Yahoo! JAPAN

昭和と令和のハイブリッドアイドル【文坂なの】80年代女性アイドルの名曲たちを発掘!

Re:minder

2025年01月29日 文坂なののアルバム「Lost & Found Vol.1」発売日

80’sアイドルの楽曲を全10曲カバーした文坂なの


昭和では当たり前にいたソロアイドルは、グループアイドルが主流となった現代ではあまり見かけなくなってしまった。だが1人、昭和のアイドルに例えるならば、おニャン子クラブの河合その子を彷彿とさせる神秘的な佇まいに、きゅるんとした瞳と透明感のある姿を併せ持った昭和と令和のハイブリッドソロアイドルがいる。

それはセルフプロデュース・ソロアイドル、文坂なの。普段はオリジナル楽曲を中心に活動している文坂が、今回は幼少期から愛してやまないという、80’sアイドルの楽曲を全10曲カバーしたアルバム『Lost & Found Vol.1』をリリース。単にカバーするだけならよくあることだが、このアルバムは一味違う。アルバムコンセプトは、タイトルからも読み取れるように名曲発掘といったところだろうか。ここでいったん、収録曲を見てみたい。

1. ロマンスしたい(岡本舞子)
2. 青いスタスィオン(河合その子)
3. 涙色のサンセット・ビーチ(つちやかおり)
4. 真剣(ほんき)(田村英里子)
5. 月下美人(松本伊代)*CDのみ
6. くちびるヌード(高見千佳)
7. 少年は天使を殺す(RA MU)
8. LOVEさりげなく(太田貴子)
9. 心もJUMPして!夏のイントロ(福永恵規)
10. ハートのスイッチを押して(中山美穂)

文坂なのが繰り広げている世界観との親和性も感じる「青いスタスィオン」


哀愁を帯びたヨーロピアンサウンドが特徴的で、文坂が繰り広げている世界観との親和性も感じる「青いスタスィオン」や、資生堂のCMソングとして知られる名曲「くちびるヌード」などのヒット曲から、シングルB面の楽曲やアルバムにしか収録されていないツウな楽曲まで揃っている。とはいえ、ツウなところを突きたいと狙って選曲しているわけではないのも読み取れる。それは、選曲された楽曲がシティポップ、AOR寄りなナンバーや重厚感のあるウォール・オブ・サウンドを意識したナンバーのように、系統が明白に分かれているからだ。

そして、文坂のオリジナル曲にみられる、シンセサイザーの浮遊感あるポップなサウンドが今回のアルバムに影響しているのか、どことなく陰りのある大人な世界観が散りばめられている。つまり今回のカバーアルバムは、文坂自身の好みがはっきり見えるラインナップであり、ルーツといえるものだろう。アレンジも完全に原曲に寄せるのではなく要素的に感じられるところが肝で、あくまでも “令和” のアイドルとしてサウンドを昇華させているのも本作の魅力だ。

よりアイドルらしい雰囲気へと仕上がっている「ロマンスしたい」


そんなアルバムの1曲目を飾る楽曲は、1985年に岡本舞子がリリースしたアルバム『ハートの扉』収録の名曲「ロマンスしたい」。オリジナルの作曲・編曲を担当した山川恵津子が手掛けた、メルヘンな世界から天使が舞い降りてくるようなキラキラ輝くイントロはそのままに、要所要所で語尾が跳ね上がる文坂の歌い方が相まって、よりアイドルらしい雰囲気に仕上がっている。主人公・文坂なのが描く世界観の幕開けを飾るにふさわしく、この曲を1曲目に選曲していることから、曲順にこだわりを持って文坂なりのストーリーを紡いでいることが伝わる。

そして、今回のアルバムの中で、特筆すべき曲は、3曲目に収録のAORナンバー、「涙色のサンセット・ビーチ」。文坂の透きとおった歌声が歌詞の切なさを引き立て、落ち着いた気持にさせてくれる。オリジナルはつちやかおりのアルバム『かおり白書』に収録の楽曲だが、この曲はサブスクで解禁されていないどころか、つい最近までCD化されていなかった楽曲だ。通常、アルバムの作品がカバーされることはあまりないのだが、ここでピックアップしたということは、前からレコードを持っていて普段聴いていた楽曲なのだろう。そういった面からも心から80’sアイドルを愛していることが伝わってくる。

これはすべての曲に共通していえることだが、誰かの曲をカバーしたり紹介したりすることは、新たなリスナーに知るきっかけと聴く機会を与えることになる。こうして名前が挙がり、人々の中で忘れられない限り楽曲は生き続けるだろう。今回カバーアルバムを名曲発掘の視点で発表することは大いに意義があり、深く80’sアイドルの楽曲をリスペクトしている文坂だからこそ実施できたプロジェクト。普段はアイドルでありながら、歌唄いとしてあらゆる80’sアイドルの楽曲を歌い継ぐ文坂なの。ぜひ “Vol.2” の制作にも期待したい。

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. アニメ『SAKAMOTO DAYS』新キャストに甲斐田裕子さん、小林千晃さん、竹内良太さん、鳥海浩輔さんが発表! コメントや第11話(最終話)あらすじ&先行カットが公開

    PASH! PLUS
  2. モーニング娘。'25、生田衣梨奈ラストツアー開幕「最後まで気を抜かず、体調に気を付けて頑張りたい」

    WWSチャンネル
  3. 「第十九回 声優アワード」全受賞者 発表|主演声優賞に岡咲美保さん、関俊彦さん! MVSには2年連続で中村悠一さんが受賞

    アニメイトタイムズ
  4. 【動画】大阪府茨木市「ダムパークいばきた」に日本最長の歩行者用つり橋 バンジージャンプも

    OSAKA STYLE
  5. 新潟のお菓子「南蛮えび煎餅」お土産用の商品とスーパーの商品を食べ比べてみたら…

    ロケットニュース24
  6. 片寄涼太「気づいたことは」インタビュー――『PRODUCE 6IX COLORS』第二弾は、片寄涼太プロデュース/蔦谷好位置サウンドプロデュース

    encore
  7. PSYCHIC FEVER 初のアメリカファンミーティングツアーが開催決定!【小波津志コメント】

    WWSチャンネル
  8. お昼寝系2人組ガールズ音楽ユニッ ト「Suupeas」初Digital EP「寝具 a Song!」リリース!

    WWSチャンネル
  9. いよいよ4月開業!「ジーライオンアリーナ神戸」にグルメ10店舗が誕生

    PrettyOnline
  10. 浮気宣言!? 家庭内別居中の夫から突然「会っている女性がいる」と言われ……妻の決断は

    ウレぴあ総研