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幼稚園で連日の友だちトラブル、気まずいママ友関係に悩み…特別支援学級に就学した今

LITALICO発達ナビ

幼稚園で連日の友だちトラブル、気まずいママ友関係に悩み…特別支援学級に就学した今

監修:森 しほ

ゆうメンタル・スキンクリニック理事

幼稚園でのお友だちづくり。なかなかうまくいかなくて……

長男は幼稚園に入園するまで、同年齢のお友だちがほとんどいませんでした。そのため、幼稚園に入ったら、長男がお友だちづくりに励む傍ら、私もほかのママさんたちと交流を楽しもうと意気込んでいたのですが……。

長男はお友だちと遊ぶことはあまりせず、園庭で砂遊びをするなど、一人で遊ぶことのほうが多いようでした。

お友だちとの関わり方が分からず、トラブルに!

長男はお友だちに全く興味がないというわけではなく、気になるけれど、なんて声掛けをしていいか分からないようでした。お友だちとの関わり方が不器用な長男は、気を引くためにぶつかったり、身体を押したりという行動に出てしまっていました。するとお友だちは怒ったり、泣いたりして先生に報告するので、帰りの時に先生から指摘を受ける日々が続きました。そのたびに私も申し訳なさを感じ、ほかのママさんとの交流を避けてしまうことが多くなりました。

発達に特性があることが分かってから、ママ友関係はさらに悩ましく……

長男の発達に特性があることが分かってからは、余計にほかのママさんたちと距離を感じるようになりました。長男以外は定型発達のお子さんばかりだったので、ママさん同士の会話についていけないことが増えてきました。

直接何かを言われたわけでもないのに、私がいることで会話しづらい部分もあるだろうと考えたり、迷惑を掛けていたらどうしようとマイナスな思考が出てきて、クラスの集まりに呼ばれても断ったり、ますます交流を避けるようになってしまいました。結局、長男が卒園を迎えるまで、ほかのママさんたちと深い交流をすることはできずじまいでした。

安心して付き合える次男のママ友。当時を思い返して

その後、次男も幼稚園へ入園しましたが、今のところ発達に関して気になるところはなく、お友だちとも大きなトラブルはない様子です。長男の時にはいつも不安や申し訳なさが先に立って、安心して交流を楽しむことができなかった私ですが、次男の同級生のママさんたちとは、違った付き合い方をしているなと感じます。

私にとって、少しほろ苦い思い出でもある長男のママ友関係。あの頃は、私も長男と同じように、関わり方が分からなかったように感じます。それはもしかしたら、私もまだ発達障害についてよく理解できていなかったからなのかもしれません。

現在、長男は小学校の特別支援学級に在籍しています。未就学期に児童発達支援を受けたおかげか、お友だちとのコミュニケーションもとれるようになってきました。学童保育でも楽しく過ごすことができているようです。私も長男と共に成長しながら、これから先、また新たなご縁があるといいなと考えています。

執筆/プクティ

(監修:森先生より)
プクティさん、ママ友付き合いの体験談をありがとうございます。1人目のお子さんですとママもすべてが初めての経験ばかりですから、考えすぎてしまったりしてうまく振る舞うことが難しいのかもしれません。

お子さんとお友だちとのトラブルがあったと聞いたら、ほかのママとコミュニケーションを取るときも、関わり方が分からず緊張してしまいますよね……。お互いにどんなことを考えているかよく分からないと、コミュニケーションを取る時に不安になったり緊張してしまいますよね。

お子さんがお友だちとトラブルになってしまったときは、お子さんと一緒にお友だちとそのママに謝って、「ごめんね、お友だちと仲良くしたくてぶつかっちゃったんだ。今度からは遊ぼうって言えるようにするね」と気持ちを伝えるようにしてみると、相手も安心できますし、お子さん自身も自分の気持ちやお友だちとの付き合い方を学ぶきっかけになるかもしれません。

ただ、言うは易しで、実際に声を掛けることはとっても勇気が要ることですよね……。お子さんに発達障害があることが分かると、「この悩みを抱えているのは自分だけなのでは……?」と感じてしまって、さらに孤独に陥ってしまうママは少なくありません。

でも、実は、発達に偏りがあるかどうかにかかわらず同じような悩みを抱えているママはとっても多いのです。楽しそうに話しているママたちが目立っていて自分だけが輪に入れていないように思われるかもしれませんが、実際には1人でいるママもいるでしょうし、育児やママ友づくりに悩んでいるママもきっといるはずです。お子さん自身も初めての経験、ママも初めての経験に戸惑いながら、一緒に成長していくのでしょうね。

今ではママ友付き合いも安心してできていて、お子さんも楽しく過ごすことができているとのこと、とっても素晴らしいですね。これからもプクティさんとお子さんが一緒に楽しく過ごすことができるように願っております。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

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