震災の記録を後世に 小田原史談会が冊子制作
9月1日は「防災の日」。101年前のこの日、関東大震災が発生し、県西地域でも多くの被害をもたらした。当時の記録を後世に伝えようと、小田原史談会(松島俊樹会長)が、『100年先まで伝えたい―関東大震災小田原の記録―』を製作している。
同会は戦前に小田原で活躍した郷土史家、片岡永左衛門が遺した大正時代の日記を解読してまとめた『片岡日記大正編』を2022年9月に発刊。その際、関東大震災発生時の小田原の様子が克明に記されていたことに触発され、「大震災の被害を今に伝えるものは何か」と思案。市内に今も遺る関東大震災の石碑に着目し、22年11月から「採拓」を開始。震災発生から100年にあたる昨年、展示も行った。
これらの活動から、「拓本を多くの方に読んでもらい、言葉で伝えてもらえたらもっと良い」と考え、冊子にまとめることにした。
冊子には市内の関東大震災関連碑や片岡日記の紹介、拓本作業の記録、伝え聞いた震災の被害の様子や、温泉地学研究所の研究員を招き実施した講演の内容などもまとめている。松島会長は「関東大震災が起きたときの小田原の様子がすべて分かるような本を目指して作った。皆さんに読んでいただき、後世に伝えてもらえれば」と話す。
冊子はカラー152ページで価格は1500円。9月上旬に300部を発行予定。
問い合わせは松島会長【電話】090・6938・3796または青木さん【電話】090・5566・6969。