上には古株、下からはAIが・・・新人声優の愚痴!
宮藤官九郎さんがいろんな職業の愚痴を聞く番組。
12月20日の放送は、新人声優の愚痴!
・F澤さん(藤澤さん)
・K倉さん(門倉さん)
F:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、シンプルに、ライバルが多すぎると思います。
宮藤:なるほどね。まあどこの業界もそうですよね。「なんであの人たち退かないんだ!」っていう人はいますよね。
F:いやあそうですね。やっぱりアニメとかのナレーションもそうだし、吹き替えっていうのも、基本的にやっぱりオーディションっていうものがあって。やっぱ限られた枠をみんなで奪い合うっていうことが基本だと思うんで、それに比べてやっぱり受けてる人がめちゃくちゃ多いんで。あとはやっぱり声の芝居っていうところで「若い役=若手」じゃない!ってっていうところがあるので。役によっては、もう1年目の後輩から、何十年の大先輩と戦う機会もあるってことで。
宮藤:ああ~そうか。
F:でも、取らなきゃいけないっていうところがすごい難しいなと思います。
宮藤:基本オーディションなんですか?
F:やっぱり基本はオーディションですね。
宮藤:もう使命っていうのはないんだ。もう全然上の人になってから?
F:新人がやるには、行って知ってもらって、こういうのできるよねっていうところから、ちょっと声かけてもらったオーディションが増えたりとか、そういうきっかけがないと、やっぱり急には厳しいかなと思いますね。
宮藤:そこで、どういう心がけというか、どういう気持ちで臨んでますか?
F:僕は、作品はまず読めるものは全部読むようにしてて。やっぱ情報は欲しいなっていうので、何て言われてるかわかんないですけど、選ぶ人側もやっぱり「どういうキャラなんだ」って知ってた方が「わかってんな」って思ってくれる機会も増えそうだしっていうところと。あとは「自分の声を最大限生かせるように作る」っていうところで、抜粋されたセリフとかを言うことが多いと思うんですけど、ここで僕の声だったらどういう演技ができるかなとか。
宮藤:ああ~!自分の声をじゃあ知ってなきゃ駄目だね!自分の声の性質とか、出し方っていうか。何か言われたときに「こういうふうに答えなきゃいけない」「もっと若く!って言われたらこういうふうに出す」とかっていうことを訓練しないといけないってことだ。
K:宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど、AIが参入してきて、将来がちょっと不安です。
宮藤:それはでも、AIでできちゃうってことですか?
K:そうですね。ナレーションの仕事をさせていただいてるんですけど。あらかじめディレクターさんの声が入ったものを、映像としていただくことがあるんですけど、その音声がもう、自動音声で入ってきてたりとか。あとは番組ナレーションの方でも、仮ナレーションみたいな感じで尺を見るために、あらかじめディレクターさんの声が吹き替えられたものが入ってたりするんですけど、それも新人の仕事ではあるんですよ一応。
宮藤:本当は。本来は。
K:本来は。それがもう、AIで入ってきているっていう自動音声に近いですかね。に入ってきてるので、その10年後また15年後この先どうなっていくのかなっていう漠然とした不安はありますね。
宮藤:もう取って代わられるところはあるかもしんないですよね。何しろ声だけだから。
2人:そうですね…
宮藤:上には古株の先輩がいる。
2人:笑笑
宮藤:下からはAIが攻めてきている。
K:そうですね笑 もうAIだけじゃなく、他にもいろいろ・・・
宮藤:結構大変な、茨の道ですね。
K:そうですね。いかに自分の付加価値をつけるといいますか。今後それが大事になってくるかなとは・・・
宮藤:そうするともう、もう出ていくしかないですね。もう顔を出していくしかないっていう。ライブとかっつって皆さん歌われるじゃないですか。それでワッと熱狂するじゃないですか。あれはやっぱ、本来顔出さない人たちが出てきたからじゃないですか。
F:そうですね。
宮藤:もう、そこまでは来てるんですよね、きっとね。
K:そうですね。やっぱりリアルイベントというか、生で登壇する声優さんを見た方が。
F:なんか、それありきじゃないですけど。やっぱりそれもある上でっていうのが普通になってきてるような気はしますね。
(TBSラジオ『宮藤さんに言ってもしょうがないんですけど』より抜粋)