「推し活」やファンの気持ちを、より身近に感じるようになった半年間──「らしんばんラジオ」2025年6月パーソナリティ・山下誠一郎さんインタビュー|「“好きだったもの”は永遠だと思うんです」
中古アニメグッズの買取や販売で知られるアニメショップ「らしんばん」。現在、店内でのお買い物がもっと楽しくなる「らしんばんラジオ」が、各店舗で放送中です!
ラジオでは、パーソナリティによる自由なトークに加え、らしんばんにちなんだバラエティ豊かなコーナーや、買取についてわかりやすく解説するコーナーなどをお届けしています。
2025年1月〜6月のパーソナリティは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のエグザベ・オリベ役、『華Doll* -Reinterpretation of Flowering-』の結城眞紘役、『戦隊大失格 2nd season』の浦部永玄役などで知られる山下誠一郎さんです。
パーソナリティ最終回の収録を終えた山下さん。本ラジオを半年続けてきたことで、リスナーからの嬉しいお便りがたくさん届いたご様子。ご自身の推し活に関する近況報告も交えつつ、これまでの「らしんばんラジオ」の思い出を振り返っていただきました。
最終回ならではのエピソードが盛りだくさんとなった、収録後インタビューをお届けします!
【写真】「らしんばんラジオ」声優・山下誠一郎インタビュー|’25年6月パーソナリティ
半年間でエプロンの似合う男に成長!
──今回の収録で「山下誠一郎のらしんばんラジオ」も最終回となりました。
山下誠一郎さん(以下、山下):“ふつおた”のコーナーでは、リスナーさんから「お疲れさまでした」など、温かいお言葉をいただきました。「山下さんがきっかけで、らしんばんに行くことが増えました」や、「掃除をしたら昔の好きだったグッズが出てきたので、うまく活用しようとらしんばんさんで買取をしました」というお便りもいただいて、とても嬉しかったですね。
「らしんばん」はグッズを買うお客さんも、売りたいお客さんも、どちらも幸せになれる良い場所だな、と改めて感じました。
──ちなみに、「山下誠一郎のらしんばんラジオ」初回放送分収録後のインタビューでは、「半年間でエプロンが似合う男になれたら」とおっしゃっていました。
山下:確かに写真を見返してみると、初回の撮影より(市川)蒼くんがゲストに来た時の写真の方が、様になってる感じがしますね。
普段はエプロンを着る機会は中々ありませんが、蒼くんが隣にいたこともあって、緊張も解けて楽しく写っていたのではないかなと! 「エプロンを着こなす」という目標は成し遂げられたと思います。
──ちなみに、お料理に使うエプロンは着用されましたか?
山下:この半年も、料理はあまりしなかったですね。らしんばんさんのエプロンしか着けていなかったかも(笑)。
──(笑)。ということは、炊飯器も未使用だったり?
山下:掃除だけはしているので、綺麗な黒いオブジェが輝いています。料理と言うと、お肉を焼いたりはしたんですけどね……。料理でエプロンを着けている僕は、別の世界線にいると思いますので、許してください(笑)。
──次の半年間で、「料理のエプロンが似合う男」になるかもしれないですよね!
山下:もしかしたら今後そうなるかもしれないですよね。頑張ります!
VTuberに特撮などなど。広がる“好きの輪”
──「らしんばんラジオ」ではこれまで、山下さんの「好き」をたくさん語っていただきました。最近の「推し活」の調子はいかがですか?
山下:推し活とは少し違いますが、以前、他のラジオに出演する時にアンケートで好きなものを聞かれたので、ついに「VTuber」と書きました!
──ついに!
山下:「お馴染みの~」みたいなノリで、大きく書きましたね(笑)。最近はあまりライブやイベントには行けていませんが、自分の好きなことを発信したり、ラジオで話したり、話題を振っていただく機会が増えました。その結果、「実は、私も好きなんです!」と言っていただけることも多々あって。
──そうして“好きの輪”が広がっていくのですね。
山下:例えばアニメや声優さんが好きという人同士であれば、「推しが同じ」ということがきっかけで仲良くなることがあると思います。それはもちろん僕も同じで、好きなものを機に話が弾むなんてことも、よくあるんですよね。
だからこそ、「好き」を発信する機会が大事だし、ありがたいなと思います。“口に出すことの大切さ”を、「らしんばんラジオ」で改めて感じました。
──山下さんの「好き」と言うと、外すことができないのが「スーパー戦隊」や『メタルヒーロー』のお話かと思います。
山下:そうですね。「らしんばんラジオ」以外で『メタルヒーロー』を語ることは、これまでなかったことなので、ガッツリと語ることができて楽しかったです。男女問わず、様々な方から「山下くんがめっちゃ懐かしい話しとる!」という声もいただきました。多くの方に聞いていただけて嬉しかったです。
──作品のファンとしても、嬉しい反響の声ですね。
山下:そうなんです! 「俺と同じ作品を見てたんや」「あたしと好きなものが同じや」という声が最近増えた気がします。
……あと、「玩具の変身ベルトを分解した」というお話をしたのですが、この前エゴサをしたら、「ベルト分解してて笑った」みたいなSNSの投稿があって(笑)。僕がわざと改造をしたように受け取られていましたが、違いますからね! 不意に外れただけですからね!
