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【私たちは、自分で自分を怒らせている】アンガーマネジメントとは、ゆとりを持つこと[コミュ力はスキル/経済評論家:勝間和代]

こそだてまっぷ

勝間さん自身がたどり着いたのが、「コミュニケーションはスキルである」という確信。

経済評論家として知られる勝間和代さんは、「もともとが不器用で、人見知りですから、(中略)誰とでもうまく付き合いたいと思うが故に、傷つき、悩み、落ち込みました」と、最新の著書『人づきあいはコスパで考えるとうまくいく コミュニケーションはスキルが9割』(Gakken)で明かしています。

そんな勝間さん自身がたどり着いたのが、「コミュニケーションはスキルである」という確信でした。コミュ力は性格や個性といった生まれつきのものと思われがちですが、正しくスキルを身につけると、人間関係のストレスは限りなくゼロになる―――。

本書は、勝間さんが20年以上にわたり研究・実践してきた“人と上手に付き合う技術”のすべてを詰め込んだ、渾身の一冊です。

今回は、こちらの著書から、『怒りをコントロールする』について、一部内容を抜粋してご紹介します。

日々、子育てや仕事に精一杯取り組んでいる中で、子どもや夫、妻、義父母や同僚、ママ友・パパ友など、さまざまな人間関係に悩みを抱えているという方々へ。

すぐに使えて一生役立つ、勝間さんの「必須スキル」をぜひ実践してみてくださいね。

人間関係に悩みたくないなら、やるべきことはたった2つだけ。

もしあなたが、今、人間関係に悩んでいるなら、この本がきっと役に立ちます。

私たちは、みんな、人間関係にストレスを感じ過ぎ。

人間関係は「相性」ですから、そもそも、うまくいかなくても当然なのです。

相性のよい人とつながり、相性がよくない人とは適度な距離を置く。

これができれば、ストレスは限りなくゼロになります。

人間関係の「し過ぎ」と「我慢」をやめ、不必要な人間関係とは上手に適度な距離を置く。

実は、これだけで、誰もが、今よりずっと、楽に生きられるようになります。

「それができれば困ってない」と言われるかもしれません。
では、なぜあなたは、今までそれができなかったのだと思いますか。
それは、正しい人間関係の構築方法を、習ってこなかったからです。

人間関係のうまい下手は、天性のものや性格ではなく、「スキル」です。
学んで、実行すればいいだけ。

もう人間関係に悩みたくないあなたがこれからやるべきことは、たった2つだけです。

まずは、人間関係を「コスパ」で考えること。

次に、人間関係を構築するための「スキル」を身につけること。

さあ、今日から、未来の自分の人間関係を、幸せで軽やかなものに変えていきましょう。

「怒りをコントロールする」スキル

アンガー・マネジメントというと、誤解されがちなのが、「怒らない」ようにする技術のように思われてしまうことです。しかし、怒りは感情ですから、喜びや悲しみと同じく湧いてくること自体は抑えることができません。

アンガー・マネジメントを考えるときに大切なのは、「自分が主体となり、怒りに振り回されないようにする」ことです。

怒りが湧き起こる仕組みを理解する

私たちは、何かあったときにいきなり怒るわけではありません。

何か、自分にとってよくないできごとが起きると、そのできごとに対して、自分の価値観で解釈や意味づけを行い、その意味づけによって自分が攻撃をされているとか、許せないと考えたときにはじめて怒りが生じます。

つまり、私たちはできごとそのものに怒っているのではなく、できごとに対して自分の価値観や経験から「勝手な解釈」をし、それに対して腹を立てているのです。

これは、言い換えると「私たちは、自分で自分を怒らせている」ということになります。

特に、私たちは自分にとってのコア・ビリーフ(中心となる価値観)が揺るがされていると感じるときに怒りを覚えます。

たとえば、「列には必ず並ぶべきだ」という価値観を持っている人がいたとして、そこに突然誰かが割り込んできた場合に、その人は腹を立てるというわけです。

認知と行動を修正する方法

実は、この、自分の価値観から行ってしまう「勝手な解釈」は、自分の置かれた状況や心の状態によって随分と差が出ます。

心や時間に余裕があるときは、相手の行動を自分の価値観で解釈せずに、相手の考えを尊重して思いやりを持って接することができます。

ですから、アンガー・マネジメントとは、ゆとりを持つことであるとも言えます。

怒りが湧くのは自然なこと。怒ってもいい。ただし、コントロールすること。

認知の修正とは「心の広い人になる」こと

「認知の修正」は、平たく言うと「心の広い人になる」ということです。

怒りを生む原因である「べき」という自分の中にある価値観について、「ここまではOK」「ここからはNG」と二元論にするのではなく、その間に「このくらいだったら、まあいいかな」という許容範囲を自ら作るのです。

「待ち合わせには絶対に遅れてはいけない」という主義を持っている人は、「時間前に来るのはOKだけど、時間を1分でも遅れたらNG」という境界線を持っている傾向があります。 1分の遅れが、その後の二人の関係や行動に実際は何の影響も与えないだろうとわかっていても、相手が遅れるとイライラしてしまうのです。

