大竹まことが「意味わかんない」連発!先住民を訪ねる研究者に聞く
お笑い芸人の大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組、『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月〜金曜13:00~15:30) 11月18日の放送は、ちくまプリマー新書から発売中の『ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う』を著した、立教大学教授で文化人類学者の奥野克巳氏が出演。本の内容や研究活動について伺った。
大竹「奥野さんの風貌を見ると、泥水なんか平気だぜみたいな。何でも持って来やがれ、全部食ってやるみたいな顔をなさっている」
奥野「お褒め頂きありがとうございます」
大竹「奥野先生は、高校の時「日本は飽きた」と、「俺、何やってんだ」ってお考えになったそうですね」
奥野「サッカーの試合で鎖骨を折られて1週間ぐらい何もしなくてぼーっとしてる時にですね。学校に行って何してんだろう? 受験って何だろう? 人生って何だろうみたいな、ある意味の世迷言が頭に浮かんで、とにかくもっと広い世界を見たいなと。日本脱出をしたいという夢を高校1年生の時に持ちました」
大竹「すごいよね。それでどこ行ったんですか?」
奥野「メキシコ」
大竹「高校生で?」
奥野「これは大学で。大学は、今はなかなか難しいんですが、かつてモラトリアムで何でも自分の好きに使っていいと言うので入ったんです」
大竹「それでメキシコに行っちゃって、先住民のテペワノの村に滞在なさった。メキシコに行くだけでも、ずいぶん遠くに来たもんだって普通思うんだけど、そこからまた先住民が住んでるところに行くわけですよね」
奥野「図書館で、世界の民族という写真付きの本があって、巻末に民族の一覧が載ってたんです。そこにテペワノが書いてあったんですが、2~3行しかなくて、あんまり調べられてないんだなと。それで面白そうだなと思って行ってみようと」
大竹「ちょっと意味わかんない」
奥野「(笑)つまり、すでに調べられている民族ではなくて…」
大竹「ああそうか。誰も行ったことない。それで行ってみようと?」
奥野「そういうことですね。誰かが行ったところではなくて、誰も行ってないようなところに行って、どういう世界があるのか見てみたいと思ったということですね」
大竹「そこで何を、お知りになったんですか?」
奥野「これは昼の番組なので、まあ幻覚剤をやったりしてですね、それが最初の経験だったんですが…」
大竹「ちょっと待ってください。その村は普通に幻覚剤を、みんなでやってるような所だったんですか?」
奥野「ある儀礼の中でやってるんですね」
大竹「なんか、お祭りとか、そういうのがあると、みんなやってる?」
奥野「みんなというか、特定の人たちがやっていて、そのおこぼれに預かったんです」
大竹「法律はないんですか?」
奥野「その先住民の中では、ある種のビジョンクエストですね」
大竹「意味わかんない」
奥野「ビジョンクエストっていうのは…」