『ピタゴラスイッチ』の生みの親、佐藤雅彦の世界初となる展覧会「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」が6月28日~11月3日、『横浜美術館』リニューアルオープン記念展として開催
神奈川県横浜市の『横浜美術館』で、横浜美術館リニューアルオープン記念展「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」が2025年6月28日(土)~11月3日(月・祝)、開催される。佐藤雅彦氏の40年にわたる創作活動の軌跡をたどる世界初の大規模個展となり、佐藤氏が表現者・教育者として世に送り出してきたコンテンツが一堂に紹介される。TOP画像=計算の庭(桐山孝司との共作/『森美術館』「六本木クロッシング2007」 展示風景)
「作り方を作る」という佐藤氏の思考に迫る
CMプランナーとして手掛けた湖池屋「スコーン」(1988)やNEC「バザールでござーる」(1991)をはじめ、『だんご3兄弟』(1999)や『ピタゴラスイッチ』など、数々の作品を生み出した稀代のヒットメーカーであり、表現者・教育者として知られる佐藤雅彦氏。
佐藤氏の創作の根幹には、「作り方」「分かり方」についての独自の理論やアイデアが蓄積されている。本展は、佐藤氏の多様な作品の創作プロセスを紹介するもの。その独創的なコミュニケーションデザインの考え方や理論をひもといていく。
「作り方が新しければ、自ずとできたものは新しい」(佐藤氏)。あらゆる物事にじっくりと対峙すること、自分なりの考え方を整理整頓すること、そこから表現を生み出すことの大切さ、面白さ。それらが、作品を通して伝わってくる展示となりそうだ。
世に送り出されたさまざまなコンテンツが集結
「『作り方』とは、世界の観察の仕方、ものごとの解釈の仕方、考えの整頓の仕方など、ものを『作る』以前にある、あらゆる思考をめぐる佐藤雅彦流のメソッド、とも言えるでしょう。ものごとを自分なりに捉え、それをいかに伝えるかを考え、そして分かるように/もっと分かりたくなるように表現する——佐藤の活動は、表現者である以前に教育者である佐藤の資質と志向をよく映し出しています」(佐藤雅彦展企画・松永真太郎氏)
そして、それは「分かる」にとどまらず、新しい行動や思考へと促す「コミュニケーションデザイン」でもあるという。
作品に触れたあと、自分ならではの作り方や考え方についても思いをめぐらしたくなりそうだ。
開催概要
横浜美術館リニューアルオープン記念展「佐藤雅彦展 新しい×(作り方+分かり方)」
開催期間:2025年6月28日(土)~11月3日(月・祝)
開催時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木
会場:横浜美術館(神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1)
アクセス:JR根岸線・横浜市営地下鉄ブルーライン桜木町駅から徒歩10分、横浜高速鉄道みなとみらい線みなとみらい駅から徒歩3分
入場料:一般2000円、大学生1600円、高校・中学生1000円、小学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方と介護の方1名は無料。
【問い合わせ先】
横浜美術館☏045-221-0300
公式HP https://yokohama.art.museum/exhibition/202506_satomasahiko/
取材・文=前田真紀 画像提供=横浜美術館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。