ゲームやアニメの影響で暴力的になる?考えられる2つの効果「観察学習説」と「カタルシス説」とは!?【図解 犯罪心理学】
考えられるふたつの効果
サスペンスものやアクションものなど、暴力的なシーンが多く含まれる映画やアニメは人気があります。そのような映像は、見る人の心理にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
それには、ふたつの説が考えられています。ひとつは「観察学習説」です。これは、暴力的な映像を見るとその行動を学習してしまい、同じような行動の動機づけになるというものです。
そしてもうひとつは「カタルシス説」です。こちらは、観察学習説とは逆に暴力的な映像を見ることによって、気持ちが晴れ、暴力行為は抑制されるという考えです。
多くの実験が行われてきましたが、現在のところ、カタルシス説を支持する結果は極めて少なく、観察学習説が多く支持されています。
暴力映像に関して、近年とくに問題となっているのが、暴力ゲームの影響です。暴力ゲームは、自らが主人公となって、敵やゾンビなどを倒していきます。この際、プレーヤーが自発的な行動をとり変化が現れるとその行動が増加していくという「オペラント条件づけ」が起こり、観察学習効果がより強く出てしまうというのです。
ただし、だからといって暴力映像や暴力ゲームを規制すればよいということにはなりません。歴史的にそれが広く受け入れられてきた以上、なんらかの有益な役割もあるはずだからです。
出典:『眠れなくなるほど面白い 図解 犯罪心理学』