大学3年生の夏に「あ、人間って休まないと死ぬんだ」と実感した話
この記事を読んでくださっているあなた。毎日本当にお疲れ様です。
勉強をしたり、仕事をしたり、家事をしたり。限られた時間の中で、皆それぞれやらなければいけないことを頑張っていると思う。
やることに追われているとついつい後回しにしてしまいがちだけど……実は休憩も同じくらい大切なんだよな。
「自分に甘い」と言われるかもしれない。それでも筆者は冗談抜きに重要なことだと思っている。
この考えにたどり着いたのは、ある出来事がきっかけだった。
・予兆
大学3年生の夏、筆者は進級がかかった課題に追われていた。
筆者が通っていた大学はいわゆる美大だったため、課題の内容はほとんどが作品の制作。
当時描いていた作品は毎日進めないと絶対に締め切りに間に合わないボリュームで、授業・食事・睡眠の時間以外はほぼ作業に費やしていた。
それに加えて、じわじわと迫ってきたのが「就活」である。
その時点ではまだロケットニュースで仕事をすることが決まっていなかったため、進路担当の先生からは当然普通に就活をすることを勧められた。
ただ、幼い頃から漫画家になりたかった筆者は、作品制作の時間を削られる就活が本当に苦痛だった。
「漫画家になりたいのに、それ以外のことに時間を費やすのは嫌だ」という考えと「卒業したら自分でお金を稼がなくちゃいけない」という考えに挟まれて、毎日のように悶々としていた。
しばらくそんな生活を続けていたある日のこと。パソコンのコンセントを入れようと屈んで頭を下に向けた瞬間、後頭部に鈍い痛みが走った。
驚いて体を起こすと、痛みはスッと引いていった。少し気になったけど、貧血みたいなものかな? と思って特に気にすることはなかった。
・地獄
そんな頭痛が数日間続いたある日のこと。目を覚まして体を起こした瞬間……
「まずい」の3文字が頭をよぎった。
前日までは頭を下に向けなければ頭痛がすることはなかったのに、今日は体を起こしただけで後頭部がガンガンと痛む。
それどころか「食べたら吐く」と直感するレベルの吐き気と、フルマラソンでもしたのか?と思うくらいの倦怠感まで追加されていた。
当時は新型コロナウイルスが猛威を振るっていたため、真っ先に「感染したか……!?」と疑った。
しかし大学がオンライン授業になって実家に引きこもっていたため、家族以外の人との接触はほぼない。念のため検査もしてみたが、案の定陰性だった。
──となると、課題と就活で溜まった疲れがここで爆発したか。それなら休めば治るはず、と再び眠ったのだが……目を覚ました時には、症状はさらに悪化していた。
体を横にしている状態でも脈と同時に強い頭痛がガンガンと響き、どう対処しようか考えることすらキツい。
スマホで現実逃避をしようとしたのだが、文字がスライドする様子を見ただけで吐き気がこみあげてきたためすぐに消した。
結局その日は、睡眠欲を満たすためではなく頭痛から逃げるためになんとか眠ることを繰り返し、何も口にしないまま1日を終えた。
・その後の経過
翌日になっても、症状は少しも変わらなかった。
「少しでも食べておかないと」とわずかな食べ物をなんとか口にしたのだが、その直後に案の定吐いてしまって無駄になった。
以前ノロウイルスにかかった時も吐かないで耐えきったのに……今の状況、相当マズいのでは?
しっかり発熱もしていたため、この日も前日と同じようにひたすら眠ってやり過ごした。
病院に行きたいと何度も思ったものの、親の職業が新型コロナに絶対感染できないものだったので、リスクを冒して具合の悪い人が集まっている場所に行くことはできなかった。
その後は5日間ほど同じような症状が続いてほぼ絶食状態だったため、最後の方には体に力が入らず支えてもらわないと歩けない状態だった。
風邪をひいた時もインフルエンザにかかった時もここまでではなかったので、まさか自分がこんなに体調を崩すとは思っていなかった。
6日目あたりからじわじわと回復していったものの、結局作業の予定は1週間以上遅れてしまい、布団の中でなんとか受講したオンライン授業の内容もほぼ頭に入ってこなかった。
しっかり休息をとらないとこういうことになるんだなぁ……休みを軽く見ていたことを反省した。
・無理、ダメ絶対
以上の経験から、筆者は「あ、人って休まないと本当に死ぬんだ」と実感した。
体調を崩した場所がたまたま実家だったから看病をしてもらえたけど、もし一人暮らし中だったらと思うとぞっとする。
その後は「疲れてきたな」と思ったら、素直に休息をとるようにしている。疲れを引きずりながら作業をするよりも、1回回復してからの方が効率がいいことにも気が付いた。
おかげで盛大に体調を崩すことはほぼなくなり、毎日元気に作業をすることができている。
この記事を読んでくれた皆さんもこんなことにならないよう、どうか無理をしすぎないようにしてほしい。お互いほどほどに頑張って生きていきましょう……!
執筆・イラスト:うどん粉
Photo:RocketNews24.