旭川の近くにある【和寒町】ってどんなトコ? 郷土資料館へ行ってみた!
和寒町郷土資料館
和寒町の郷土資料館は、旭川方面から向かうと国道40号線を使ってJR和寒駅前を通過して、市街地の北側の終わりに近いところ、ちょうどセブンイレブンさんの裏手あたりにあります。
JR和寒駅から少し離れていますが、徒歩でも行けなくない距離ですので、JR利用の方でも訪問可能かと思えます。
入館は無料で、基本的には水曜日のみの開館されています。
ですが、向かいにある公民館「恵み野ホール」内にある教育委員会の方に申し込めば、見学させて頂くことも可能なようです。
郷土資料館内部には開拓期当時の生活様式を再現したコーナーなどがあり、資料点数も多数ありますので、なかなか見応えがあります。
まだ電気もガスもなかった頃、我々の先輩にあたる当時の人達がどのように地域を切り拓いて行ったのか、目で見て感じることができます。
和寒町はニシンや石炭が獲れた地域ではなかったので、それを理由とした産業の発展こそありませんでしたが、農畜産業の分野で開拓と試行錯誤を繰り返しながら粘り強く発展していった経緯があります。
こちらのコーナーでは開拓期や戦前に使用されていた農機具などの展示もあり、歴史的資料として保存されています。
また農作物の時代による移り変わりなども解説がありますので、地域の皆さんの努力を知ることができます。
開拓当初は寒冷地での稲作が品種的にも難しかったということもあり、除虫菊(蚊取り線香のアレですね)が多く栽培されていたようです。
その後お米の品種改良が進み稲作の北限が北上していった為、平地では徐々に水田が増え今の姿になっていきました。
今でこそかぼちゃの作付面積日本一、冬には越冬キャベツが有名な和寒町ですが、ここに至るまでは決して一本道ではなかったということですね。
ちょっとビックリしたんですが、和寒でも昔は砂金が獲れたんですね。
北海道では中頓別周辺でのゴールドラッシュが有名ですが、こう見ると各地で砂金が発見されていたことに驚かされます。
場所的には市街地から離れてだいぶ山手のようですが、夢のある話だと感じますよ。
そして、和寒町の歴史に大きく関わってくるのが鉄道の存在です。
鉄道駅を中心にマチが形成されるほど、当時その存在は非常に大きかったのですね。
交通の要所としても、物流の拠点としても、人々の営みを支えたことは間違いなく、現在に至る和寒町の発展に関与した鉄道と鉄道駅について、たくさんの資料が展示されています。
施設情報
住所:北海道
上川郡和寒町字北町61番地(公民館正面)
電話:0165-32-2477 (和寒町教育委員会)
営業時間:9:00~17:00
休館日:土曜日・日曜日・祝日・年末年始
駐車場:あり
蒸気機関車D51 337号機
郷土資料館のすぐ隣に、蒸気機関車D51が展示されいています。
和寒町の発展を支えた功労者として今も愛され続けているD51 337号車。
JR北海道さんからの無償貸与ということですが、屋根付きで保管され、凄く手入れも行き届いているので保存状態がとても良く、機関車マニアではない私が見ても素晴らしく感じますよ。
地域の方々から大切にされていることがヒシヒシと伝わってきますね。
案内看板を見ると昭和25年からしばらくは大阪の吹田(すいた)機関区で就役していた、とあります。
個人的なお話になりますが、実は私は大阪府出身で、地域として吹田周辺もよく知っています。
もちろん私の生まれる前の話ですが、この機関車が私の出身地で働いていただなんて、なんだかちょっと運命的な雰囲気を感じちゃったりしました。
今は静かに休んでいるD51ですが、激動の昭和を駆け抜け、北海道の振興に貢献したその勇姿を、ぜひご覧頂きたいと思います。
施設情報
住所:北海道 上川郡和寒町北町61
和寒町B&G海洋センター
さて、和寒の町をブラブラと歩いていると、なにやら「和寒海洋センター」の文字が見えてきました。
こんな内陸の町に海洋センター??