これについて、自分の怒りに対する境界線を認知し、許容範囲を緩めてみます。

相手が守りやすい許容範囲を作り、自分に対しても許せる範囲を明確にするのです。これによって、「待ち合わせの時間は守るべき」という二元論を、無理なく緩めることができます。

自分の「べき」を疑ってみる

私たちが「困った人」と対峙して苦しくなってしまうのには理由があります。

それは、ほとんどの人の頭の中に、「人はこうあるべき」「相手はこう振る舞うべき」という「べき論」が存在するためです。

自分の持っている「べき」に沿わない人が出てくるたびに、相手を「困った人」と認定しているが故に困り、腹を立てたり、悲しんだりするのです。

ですから、困った人との関わり方を考える前に、自分自身の「べき」について考えてみることも大切です。

その「べき」は万人共通で必ず守らなければならないものでしょうか。

私たちが、自分の「べき」を柔らかくできれば、相手がそれを守らない「困った人」になることが減ります。

「べき」の境界線を設定する

なぜこの「べき」について、許容範囲を作る必要があるのかといいますと、自分にとってはNGでも、相手にとってはOKというそれぞれの境界線があるからです。

自分が「守るべき」と思っているからといって、自分の境界線だけを主張しても、コミュニケーションはうまくいきません。

自分の境界線を乗り越えてくる人に会うたびに怒りを感じていたら、人と関わるのが嫌になりますし、そんな自分を嫌いになってしまうかもしれません。

怒りが湧いてくるのは、自分の主義を破られるから。だからマイルールの方を緩めてみる。

自分のルールを少しだけ緩める

・待ち合わせ時間までに来るのが望ましい

・待ち合わせに連絡なく5分程度遅れても、許容する

・ 待ち合わせに5分以上遅れるなら、連絡をしてほしいということを相手に伝える

このように、自分が普段相手に対して許せないなと思っていることや、「こうするべき」と強く信じているものに対して、ほんの少し許容範囲を広げてみてください。

“あなたが”あなたを怒らせている。

怒りに対処するには、「怒る原因は他人ではなく、自分である」と自覚できるようになることが大切です。

逆に言えば、「他人が自分を怒らせている」という考え方を持っている限り、怒りはコントロールできないということです。

怒りを生み出しているのは自分である。そのことをまず理解し、自覚することから、アンガー・マネジメントは可能になります。

私たちが、自分の怒りや行動を他人のせいにしている限り、いつも他人に振り回されてしまいます。しかし、どんな人と一緒にいても、自分の行動を自分で選ぶことができれば、他人に影響されにくくなります。

実践:怒りから距離を置く

6秒ルールを活用する

怒りを鎮めるための有名な方法に「6秒テクニック」があります。

怒りを覚えた瞬間に反射的な行動を取らずに、6秒間自分の心の中でカウントします。他には、「相手に悪気はない」とか「大丈夫。自分で自分をコントロールできる」と心の中で言ってみる「マントラを唱える」という手法や、目の前にある時計に意識を集中する、机や床のシミを数えてみるなど、集中力を別の方向に向かわせる「グラウンディング」という手法などがあります。自分に合う方法を試してみてください。

その場から離れる

怒りが湧いたら、頭の中から怒りの原因となるものを一度追い出し、意識を怒りから遠ざける「ストップシンキング」という方法もあります。さらに、それでもうまくいかないという場合は、とにかくその場から離れる「タイムアウト」を取ることもおすすめです。

誰かがあなたを怒らせるのではなくあなたがあなたを怒らせている。それがわかると制御できる。

年を取った後の幸せを決めるのは人間関係である。

年を取っていくごとにだんだん幸せになる人とイマイチ大変になってしまう人がいますが、私は、これには、人間関係を構築する力が大きく影響していると考えています。

どんなにお金や時間があったとしても、人間関係に恵まれていないとあまり幸福にはなれないように思います。逆にお金や時間に多少きゅうきゅうとしていたとしても、人間関係が幸せであれば人生は大体幸せなのです。

では、人生の幸福度を上げるにはどうすればよいのでしょうか。

実は、年齢と幸福度には密接な関係があります。「ハピネス・カーブ」という人生における幸福度の変化を示す研究では、「20代は幸福度が高く、中年期に向かうにつれて低下し、中年期を超えるとそれまでずっと下がってきた幸福度が上がっていく」という統計が出ています。

その中年期の人たちのなかでカーブが下がりっぱなしの人と上がる人の違いは、「他の人や環境に上手に感謝できるようになっているか」です。

結局、私たちは自分ひとりで生きているわけではありません。

自分自身を幸せにしていくために、「自分だけで幸せになる」あるいは「自分と他者との比較で幸せになる」のではなく、ほかの人と自分が共生をしながら一緒に感謝をし合って、幸せを共鳴させていくようなイメージをしましょう。

自分以外の人との協力関係やそれに対する感謝、あるいは物事や環境、ご先祖などを含めて、すべての自分以外の人に対する感謝が重要だという結論に辿り着くと、他者とのつながりが緊密になり、自分の幸福感が増していきます。

私たちが得ているすべての幸せは、自分以外の人が運んできてくれます。

本書を活用して、人間関係の量と質を高め、年々幸せが増幅する人生を歩んでいっていただけたら幸いです。

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