横須賀市 避難所に看護師 オンライン相談 全国初 民間企業と連携
横須賀市は5月1日、看護サービスを提供する「遠隔みまもり看護株式会社」(福岡市・青木比登美代表)と大規模災害時、避難所にいる人にオンラインで健康状態などを確認する遠隔看護を行う防災協定を交わした。市によると全国初の取り組み。同日行われた会見で上地克明市長は「横須賀市の防災体制が強化され、市民のみなさまにより安全で安心できる環境の整備をまた一歩進められることができた」と協定の意義を強調した。
「オンラインでつなぐ心と健康の見守りネットワーク」と題した今回の取り組みは災害初期、市立小中学校など69カ所の震災時避難所と同社に登録している全国の看護師や保健師、助産師をオンラインでつなぐもの。校内の教育用タブレット端末などでビデオ通話システムを使用し、治療や搬送の優先度を決めるトリアージや心身状態のサポートを行う。災害対策本部や保健所と問診結果を共有することで、保健師が避難所を巡回する際の事前準備や巡回する優先順位を効率的に決められるという。
集積した情報は、クラウド上に保存、市や保健所に共有することで迅速な情報交換と効率的に人員を配置することが可能になる。資格は所有しているが勤務していない「潜在看護師」を活用する。
同社は、2022年から23年まで鹿児島県からの委託で新型コロナウイルス感染症の宿泊療養施設入所者約1万4千人に対して、遠隔看護業務を行った実績がある。