介護職のスキルアップ完全ガイド!今日からできる現場学習の進め方
介護の現場では日々新しい知識や技術が求められるため、継続的な学習が欠かせません。しかし「研修を受けても実践で活かせない」「勉強したことが身につかない」と悩むこともよくあります。
この記事では、新人介護士のカイゴさんとうめの会話を通じて、現場でスキルアップするためのコツを紹介します。
登場キャラクター
カイゴさん
現場に入って間もない新人介護士1年目。分からないことだらけでも日々奮闘中!
うめ
介護に詳しくて、少しおせっかいな猫。カイゴさんの頼れる相談役。
コツ1:知識は実行する前提で学ぶ
カイゴさんは職場の勉強会で認知症ケアについて学んでいます。講師の説明を熱心にメモに記録しています。
カイゴさん
すごく勉強になるなぁ…!しっかりメモを取って全部暗記しよう。
しかし、実際に認知症の症状がみられる利用者さんとコミュニケーションを取る場面になると、学んだことをうまく思い出すことができませんでした。
NG例:暗記するだけで終わってしまう
カイゴさん
うーん、あんなに集中して聞いていたのに、いざという時に思い出せない…どうしたらいいんだろう。
うめ
知識として覚えていても、実際の業務に落とし込むのって難しいですよね。カイゴさんは勉強会でどんな風に学習していましたか。
カイゴさん
えーと…講師の方の話を聞いて、大事そうなところをメモしてました。
うめ
なるほど。その時、「自分だったらこの知識をどう使うか」は考えていましたか。
カイゴさん
そこまで考えていませんでした…。ただ聞いて覚えようとしていました。
うめ
そこがポイントなんです。学んだことを『実行する』前提で考えることが大切なんですよ。
うめ
では良い例を見てみましょう!
OK例:現場での活かし方をイメージしながら学習する
カイゴさんは、勉強会でメモを取りながら「自分だったらどうするか」を考えていました。
カイゴさん
認知症の方への声かけは『相手の気持ちに寄り添って具体的で分かりやすく』が基本なんだ…。ということは今後入浴介助時の声かけは、『お風呂の時間です』って決めつけた言い方をしちゃダメなんだな。
カイゴさん
利用者さんの気持ちを考慮しながら『今からお風呂なのですが、いかがですか?先ほどまで体を動かしていたと思うのですが、さっぱりしませんか?僕が案内するのでついてきてください。』と具体的に伝えた方がいいかな。
勉強会後、学んだことを活かして利用者さんに声かけをしてみたところ、いつもよりスムーズに浴室へ案内することが出来ました。
カイゴさん
「自分だったらどうするだろう」と考えながら学習したら、学んだことがすぐ頭に浮かぶようになりました!
うめ
素晴らしいですね!そうやって具体的な場面を想像しながら学ぶと、実際の現場でもスムーズに使えるようになりますよ。
POINT
・学習中は常に自分ならどう実行するかを考える
・具体的にいつどのような場面で使うかを想定して知識を整理する
コツ2:先に目標を設定しスケジュールを逆算する
カイゴさんはスキルアップのために介護の専門書を購入しました。
カイゴさん
よし、これで知識を身につけてもっと活躍できるようになるぞ…!
最初の数日は意欲的に勉強を進めていましたが、モチベーションが続かなくなり、1週間ほど経つと業務の忙しさを理由に本を開かなくなってしまいました。
NG例:目標を決めずに勉強しモチベーションが続かない
カイゴさん
うーん…どうしていつも勉強が続かないんだろう…?
うめ
日々の業務と学習を両立するのって大変ですよね…。カイゴさんは、その学習を通じて何を達成したかったんですか?
カイゴさん
えーと…スキルアップ、ですかね…?
うめ
スキルアップは素晴らしい目標ですが、ちょっと漠然としていませんか?具体的にいつまでに、何ができるようになりたかったんでしょう?
カイゴさん
あ…そこまでは考えてませんでした。なんとなく『勉強した方がいいかな』と思って。
うめ
そこがつまずく原因かもしれませんね。目標が曖昧だと、勉強を続けるモチベーションも保ちにくいんですよ。
カイゴさん
確かに。期限が無いからって先延ばしにしてしまっていました。
うめ
では適切に目標設定をして、モチベーションを維持する方法を確認してみましょう。
OK例:半年後の初任者研修に申し込み、毎月進捗を報告
カイゴさん
よし、初任者研修合格を目標に、半年後の試験に向けて勉強しよう。
カイゴさんは学習に使うテキストを確認し、そこから逆算して一月ごと・一週間ごと・一日ごとの3種類のスケジュールを作成しました。
カイゴさん
うめさん、目標から逆算してみたら毎日やるべきことが明確になって、やる気が出てきました!
