入院しての出産はラッキー!? 落ち着いて臨めた初めてづくしの出産
YakobchukOlena/gettyimages
今はすっかり手も離れた、高校生2人と小学生1人の3人の子どもを育てるライターの”うずマキコ“です。十数年前、夫の住む町に越してきて仕事も辞め、「子どもが欲しい」と思っていたらすぐに妊娠することができました。産院について全く調べていなかったので、近くの総合病院の産科でお世話になることにしました。
予定日間近でも子宮口は閉じたまま。入院して出産へ…
“つわり”は出産直前まで続き、口にできるものがかなり偏っていたので、ひどい食生活でした。家にこもりがちで、体を動かしたりすることもあまりしなかったので、出産予定日が近づいていても子宮口が硬く閉じたまま。骨盤が狭いなど理由があるかもしれないとのことで、骨盤のレントゲンを撮りました。結果、4kg台の赤ちゃんが産めるほどの大きな骨盤で問題なし。
「骨盤には問題はないので、歩くように心がけて子宮口を柔らかくするように」と指導され、次の妊婦検診までに子宮口が開いていなかったら入院することに。念のため入院の準備をして検診に行ったら、子宮口の状態に変化が無く、そのまま入院となりました。
ひとりで家に居るときに陣痛が始まったらと思うと不安だったので、「入院になってよかった」とホッとしたのが正直なところです。
広い陣痛室で、ひとりきりで過ごして臨んだ出産
入院した日は出産ラッシュだったらしく、助産師さんは大変だったようですが、私が出産した日に出産するのは私ひとりきり。広い陣痛室で朝からひとりで過ごしましたが、助産師さんがまめに様子を見に来てくれたので、比較的落ち着いて過ごすことができました。
入院の翌朝から陣痛促進剤の点滴を打ち、陣痛が徐々にやってきて、どこまで続くのか、どこが痛みのMaxなのか未知の世界。痛みにどこまで耐えられるのか、自分との戦いでした。
助産師さんに任せきりで、「そろそろ分娩台に移動しようか」と言われるまで、あまりの痛みに耐えに耐え、分娩台にあがってからは無我夢中。先生の「会陰切開するけどいい?」の言葉はどうでもよく、「好きにしてください」の心境でした。
無事に生まれてきてくれた時は、達成感と安堵感でいっぱい。そして、空腹感がやってきました。
わが子にどう接したらよいのか?わからぬまま退院
偏った食生活だったのに赤ちゃんはちゃんと成長していて、本当に安心しました。しかし、自分から生まれてきたとは言え、かわいいけどどう接したらよいのかわからない。最初はとても不安でした。
助産師さんは私の前後に出産した方たちにつきっきりで、授乳指導も沐浴指導も軽く流されてしまいました。質問もあまりできないまま退院となりましたが、子どもにつきっきりでいれば、なんとなくわかってくるもの。退院してからも、とにかくわが子を見つめて、泣けば抱っこし、寝ているときは体に触れ、スキンシップを取りました。
どうして泣いているのかわからなくて、不安は常について回りましたが、幸せな気持ちに満たされていた記憶があります。
大きな問題もなく、なすがままの妊娠から出産だったと思います。妊娠後期に入ってから、慣れぬ土地で知り合いもいなかったので、「ひとりで家にいるときに出産を迎えることになったらどうしようか」と不安でいっぱいでした。産院で陣痛を迎え出産に臨むことができたので、初めての出産としては不安が少なく、良かったと思っています。この時の出産の経験と記憶が良いものだったので、2人目へと繋がるきっかけのひとつとなりました。
[うずマキコ*プロフィール]
在宅でライティングや校閲の仕事をしています。子どもは、高校生2人と小学生1人の3人。出産は遠い昔のこととなりましたが、子どもたちの誕生日が来るたびに、出産の日のことを思い出し、誕生日をお祝いできることを幸せに感じます。
●記事の内容は記事執筆当時の情報であり、現在と異なる場合があります。