カヤック、FC琉球と企業向け人材出向プログラムを開始 Jリーグクラブの運営業務を体験できる
面白法人カヤック(神奈川県鎌倉市)は12月17日、プロサッカークラブ「FC琉球OKINAWA」を運営する琉球フットボールクラブ(沖縄県沖縄市)と連携し、企業向け人材出向プログラム「面白レンタル移籍(他社留学)」を開始すると発表した。このプログラムでは、出向元企業の社員が一定期間、FC琉球やカヤックで働きながら、沖縄の地域社会やビジネスに貢献し、新たな経験や視点を得ることができる。
「面白レンタル移籍」で沖縄のコミュニティやJクラブ運営を体験する
「面白レンタル移籍」は、社員が所属企業を離れ、カヤックやFC琉球で働くプログラムである。サッカーの「レンタル移籍」をモデルとしており、出向者は沖縄の地域コミュニティやJリーグクラブの業務を体験し、多様なビジネス経験を積むことができる。このプログラムを通じ、出向元企業は社員の成長を促し、新たな視点やネットワークを事業に活用できる。一方、出向先であるカヤックやFC琉球にとっても新しい価値の創出が期待されている。
プログラムの特徴は以下の通りだ。
沖縄の地域コミュニティとの連携
FC琉球は自治体や地域企業と連携し、地域課題の解決や教育プログラムの提供など、地元密着型の活動を行っている。出向者は地域事業を通じて、コミュニティとの連携方法を学ぶことができる。
Jリーグクラブの運営ノウハウを経験
FC琉球では、スポンサー営業や試合運営といったJリーグならではの業務を経験することが可能だ。具体的には、スポンサー契約の提案営業や年間20試合以上のホームゲーム運営が含まれる。
カヤックの独自の企業文化を体験
「面白法人」として知られるカヤックでは、サイコロの出目で給与が決まる「サイコロ給」などユニークな制度を体験することができる。また、同社の、「地域資本主義」を掲げ地域の自然や文化を企業価値として活用する働き方を学ぶことも可能だ。
企業連携で地域振興を実現
カヤックは創業以来、「つくる人を増やす」という経営理念の下、地方創生やコミュニティ活性化を事業の軸としてきた。一方、FC琉球は「沖縄とともに、強くなる。」という理念を掲げ、サッカーを通じた地域振興を目指している。両社は2024年2月に資本業務提携「面白パートナーシップ」を発表予定であり、今回のプログラムはその第一弾として企画された。
同社代表取締役の柳澤大輔氏は、「さらなる地域振興を実現するためには、私たちだけでなく、他企業との協力が不可欠です」とコメントし、企業の枠を超えた連携の重要性を強調している。
なお、他社からカヤックへの出向事例として、三菱UFJ銀行の社員がカヤックの「ちいき資本主義事業部」や「投資事業部」で活躍した実績がある(2022年〜2024年)。今回のプログラムも、多様な企業や業種からの参加を想定しており、沖縄の地域事業やサッカービジネスの新たな可能性を広げることが期待されている。
今回のプログラムは「越境学習」と呼ばれ、普段の勤務先や職場を離れて、異なる環境で仕事や学習を行うことで、新たな視点や視野を得る人材育成手法のひとつ。月刊総務オンラインでは、これまでにイード(東京都中野区)が提供する「複業留学」や野村證券の企業間人材移籍サービスなどについて取り上げている。
プログラムの詳細や応募方法は、カヤックの公式リリースで確認できる。