避難所のプライバシーを確保 上越市が間仕切りテント1000張りを配備
新潟県上越市は2025年11月、災害時の避難所内でのプライバシーを確保するため、間仕切りテント1000張りを配備した。間仕切りの高さは最大180cmあり、四方をシートで囲っているため、避難所内で他人の視線を気にせずに過ごすことができる。
《画像:上越市が配備した避難所用間仕切りテント》
同市危機管理課によると、同市の避難所にはこれまで高さの低い段ボール製の間仕切りしかなかった。本年度、防災関連の国の交付金などを活用し、約2000万円で1000張りを購入。区の総合事務所や旧古城小学校、ユートピアくびき希望館など市内15か所に集中配備した。
屋根のないパーティションタイプで、220cm四方をシートで囲み、出入り口はファスナーで開閉する。間仕切りの高さは最大180cmから160cm、140cmの3段階に調節可能。テント内には段ボールベッドが置け、複数人で使用できる。アウトドアブランドの「LOGOS」の製品で、専用バッグにコンパクトに収納でき、持ち運びも容易だ。組み立ては、折りたたまれた骨組みを広げ、間仕切りのシートを面ファスナーで留める。
《画像:専用バッグに収納された骨組みを広げて組み立てる》
《画像:間仕切りテント内には段ボールベッドも設置可能》
11月9日に同市西本町4の屋台会館で行われた、無印良品直江津と頸城自動車主催の防災イベント「いつものもしもCARAVAN 直江津」で展示した。
前日の設営作業に参加した西本町3の男性(70)は、「(設営は)簡単で面倒ではない。現場を仕切る人がいれば、高齢者や女性でも組み立てられるのでは」と話した。中央2の女性(41)も「頑張れば1人でも組み立てられそう。避難所にプライベート空間があるのは安心できる」と話していた。
同市は同じ国の交付金を活用し、1月末にはトイレカー1台を配備予定。