うめ
おぉ!具体的なスケジュールでとても素晴らしいですね。これに加えて上司や同僚など、他の人に進捗報告をする仕組みを作るとより継続しやすくなりますよ。
カイゴさん
なるほど。定期的にアドバイスをもらう良い機会にもなりそうですね!早速相談してきます。
うめ
いいですね。目標があって、スケジュールがあって、報告の仕組みもあれば、必ず継続できますよ!
POINT
・漠然とした目標ではなく具体的な目標を設定
・ゴールから逆算して月単位・週単位のスケジュールを作る
・進捗報告する仕組みを作ってモチベーションを維持
コツ3:行動の意図を理解してから真似をする
移乗介助に苦手意識を持っているカイゴさんは、移乗介助が上手な先輩の様子を見て学ぼうとしていました。
カイゴさん
先輩の移乗介助、本当にスムーズですね…同じようにやってみます!
先輩の声かけをそっくりそのまま真似して実践してみましたがうまくいかず、利用者さんに「介助が怖い」と言われてしまいました。
NG例:他人のやり方を形だけコピーする
カイゴさん
うめさん、先輩の移乗介助時の声かけを真似してみたんですが、上手くいかなかったんです…。
うめ
学習したことをすぐに実践しようとする姿勢はとても素晴らしいですね!だからこそ思うようにいかなくて悔しいですよね…。
カイゴさん
そうなんです…一生懸命真似したつもりなのに、利用者さんからも『怖い』って言われちゃって…。
うめ
ふむ…先輩のやり方と、カイゴさんがやった時で、何が違っていたと思いますか?
カイゴさん
えーと…同じように声かけをしたつもりなんですが…。
うめ
先輩がその声かけをする理由や意図について考えたことはありますか?
カイゴさん
それは考えられていませんでした。『こうやるんだ』という形だけを覚えて、真似すれば同じになると思っていました。
うめ
先輩の技術を学ぶ時は、ただ真似るだけじゃなくて、『なぜそうするのか』を理解することが大切なんですよ。
カイゴさん
なるほど!意味が分からないまま真似しても、本当の技術は身につかないということですね。
うめ
そうなんです。では良い例をみてみましょう!
OK例:意図を推測した上で質問する
カイゴさん
先輩、いつも移乗が安定していますよね。声かけのときに意識しているポイントとかってありますか?
先輩は、普段気を付けていることを丁寧に説明してくれました。その後、教えてもらったことを実践してみたところ、いつもよりスムーズに移乗介助ができました。
カイゴさん
いつも声かけをするより前に動き始めてしまっていたので、声かけをして反応を確認してから動くことを意識してみたら、いつもより安定して介助ができました!
うめ
先輩の技術をすぐに実践しようとする姿勢、素晴らしいですね!
カイゴさん
ありがとうございます!真似するだけじゃダメなんですね。でも、こうやって考えながらやると、すごく勉強になります。
うめ
そうなんです。慣れてきたら声かけの内容やタイミングなど、自分なりに改造していくとオリジナルのスキルが身につくんですよ!
POINT
・真似をするだけでなく「なぜそうするのか」を理解する
・実践後はうまくいった点・改善点を整理する
まとめ:アウトプットの機会を習慣化してスキルアップ!
カイゴさん
教えていただいた学習方法を実践したら、勉強したことが現場で活かせるようになりました!
うめ
素晴らしいですね!効果的な学習を続けたことで、スキルがどんどん上達してきましたね。
カイゴさん
そうなんです!自分の成長を実感できるようになって、仕事がもっと楽しくなりました!
うめ
いい流れですね!カイゴさんが前向きに学習していることは、きっと周囲にもいい影響を与えていますよ!
うめ
今回の話をまとめると、効果的な現場学習のポイントは以下の3つです!
現場学習のコツを身につけることで継続的な成長と確実なスキルアップを実現できます。学習効果が高まることで、介護の質向上も期待できます。今回の3つのコツを今日からひとつずつ実践し、着実に効果的な学習習慣を身につけていきましょう。
うめ
次回は『短時間で思考をまとめるためのコツ』を紹介!新人介護職の皆さん、次の更新もお見逃しなく!
カイゴさん
次も必ずチェックします!