スタディスペースとは?設置するメリットやポイント、事例も紹介
マイホームにお子様のためにスタディスペースを設けたいと考える方が増えています。スタディスペースは、目の届く中で子どもの勉強習慣をつくるうえでも効果的です。さらに、将来的にも多様な活用方法が望めるスペースが理想的だといえます。
この記事では、スタディスペースを設けるメリットや適した場所、設置する際のポイントについて解説します。あわせてスタディスペースの事例もお伝えしますので、ぜひ取り入れてみてください。
スタディスペースとは?
スタディスペースとは、子ども部屋とは別に設けられた、宿題や自習をするためのスペースのことをいいます。特に明確な定義や規定はありませんが、壁などで仕切られていないことが多く、オープンなスペースとなっています。
最近は、子ども部屋には学習机を置かずに、リビングやキッチン横にカウンターデスクを造作してスタディルームとするスタイルが増えています。
親の目が行き届くため、お互いが安心して過ごすことができるでしょう。また、適度な生活音の中で勉強することで集中力がアップします。子どもが成長したあとは、ワークスペースや趣味の場、収納などに活用可能です。
スタディスペースを設けるメリット
スタディルームを設けるメリットとしては、次のようなことが挙げられます。
学習習慣が身につきやすくなる
子どもが帰宅してからの動線上にスタディルームを設けることで、机に向かい宿題などを行いやすくなります。生活の流れに組み込むことで、自然と学習習慣が身につくためです。学校の荷物が収納できるスペースがあると、片付けまでできるため、勉強後も部屋が散らかりにくくなります。
家族間のコミュニケーションが取りやすい
スタディルームは共用スペースに設けられることが多いため、家族と会話を交わす頻度が増えます。家族の存在を感じながら勉強でき、親は子どもを見守りながら家事ができるので安心です。
わからないことがあればすぐに聞ける環境で、部屋にこもりっきりになる心配は少ないでしょう。
将来的にさまざまな用途に活用できる
スタディルームは子どもが成長したあとも、PCを使ったワークスペースや書斎、趣味の場、収納など、さまざまな用途で活用でき、ライフスタイルに合わせて使えるのがメリットです。
使わない「デッドスペース」にしないためにも、将来の暮らし方までイメージした配置にすると良いでしょう。スタディルームは、家族みんながそれぞれの用途で使える便利なスペースだといえます。
勉強に集中できる!スタディスペースに適した場所や間取り
スタディスペースを設ける際は、次のような場所が適しています。適度に家族とコミュニケーションが取れて、集中できる環境を選びましょう。
リビングダイニングの一角
スタディルームを設けるなら、家族が集まるリビングやダイニングの一角がおすすめです。キッチンで家事をしながら子どもの宿題を見たり、コミュニケーションを図ったりできます。子どもが使っていないときは、家事や仕事をする場所として使うことも可能です。勉強する場所としてはもちろん、子どもの居場所にもなります。
スキップフロア
1階と2階の中間に設けられたスキップフロアをスタディルームとして活用する方法もあります。スキップフロアは、開放的な空間でありながら、個室感も味わえるのが魅力です。子どもがスキップフロアで過ごす様子を見られる間取りが理想的で、家族の存在を感じながら、勉強に集中できます。
階段下のデッドスペース
階段下にある空間をスタディスペースとして有効活用することもできます。階段下はある程度広さがあるため、収納棚や机を造作することも可能です。子どもが2人並んで使える広さはありませんが、集中しやすい環境がつくれます。階段下は影になるため、照明を用意して、手元を明るく照らすようにしましょう。
和室(畳コーナー)
和室や畳コーナーにスタディスペースを設置するのも良いでしょう。和室なら、勉強だけでなく遊びにも使えて便利です。リビングの雰囲気を壊すことなく設置できるのも利点です。小上がり和室なら掘りごたつ風にすれば、長時間の勉強もしっかり座ってできるためおすすめです。
後悔しないのためのスタディスペース設置のポイント
スタディスペースを設けるのであれば、場所に適した環境づくりが必要です。設置したあとで「使わないスペース」になるといった後悔をしないように、次のポイントを押さえて設置してみてください。
机や奥行きなど必要なスペースをしっかり確保する
スタディルームは奥行きや幅が狭いと、窮屈に感じ、使い勝手も悪くなってしまいます。十分なスぺースを確保するためにも、以下を目安に検討してみてください。
