特定外来生物「コクチバス」を釣って駆除する大会が開催される 清流に住むバスは美味!
各地の河川で問題になっている外来生物「コクチバス」。駆除を兼ねた釣り大会が開催されています。
カッコいい!けど厄介すぎる特定外来生物
生態系や経済活動に悪影響をもたらすことから取り扱いが厳しく規制されている特定外来生物。その代表ともいえる「ブラックバス」の一種がいま、日本各地で大きな問題になっています。
その魚とはコクチバス。スモールマウスバスと英語名で呼ばれることも多い魚です。
コクチバスは我が国で最も知名度のあるブラックバスであるオオクチバス(ラージマウスバス)と比べ名前の通り口が小さく、頭身が高く体高もあります。そのためとてもかっこいい魚で、釣り味の良さもありスター扱いされています。
しかしオオクチバスよりも低水温に耐える力があり、遊泳力が高く魚食性が強いという性質から、より大きな漁業被害をもたらしています。かっこいいけど厄介な魚なのです。
コクチバス釣り大会が開催される
そんなコクチバスに関して先日、とあるユニークなイベントが開催されました。会場となったのは、コクチバスによるアユの食害が問題となっている三重県の櫛田川です。
ここで行われたのは「櫛田川スモールマウスバス釣り大会」。しかし一般的なバス釣り大会では「キャッチアンドリリース」がマストとなっているのに対し、この大会ではリリースせず、締めてキープすることが条件となっています。
さらにコクチバスのハント方法も、一般的にバス釣りで用いられるルアー釣りに限らず「餌釣り」「投網」なども漁協の許可を得て可能となっていました。
ルール上許されたあらゆる方法でコクチバスのハントが行われるこの大会、目的は「コクチバスの駆除」なのです。
釣ったバスは美味しく食べる!
大会当日は前日までの雨の影響で河川が増水しており、ルアー釣りはなかなか難しいシチュエーション。そのため全体の釣果は前年比で減ってしまった一方、餌釣りの参加者によってランカークラスのコクチバスが数多く釣り上げられました。
2尾の合計長寸で順位をつけるというルールで開催されたのですが、優勝者の記録はなんと2尾合計100.5cm。スモールマウスバスでは相当レアな50cmアップが漁獲されています。
そしてこれらのコクチバスは、参加者それぞれが持ち帰り美味しく調理され、食卓を彩ったといいます。櫛田川の綺麗な水の中で育ったコクチバスは味がよく、淡白ながらも魚らしい味わいでどんな調理法でも美味しく食べられたそうです。
<脇本 哲朗/サカナ研究所>