疲れが身体機能低下や老化を引き起こす、さまざまな悪影響を及ぼす原因「脳のサビ」とは?【眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話】
疲労=細胞のサビ
酸化ストレスが脳をサビさせる
私たちは呼吸によって大量の酸素を体内に取り入れ、そのうちの1〜2%が「活性酸素」という物質に変化します。活性酸素とは強い酸化力を持つ酸素の総称で、体内に侵入した細菌やウイルスといった外敵を攻撃するなど、免疫システムをサポートする役割を果たします。
一方で、ほかの細胞や組織なども酸化させてしまい、活性酸素による酸化ストレスに長期間さらされると、細胞は傷つき、まるで自転車のチェーンがサビて車輪が動きにくくなってしまうような状態に陥ります。細胞レベルで酸化ストレスを最も受けやすいのが、エネルギー生産を担っている細胞小器官のミトコンドリアです。酸化ストレスによるエネルギー不足に陥った脳が「サビ」れば自律神経細胞がダメージを受け、本来の働きができなくなります。これが「脳の疲労」を招くわけです。
休息をとっても回復しない、原因不明の疲労感が6か月以上続くという場合は、「慢性疲労症候群」が疑われます。激しい筋肉痛や発熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れ、ベッドから起き上がるのが困難になることもあるほど深刻な病気なのです。「慢性疲労症候群」は健康な人の疲れやストレスが慢性化している状態とは大きく異なるものだということも覚えておいてください。
ヒトは活性酸素でサビる!
細胞の機能低下ほか、がん、シミ、シワ、白内障などを招く
ストレス、喫煙、紫外線、なども要因
運動や重労作で細胞に負担
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酸化ストレス(活性酸素が神経細胞などで大量発生)
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疲労(機能低下、生産能力の低下)
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老化(機能・パフォーマンスの不可逆な低下)
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 疲労回復の話』著:梶本修身