洗脳なのか、純愛なのか、消しゴムに込められた想い。そして不安や不穏感強め恋愛?映画『恋に至る病』
毎週・木曜日の25:30から北海道・札幌のFM NORTH WAVE(JFL系)で放送されている、矢武企画制作・映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!
キャプテン・ポップコーンこと矢武企画・矢武兄輔が、映画の情報はもちろん、映画に関係するまちの情報、映画がもっと近くなる内容をお届けします。
映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。
この記事では10月30日(木)に放送した番組内容をお届けしています。 進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。
【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画
カツオ節のゆーへい、どきどきっ映画くじ #79
このコーナーは、年内の劇場鑑賞·100作品を目指す鰹節ノ富樫政雄商店・ゆーへいさんに、映画館での劇場体験を。そして、クジで引かなければ、観なかったであろう映画を運命的にマッチングするコーナーです!!
映画『恋に至る病』
内気な男子高校生・宮嶺と学校中の人気者・景。不器用で一途な初恋、ふたりが交わした約束。
「どんな私でも守ってくれる?」
しかし、同級生の不審死が続発し、宮嶺は景に対して疑惑を抱く。
「もしかして君は、僕のために人を殺したの?」
殺人犯へと変わりゆく景。それでも、宮嶺の気持ちは変わらない。やっぱり僕は君が好きだ。切なすぎるラスト4分《彼女の本心》が明かされる。
TikTokで200万回再生され、大反響を呼んだ衝撃の恋愛小説を実写映画化。監督は『月の満ち欠け』(22)の廣木隆一。アイドルグループ「なにわ男子」の長尾謙杜と『ゴールデンカムイ 網走監獄襲撃編』(26)の山田杏奈の共演。
ゆーへい:物語の中で描かれるクラスメイト同士の関係性には、最初から違和感がありました。転校してきた宮嶺と、クラスの中心的な存在である景、そして周囲の生徒たち。その距離感は自然な友人関係とは異なり、どこか均衡が崩れたような、不穏さを含んだものでした。その背景には、「ブルーモルフォ(青い蝶)」と呼ばれる“自殺教唆ゲーム”の存在に、“生まれ変わり”を象徴する蝶のメタファーが重なることで、クラスの中に、不自然な関係性が形作られているように感じました。
また、善悪の境目が曖昧な世界観で、劇中で景が宮嶺にかける「どんな私でも守ってくれる?」「私のヒーローになってくれる?」という言葉は、どこかマインドコントロールに近い印象を受けました。そのため、ただの友情や恋愛ではない、依存に近い関係性が描かれていたと感じました。
ゆーへい:象徴的に登場する“消しゴム”に込められた思いは、洗脳なのか純粋な愛なのか。そこが本作の大きなテーマになっているように思います。
そもそも、景はなぜ宮嶺に近づいたのか。その理由をどの視点で読み取るかによって、この映画の印象は大きく変わると思います。
矢武:恋愛映画という触れ込みではありますが、一般的な恋愛映画とはかなり異なる印象でした。観ていて心が温かくなるというより、不安や不穏さを強く感じる作品だったと思います。
映画『恋に至る病』(PG12)はTOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、江別、釧路、北見で10月24日(金)から絶賛公開中です!