・奥行き:最低40センチメートル、PCを使用する場合は60~70センチメートル・幅:一人あたり100センチメートル、二人なら200センチメートル・椅子の後ろのスペース:最低60センチメートル(肘置きのある椅子なら70~75センチメートル)
広さのイメージとしては、子ども二人で畳1枚分です。
収納は可変性の高いものにする
可動式の棚など、可変性の高い収納にするのがおすすめです。調整可能であれば、使用していく中で使い方を変えられます。
収納したいアイテムに合わせて棚を設けるのもポイントです。整理整頓ができるため、部屋が散らかりにくくなり、片付けの習慣も身につきやすくなります。カウンターデスクの下に引き出しを、カウンター上部に本棚をつくれば、さらに使い勝手が良くなるでしょう。
手元を明るく照らす照明やコンセントをつける
スタディルームを設置する際に注意したいのが、照明やコンセントの設置です。スタディルームは部屋の一角に設けられることが多いため、部屋の照明では手元の明るさまで確保できないことがあります。そのため、手元を照らす照明を用意することが必要です。
コンセントはパソコンやタブレット、電動の鉛筆削りや照明などに使用します。コンセントが足りない場合は配線を増やさなくてはならなくなるため、一人あたりコンセントは4口ほど設けるようにしてみてください。
間仕切りをつくる
スタディルームで勉強できる環境を整えるためには、空間を仕切るように工夫することで、より集中しやすい環境が目指せます。間仕切りや壁をつくる、小上がりなど段差をつける、スキップフロアなどの吹き抜けを利用するなどの方法が効果的です。
ただし、間取りや家の広さによっては部屋のスペースがひっ迫するケースがあるため、注意しましょう。
「せっかくスタディスペースを設けても、結局使わなかった…」という声もあるため、設置を迷う方もいるでしょう。以下の記事でもスタディスペースについてくわしく解説していますので、あわせてチェックしてみてください。
結局使わない…って後悔したくない!長く使えるスタディコーナーって?
後付けも可能!おしゃれなスタディスペースの事例
スタディルームを取り入れる際は、具体的な事例を参考にイメージを膨らませてみるといいでしょう。ここでは、おしゃれなスタディルームを取り入れた事例をご紹介します。スペースがあればキッチンやリビングにも後付け可能なので、ぜひ参考にしてみてください。
リビングとつながる小上がりに設置
リビングと繋がる半個室の和室にスタディスペースを設けた事例では、和室であるため足を崩して座れます。疲れたらひと休みすることもでき、リラックスしながら、勉強に取り組めるでしょう。収納も設置しやすいため、勉強道具の片付けまで習慣化することで、いつでも勉強に取り掛かれる環境をつくれます。
キッチン横に設置
LDKを一直線に配置したキッチン横に造作デスクを設置したスタディルームの事例です。十分なスペースがあれば、ゆったりと過ごすことができます。親が料理をしながら、傍らのカウンターで子どもの勉強を見守ることができ、子どもが大きくなれば食事を摂る場所としても使用できます。ただし、キッチンの水や油はね防止のために、立ち上がりの壁やガードを設置する必要があるでしょう。
家族がくつろぐリビングに設置
家族がくつろぐリビングの一角を壁で仕切って設置した事例では、リビングの壁や窓側の凹凸、天井部分の高さの凹凸などを上手く活用し、独立したスタディコーナーをつくるのがポイントです
設置場所を間違えると不自然に見えることがあるため、注意が必要です。間取りを考える際は、どこにスタディスペースを設置すればリビングの雰囲気を崩さず溶け込むのかをイメージしておくと良いでしょう。
スキップフロアに設置
高い天井高を活かしたスキップフロアを利用したスタディスペース。リビングとフロアを分けて設けられたスペースは、家族と程よい距離感がつくれるのが魅力です。キッチン、リビング、ダイニングのどの場所からでもコミュニケーションがとれます。
まとめ:ライフスタイルに応じたスタディスペースを設けよう
スタディルームはお子様が勉強するためのスペースで、家族の存在を感じながら、学習習慣も身につきやすくなります。勉強に集中できるよう、明るさや収納、十分な広さに配慮した快適な環境づくりをすることもポイントです。
お子様の成長に合わせて、ライフスタイルも変化していきます。将来的に長くさまざまな形で活用できるスペースとして、住まいの間取りやライフスタイルの変化に対応可能なスタディスペースを取り入れてみてくださいね。