ちょっと気になるじゃありませんか。
もしかして水族館があるのか?あるいは海の展示物とか?とにかく現地へ行ってみましょう!
そして現地に着いてみると、どうやらプール施設だったようですね。
看板をよく見ると「B&G和寒海洋センター」となっています。
どうやらB&G財団(ボートレース系)から建設補助を受けて作られた施設のようで、そういった理由からB&G海洋センターという名前が付いているようです。
謎が解けると案外スッキリするもんですね。
ちょっと水族館を期待した自分が情けなく感じました。
ちなみにコチラのプールは和寒町民以外の一般の人も利用できるようです。
夏の暑い時期に水着を持って遊びに行くのも悪くありませんね。
施設情報
住所:北海道
上川郡和寒町字日ノ出4番地512
電話:0165-32-4387(開設期間のみ)
オープン期間:
6月中旬~9月上旬の夏季のみ
駐車場:あり
和寒町といえば「全日本玉入れ選手権」の開催地
ちょっと脱線気味ですが、和寒町といえば「全国玉入れ選手権」の開催地でもありますよね。
テレビなどでも結構取り上げられていますので、知っている方も多いのではないでしょうか。
運動会でよく見る玉入れに競技性を持たせたもので、100個の玉をいかに速くカゴへ入れるか、タイムを競う大会ですね。
毎年恒例になっている歴史ある大会で、今やすっかり和寒町で行うイベントの代表格でもあります。
今年、第28回全日本玉入れ選手権は9月7日(日)に開催されることが決定しています。
優勝賞金50万円のビッグイベントですので、興味のある方は下記リンクからチェックしてみて下さいね!
関連記事:全日本玉入れ協会 AJTA(アジャタ)公式Webサイト
https://ajta.jp/
和寒町指定文化財 史跡 「ペオッペ駅逓所跡」
和寒町郷土資料館の資料の中に「和寒町指定文化財 史跡 ペオッペ駅逓所跡」というものがありました。
駅逓というのは鉄道でいう「駅」の馬車バージョンのようなもので、旅人の宿泊や運送、郵便業務など交通の要所として開設されていたものです。
ペオッペ駅逓所跡は和寒と幌加内を結ぶ道路沿いに官営駅逓所として開設されたもので、当時まだ鉄道のなかった頃の幌加内と和寒駅を結ぶ中継地として重要な役割を果たしていました。
大正15年に幌加内を経由して名寄と深川を結ぶ国鉄深名線が開設されたことによりペオッペ駅逓所はその役割を終え、昭和3年に廃止されました。
明治42年の開設からおおむね20年間、当時は大変な賑わいだったようで、その生活文化の息吹を伝えるべく史跡として保存されているそうです。
そう聞いてしまうとガゼン興味が湧いてしまいますよね。
そんなワケで現地へ足を運んでみました。
史跡は場所で言うと道道48号和寒幌加内線を幌加内方面に向かい、峠に差し掛かる少し手前の位置にあります。
幌加内側から峠を越えてきた、あるいは和寒側から峠を越えようとする、そういった人や物がここで休息をとったり荷物の中継をした、といったことが想像できます。
今は静かな場所ではありますが、当時はきっと多くの人が行き合っていたのだろうと思えます。
駅逓の建物などは残っていませんが、和寒町の、そして北海道の開拓期を感じることができる場所と言えるでしょう。
史跡情報
住所:北海道上川郡和寒町西和098 0114
あとがき
和寒町は旭川からそれほど遠い場所ではなく、今回ご紹介できなかった魅力的なスポットもまだまだたくさんあります。
桜の名所やスキー場、小さな遊園地などがあり、四季を通して楽しめるマチですので、週末などお時間がある時にぜひ足を運んで頂きたいと思います。