目となりメニューを絞った今でも一銭洋食は残しているそうです。

平日はそんな昔からのお客さまや地元のお客さまが多く、土日は幅広い年齢層の方が訪れるという【すいげつ】。ランチの時間帯からティータイムまで、ずっと席が埋まっていることもあるそうです。美味しい料理に豊富な飲み物、デザートまであり、どの時間に来ても満足できるので、それも納得です。

店主さんのもう一つの顔・糸かけ師

【すいげつ】で目を引くのは、景色だけではありません。店内に飾られている「糸かけ数楽アート」の作品。なんとも神秘的な美しさがあります。

こちらの作品はすべて店主である河本さんが手がけたもの。河本さんは“采樹”という名前で糸かけ師としても活動されています。

小さい頃からここに住んでいたため叔母たちが喫茶店で働くのを間近で見ており、二代目の時にはお店のお手伝いもしていたという河本さん。「三代目になってくれないか」と打診されたというのも納得ですが、実は河本さん、三代目の打診があってから五年くらいずっと保留にしていたのだそうです。その理由が、糸かけアート。アート活動をしたいという思いがあり保留していたそうですが、糸かけアートのワークショップをしていたときに、「教室を開いてほしい」という要望を受けます。教室をするなら、場所が必要。そこで思い至ったのが【すいげつ】でした。喫茶店を切り盛りしながらそこで教室も開けば、二足のわらじもできるかもしれない、と決心し、三代目店主となりました。

現在、北九州市に糸かけ師は采樹さんお一人とのことで、教室や展示会、オーダーを受けての販売など、かなり忙しく活動されています。【すいげつ】では毎週第2・第4日曜日の18時半から、他に戸畑区の一枝市民センターでも第2火曜日の16時からと18時40分からの2回教室を開講されているとのこと。【すいげつ】のお客さまが生徒さんになることもあるそうですので、気になる方はぜひ【すいげつ】でじっくり糸かけアートをご覧になってみてください。

癒しの空間でリフレッシュを

三代目になることを決心し、アート活動をしながら喫茶店も切り盛りしている河本さん。最初は喫茶店は向いていない、と思っていたそうですが、実際やってみるととても楽しいそうです。アート活動で楽しみ、喫茶店でも楽しみ、お話を聞いていて河本さんのエネルギーをものすごく感じました。関門海峡を見渡せるこの立地も、前向きなパワーに満ちているのかもしれません。

ちょっと気持ちをリフレッシュしたいとき、何も考えず心を開放したいとき、【すいげつ】でのんびり過ごしてみてはいかがでしょうか。

※一部お写真はすいげつさんにご提供いただきました

詳細情報

北九州市門司区元清滝5-22

営業時間/水~土曜11:30~19:00(18:15L.o) 日曜日 11:30~18:00(17:15L.o) 

定休日/月曜日(祝日は営業)

※臨時休業などの情報はInstagramをご確認ください

さいごに 初めてのお店に一人で入る、というのはなかなかハードルが高いですが、人懐っこい人が多いので、店主さんもお客さんも距離が近く、おひとり様に向いている土地と言えます。もちろん、ひとりでゆったりとした時間を過ごすもよし、ひとりの楽しみ方は無限大!
これからも一人でも初めてでも行く価値のある、そんなお店をご紹介していきますので、お楽しみに!

協力:門司港ゲストハウスポルト

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