【その熱中症対策で大丈夫?】静岡県で今週、各地で真夏日・猛暑日を記録。即効性のある対処法、暑さに耐えられる体を作る暑熱順化とは?
例年、梅雨の晴れ間に発症する人が増える熱中症。静岡県内でも今週、気温が30度以上の「真夏日」や35度を超す「猛暑日」がありました。「熱中症かも…」と思った時に慌てないために、即効性のある対処法や、暑さに強い体を作る「暑熱順化」について、改めておさらいしておきましょう。
※このコンテンツは、さまざまな気になる症状や病気について気軽に調べることができる症状検索エンジン「ユビー」に寄せられた質問から抜粋、要約しているほか、一部加筆しています。
<目次>
・熱中症とはどのような病気?
・重症化しやすいのは…
・顔色の変化を見逃さないで
・即効性のある対処法
・市販の解熱剤を飲んでも大丈夫?
・「暑熱順化」で暑さに耐えられる体づくりを!
熱中症とはどのような病気?
高温多湿な場所に長くいたり、その環境下で運動や労働をしたりすると、体温が上がって体温調整が効かなくなることがあります。この状態を原因とする諸症状のことを「熱中症」と呼びます。軽症の場合はめまいや立ちくらみなどで済みますが、中等症では頭痛や吐き気、重症化すると意識障害、けいれんなどを引き起こします。
重症化しやすいのは…
特に重症化しやすい高齢者や持病のある人は、熱中症を起こさない対策が重要です。特に高齢者では、トイレや入浴など身のまわりの動きが困難で、普段あまり動かない人、心疾患などの持病がある人は、熱中症による死亡率が高いとされるので注意が必要です。
顔色の変化を見逃さないで
熱中症の初期段階では顔色が赤く見えますが、重症化すると青白く見えるようになります。初期では体が体温を下げようと働き、皮膚表面近くの血管を広げて、熱を体外に逃がそうとします。そのため顔が平常時より赤く見えるのです。
ところが脱水症状が進んで血液の量が減ってくると、体は心臓や脳など重要な臓器に血液を集中させるように働きます。そのため皮膚への血液供給が後回しになり、その結果、顔が青白く見えたり唇が紫色になったりします。 このような症状は体が危険な状態に陥っているサインなので注意深く観察して見逃さないようにしましょう。
即効性のある対処法
即効性があって自分でできる対処法として最も大切なのは「早急に体温を下げる」こと。以下の方法が効果的です。
1.涼しい場所に移動
直射日光を避け、日陰やクーラーの効いた室内など涼しい場所に移動する。風通しの良い場所で安静にし、体を冷やす。
2.大きな血管がある部位を冷やす
脇の下、首、足の付け根など、大きな血管が通る部位を冷たいタオルや氷で冷却。冷たいシャワーや水浴びも有効。濡れタオルや霧吹きで体をぬらし、扇風機などで風を当てるのも効果的。
3.水分補給
発汗で電解質が失われているため、塩分(ナトリウム)が含まれているスポーツドリンクや経口補水液などの摂取が理想。
4.衣類は脱ぐまたはゆるめる
締め付けの強い衣類は脱いだりゆるめたりして、体表面からの熱放散を促す。
これらの対処法を行っても症状が改善しない場合や、頭痛、吐き気、意識障害が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
重症化すると迅速な治療が必要になるので悪化する前に早め早めの対応を心がけましょう。
市販の解熱剤を飲んでも大丈夫?
熱中症による発熱に対しては、市販の解熱剤はあまり効果的ではないかもしれません。解熱剤は体が熱を出そうとするのを抑える働きをしますが、熱中症は外気温で体温が上がっているからです。
ただ、頭痛のような痛みに対して鎮痛薬は効果があるかもしれません。
「暑熱順化」で暑さに耐えられる体づくりを!
近年よく耳にする熱中症対策として、「暑熱順化」(しょねつじゅんか)があります。体が暑さに慣れることを意味し、これができないと熱を体外に逃すことができず、熱中症のリスクが高まります。
普段から無理のない範囲で湯船に浸かる入浴や半身浴、ウォーキング、サイクリングなどの軽い運動で、汗をかける体を作っておくことを心がけましょう。
■出典元:熱中症 ユビー病気のQ&A