磯子区袴田さん 親子で描くクレヨン画「18pモノソミー」思い出を絵に 10月14日まで大福コスモス園で展示
磯子区氷取沢町の障害者生活介護事業所「大福コスモス園」で10月14日(月)まで、同区在住の袴田みどりさん、真之助さん親子が制作するクレヨン画の作品約30点が展示されている。日本では事例が少ない「18pモノソミー」で知的障害がある真之助さんと母みどりさんが二人三脚で制作を続け約5年。「私たちの作品を見て楽しいと感じてもらえたら」とみどりさんは話す。
現在小田中学3年の真之助さんは、年少の頃に18pモノソミーと診断を受けた。当時、日本では十数例しか事例がなく、「その子をよく見て育てること」「自分たちの目線とはギャップがあると思うのでギャップを意識して育てるように」と、みどりさんは医師から言われたという。
不安で頭がいっぱいになり、みどりさんが始めたのが絵の制作だった。どんぐりを「丸」としか言わない息子の世界を「余計なものが見えてない楽しい世界なのかも」と思い、そのギャップを絵の題材に。クレヨンを使って息子との思い出を描くことで、子育ての不安や迷いがなくなり何事にも寛容な気持ちになっていったという。
真之助さんが小学5年生の時、「僕もやりたい」と言い出し、2人での制作を開始。そこで美術大学出身のみどりさんが塗り絵を作り、真之助さんが色を塗るスタイルができあがった。
「わりばし工房」というユニット名で活動し、「色使いがきれい」と制作の依頼もある。過去には地区センターやカフェなどで展示を行ったほか、作品は主にインスタグラムで発信。「興味を持ち、応援してくれる人が輪となり広がっていて、人とのつながりに私たちは幸せを感じています」とみどりさん。制作はうまくコミュニケーションが取れない真之助さんをサポートする手段にもなっているという。展示場所は同所2階。平日午前10時から午後3時まで見ることができる。
会場で初の園まつりも
2人の作品を展示している同所は、「秋のコスモス園まつり」を14日午前10時から午後2時に初開催する。畑などに囲まれた同所はこれまで地域との交流がなかったため、施設を地域の人に知ってもらおうと初企画。フラダンスや太鼓演奏、バザー、作品展示などを行う。(問)同所【電話】045・370・8501