上越市吉川区のコウノトリ3羽巣立つ 同じつがいから生まれたひな2年連続の巣立ち
新潟県上越市吉川区で誕生した国の特別天然記念物コウノトリのひなについて、同市教育委員会は2025年6月13日、3羽全ての巣立ちを確認したと発表した。親鳥のつがいは、野生コウノトリが1971年に絶滅して以降、昨年、県内で初めて繁殖に成功しており、ひなの巣立ちは2年連続。
《画像:巣立った3羽のひな(2025年6月13日撮影、上越市教育委員会提供)》
巣立ちは巣から30分以上離れ、田んぼや樹木などに着地することで、市教委文化行政課によると、10日から13日にかけて、設置したカメラで撮影した動画や職員の目視で確認した。
コウノトリの観察を続ける同区在住の市議会議員、橋爪法一さん(75)は「体が小さい1羽も無事巣立ってよかった。ひなは巣立つ前に何度も巣の上でジャンプしていて、巣が狭いので親鳥は電柱にとまって見守るなど温かい家族愛を感じた。巣立った後も無事でいてくれることを祈りたい」と話した。
ひなは巣立った後も2か月ほどは巣にとどまり、親鳥と一緒に行動するが、その後は親鳥のテリトリーから離れ全国各地に飛んで行く。
市教委は引き続き、観察や撮影は巣から150m以上(車の中からは100m以上)離れて行うことや、無断で私有地や農地に入ったり、車を駐車したりしないよう呼び掛けている。