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助産院での出産を決意! 絶対“安産”と言われた私が、生まれて初めて救急車に

たまひよONLINE

5歳と1歳の二人の子どもを育てる、翻訳家でママライターのKanako Satoです。私が長女を妊娠したとき、偶然にも姉も次男を妊娠。姉がいろいろ調べて助産院を予約したので、私も一緒にそこで出産することに決めました。

出産は、病院がいい?それとも助産院?


完全母乳で育てたかったので、ベテランの助産師さんに手厚いサポートを受けられるのも、助産院を選んだ決め手になりました。

産婦人科の先生の中には、助産院で産むことに反対の先生がいると聞いたことがあります。妊娠初期に受診した病院でも「助産院はやめた方がいい」とたしなめられました。「もし助産院で出産するなら紹介状は書けない」とまで言われたのです。

でも私は、「地元で信頼の厚いベテランの助産師さんにお願いしたい」という気持ちが強かったので、違う病院の先生にも相談してみることにしました。その先生には、「経過も体重の増え方も問題ないから、大丈夫よ」と言われ、そして「助産院でも、病院との連携がしっかりしたところなら心配いらないよ」とも言ってくれ、快く紹介状を書いてくれました。(出産予定の助産院は、市立病院と近くの産院と連携していました。)

できるだけ安産になるよう、自分で健康管理を


助産院での出産は、医療行為ができないため、安産になるよう健康管理に気をつけなければいけません。毎朝ジューサーで野菜ジュースを作ったり、野菜を多く摂るなど食生活に気をつけました。

さらに、産休に入ってからは毎日1時間散歩することにしました。臨月には、自宅から助産院まで徒歩で通院するなど、体重の増加にも気を配りました。その甲斐あってか、助産師さんに「とても順調だね!」と言われ、家族も私も「絶対に安産だね」と安心し、出産を楽しみにしていました。

赤ちゃんが出てこない!でも、いきみたくない!


出産予定日1週間前の朝5時ごろ、腰に違和感を感じて目が覚めました。しばらくして違和感に波があるような気がしたので、「まさか…これが陣痛かな?」と思い、念のため時間を計ってみると、なんと10分間隔でした。

出産を体験した人から「子宮口が完全に開くまで、いきんじゃいけないのがつらかった」という話をよく聞きますが、私の場合は全然いきみたくなりませんでした。

助産院の分娩台に上がって、先生に「いきんで!」と言われても、いきみたくないのです。いきむと痛いのでいきむのを拒否し、分娩室で大暴れしました。覚悟を決めて頑張っていきもうとしても、いきみが弱く赤ちゃんが全然出てきません。

「先生、もう無理…おなか切ってください」と懇願する私を見て、助産師さんと母、後から来た夫が相談し、救急車を呼んで近くの市立病院に運んでもらうことにしました。人生初の救急車でした。

いきめなかった原因は? 微弱陣痛でフルコースの出産に


市立病院で陣痛促進剤を打ってもらい、ようやく強くいきめるようになりました。最後の力を振り絞り、いきんで、いきんで、いきみました。赤ちゃんが生まれた瞬間は感動というよりも、「やっと終わった」と思ったほどヘトヘトでした。

信頼する助産師さんや市立病院の方たちに迷惑をかけてしまったこと、家族に心配をかけてしまったこと、長い時間赤ちゃんを苦しませてしまったこと、自力で産みきれなかった自分の弱さ、それでも赤ちゃんが無事生まれたこと…。いろいろな思いが頭の中をぐるぐる回り、産後はただただ涙しか出ませんでした。

先生が教えてくれたのですが、いきみたくなかったのは“微弱陣痛”が原因だったようです。一週間前に助産院で無事に出産を終えた姉も来てくれ、「フルコースの出産だったね」と苦笑いで言われました。

私の初産は、たくさんの人に大迷惑をかけての出産となってしまいました。どんなに健康でも、出産の瞬間まで何が起こるかわからないということです。思い通りの出産ではなかったので、「こんなはずじゃなかったのに…」と思ったこともあります。しかし、助産院で産むと決めたときから健康管理をしていたこと、さらに完全母乳で育てられたこともあり、半年で元の体型に戻って、子どもも元気にすくすく育ちました。最後の最後は病院での出産になってしまったものの、ベテラン助産師さんには産後も母乳の相談までお世話になり、「自分の選択は間違えていなかった」と、今は思えます。

[Kanako Sato *プロフィール]
5歳と1歳のママ。二人目の出産を機に会社員を辞め、フリーランスとしてライティング、翻訳の仕事をしています。子どもに自然と触れ合う機会を増やしてあげたいと思い、最近は家族でキャンプを始めました。

●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

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