──あくまでも意図せず、だったんですね!
山下:積極的にネジを外したり、ハンダゴテをいじったりするような子ではなかったですよ! これは今回(6月放送分)のラジオでも弁明しました(笑)。
──最近の「特撮」関連の推し活におけるエピソードはありますか?
山下:現在放送している『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』ですが、まだ最新話まで追えていないんですよね……。『仮面ライダーガヴ』は最新話まで追いついたので、『ゴジュウジャー』も早く見たい!
山下流・選択術「しっくりこない方を選ばない」
──「山下誠一郎のらしんばんラジオ」では、日常的な話題も多く展開されました。印象に残っているエピソードはありますか?
山下:やはり蒼くんが来てくれた4月放送回は、色々なお話で盛り上がることができて、印象に残っています。
『モンスターハンター』について、蒼くんからゲームの楽しいところや特徴を聞くのが面白かったですね。自分のことは普段のラジオでたくさんお話しさせていただいていましたが、ゲスト回は特別な雰囲気があって、また違う面白さがありました。
──次に、全放送回で皆勤賞となったミニコーナー「山下誠一郎の日常!」についてもお伺いできればと思います。
山下:今回のテーマは梅雨とかけた「to you」でした。最後の最後で作家さんの遊び心が出ていたなと(笑)。
6月は梅雨の時期ですし、「雨の日はどう過ごす?」「傘を含めた雨の日のファッション」のような日常トークをしましたね。こだわってオシャレな傘を買ったら、雨の日もちょっと楽しいよね、というお話をしました。
──「せいちの未来日記」のコーナーでも、梅雨にちなんだトークテーマがありましたね。
山下:「出かける予定だったが雨が降っていた時、外に出るか、お家で過ごすか?」という選択問題でしたね。僕は雨の日はお家にいがちで、あまり出かけることはないんです。今年のゴールデンウィークもそうでした。
──今回の「せいちの未来日記」は、“選択”をテーマにトークが展開されました。山下さんが、普段何かに迷った時に物事を決めるコツや、考え方について教えてください。
山下:僕は、最終的に直感を信じることが多いので、直感でピンと来た方を選びます。「しっくりこない方を選ばない」と言う方が分かりやすいかもしれないです。上手く言語化できないのですが、「こっちの方が好きだな」と思った時は、意外と正しいということがある印象です。
一般論や、周りに流されて選択したことについては、責任感を持ちづらいこともあるじゃないですか。好きではないのにやらされている習い事、のような……それは、自分で決めていないからだと思うんです。
だから僕も、自分で決めたことはやってみよう、続けようと思うことがたくさんあります。すぐには行動できなくても、思っていたこと、ずっとしたかったことに関しては、あながち間違っていない気がするんですよね。
──なるほど。
山下:何かを選ぶ時には、直感を信じてあげることを意識しています。その上で、あまりに無計画だったり、現実的でなかったりしたら、さすがに行動しませんが……。直感が働いたからと言って、自分の給料の何倍もある高級なものを買うとか、免許もないのに高級外車を買うとかは違うじゃないですか(笑)。
そんなバランス感は持ちつつ、あくまで無理のない範囲の中で直感を大事に選択しています。
──逆に、直感で選択を変えることもあるんですか?
山下:ありますね! 電車の方が早いけれど、ふと思い付いて「今日は歩いて帰ろうかな」みたいなこともあって。そうして歩いていた結果、大事なことがパッと浮かんだりするんですよね。
これからは一人の「らしんばん」ユーザーに
──改めて、半年間のパーソナリティ期間、ラジオ収録、お疲れ様でした。
山下:ありがとうございます。……「らしんばんラジオ」と言えば、「耳をすませば・アナザースカイ」の即興劇コーナーがあるじゃないですか。ほぼ大喜利の(笑)。
──(笑)。そのコーナーも今回で最後となってしまいました。
山下:「終わった! やった!」という気持ちもありつつ、どこか「アレ? そうか、もう二度と『セイチージャー』に会えないんだ……」という気持ちもあって。半年間「セイチレッド」を演じていたので、ロスを感じてしまいそうです。
──ちなみに、今回のエチュードはいかがでしたか?
山下:最後まで苦しめてくれましたね(笑)。今回は特に“即興”を大事にしようと、本当に今日現場に来るまで、「耳をすませば・アナザースカイ」収録回の台本だけ見ずにいたんです。そうして収録に臨んだら、最後の最後にエモいお題が用意されていて面白かったです。
──お題は「主演・セイチージャーレッド役の山下誠一郎さん、初日舞台挨拶での一言」でした。
山下:特撮の王道として、「僕と握手!」と言って終わりました。いつも通り一言ではありませんでしたが、楽しくやらせていただきました。
──また、恒例の「イケボ」で応えるお題も用意されていました。
山下:最後までふざけてしまいました。やっぱり「イケボで」と言われると、恥ずかしくなってしまいますね(笑)。
改めて、店内でお買い物をしているみなさまが、どんな気持ちでこのコーナーを聞いていたんだろうと考えると、ちょっと不思議な気持ちになりました。自分で自分の声を聞くと恥ずかしさが勝ってしまうので、放送終了となった7月以降に、また店舗に出向かせていただきます。
──次のパーソナリティの方が「耳をすませば・アナザースカイ」でどのような即興劇をしているかなど、パーソナリティを経験されたからこその楽しみ方ができるかもしれません。
山下:ですよね! 「耳をすませば・アナザースカイ」で苦しんでいる様子を聞いたら、店内でニヤニヤしてしまうかも(笑)。
でも、その人がめちゃくちゃ上手に対応していたら「俺には才能がなかった!(泣)」って店内で泣き崩れると思います。本当に楽しいコーナーでした。
──半年間のパーソナリティ期間で掴んだ、「耳をすませば・アナザースカイ」のコツを教えてください。
山下:良くも悪くも自分しかいないので、何をやっても許される気がしていて。お題では“〇〇なときの一言”と言われているのに、一回も一言で完結させていないし、その後に言い訳もしていましたから……(笑)。
そんなお題や答えを“出し”にして、話題の転換や展開に活かせたらいいんじゃないかな。「セイチージャー」を“出し”に、特撮あるあるについてお話しすることも多くありました。「これこそ、“特撮あるある”じゃないですか! それで言うと……」って。ときにはルールを無視するのも、楽しかったです。
──半年間、このコーナーを戦い抜いたご自身にご褒美をあげるとしたら……?
山下:大喜利の延長戦じゃないですか!(笑)
こういう土壇場での対応は、人を成長させる力があると思っています。僕も心臓に毛が生えて、少しメンタルが強くなったのかなと思いますね。……半年間頑張ったので、「今日この後食う飯は美味いぞ」と。
今日は家に帰ったら「終わったぞ……!」って泣いてるかもしれないです(笑)。7月以降、らしんばんで他の方の「耳をすませば・アナザースカイ」を聞くのが楽しみです。
──最後に、パーソナリティ期間の総括をお願いします。
山下:改めまして、半年間お世話になりました。また、素敵な機会をいただきありがとうございます!
僕自身、この数年で「推し」という存在ができて、推し活をしているタイミングでのパーソナリティ期間となりました。推し活において無くてはならない「らしんばん」という場と縁を持てたことに運命を感じています。
パーソナリティに就任する前は、自分の「好き」を発信することに対して、ためらいを感じていたこともありました。でも、いざ「好き」を口に出してみたら、今回のラジオをはじめ、様々なご縁が生まれて。
──そこから“好きの輪”が広がるというお話もありましたね。
山下:「山下さんのラジオ出演を機に、らしんばんに行ってみた」「店舗に行く回数が増えた」「買取もやってみた」など、SNSの反応やラジオへのお便りをいただいて。店舗で聞いてくださった方からの反応も嬉しかったです。
そうして、同じ「好き」を持つ人たちと繋がることができて嬉しかったですし、甲斐があったなと思います。「らしんばん」はみんなが幸せになれる、幸せの循環が生まれる、素晴らしい場だなと改めて感じました。
ラジオ内でもお話ししましたが、“好きだったもの”は永遠だと思うんです。事情があって、やむを得ずグッズを手放すことがあっても、それが今必要な人の手に渡る。その作品を好きになるタイミングは人それぞれですから、このような循環を生み出しているらしんばんさんの存在は尊いものだなと思います。
「らしんばんラジオ」を通して、推し活やファンの人の気持ちをより身近に感じるようになって、様々な気付きを得ることができました。拙い喋りではありましたが、「好き」を伝えられる場を半年間ご用意いただき、本当にありがとうございました。
また、らしんばんさんにご来店いただいた皆様にも感謝申し上げます。……僕自身も半年間店舗に行くのを自制していましたので(笑)、これからは一人の「らしんばん」ユーザーに戻って、店内を巡るのを楽しみにしております!
【文:柴田夕日】