金魚すくいの金魚を長生きさせる方法 秘訣は<最初の1週間にあり>?
“金魚すくいの金魚はすぐに死んでしまう”なんてウワサを、一度は聞いたことがあるかもしれません。
ですが、これは大間違い! お家に連れて帰ってからのストレス期さえ乗り越えれば、金魚はすくすく元気に育ちます。
そこでこの記事では、金魚すくいですくった後の金魚のケアについてご紹介します。
金魚すくいの金魚が死んでしまうのはストレスのせい
金魚すくいの金魚がすぐに死んでしまう原因として大きな影響を与えるのは、「人間が与えるストレス」にあります。
金魚すくいの対象となっている間は常に追い回され、すくわれてからも、家に着くまでの移動を小さなビニール袋の中で過ごさなくてはいけません。
また、金魚すくいの桶にはたくさんの金魚が泳いでいるため、さまざまな病気や寄生虫を保有している可能性も考えられます。
元気のない金魚をすくってしまうと、家に着いた後ますます体調を崩してしまう恐れがあります。そこで、金魚すくいではなるべく元気に動き回っている金魚を狙うようにしましょう。
ひれや尾びれがピンとしているか、体を頻繁に擦り付けていないかなどもチェックしておくとより安心です。
なお、金魚すくいをしたあとは、金魚が酸欠にならないよう、すぐに帰宅するようにしてくださいね。
突然飼育することになった場合の緊急対処法
金魚は思いがけず飼育することになるケースがとても多い生き物なので、水槽や飼育水の準備をしていないままお迎えしてしまった……なんてこともよくある話です。
金魚すくいの金魚は「小赤」と呼ばれる小型サイズの和金がほとんどなので、水槽はバケツや深めのボウルで代用できます。ただし、水面からより多くの酸素を取り込ませるため、容器を密封しないようにしましょう。
飼育水は水道水を使用できますが、あらかじめ塩素を取り除く必要があります。市販のカルキ抜き剤があると便利ですが、浄水器の水や汲みおきした水(晴天時の屋外であれば半日ほど)でも大丈夫です。
最初の1週間は「塩水浴」で体調を整えよう
飼育開始から1週間は、「塩水浴」と呼ばれるトリートメントを行いましょう。
塩水浴とは、0.5パーセントの食塩(1リットルの水に対して5グラムの食塩)を入れた飼育水で泳がせる療養方法で、病気やストレスから回復する効果を期待できます。
塩水浴中は水質を維持するため、毎日水換えをするようにしてくださいね。
なお、先住の金魚がいる場合、同じ水槽内でトリートメントを行うのはNG。持ち帰った金魚が病気や寄生虫に感染している可能性があるので、検疫のためにも必ず仮の水槽を使ってトリートメント期間を設けましょう。
水槽に入れる際は慎重に 「水合わせ」をしよう
金魚をいきなりビニール袋から水槽へ放してしまうと、水温や水質の変化に対応しきれず、ショック症状を起こしてしまうことがあります。
最悪の場合には突然死を招く危険もあるので、金魚を水槽へ移すときは、必ず事前に「水合わせ」を行いましょう。
まず、袋内の水と水槽の水の温度を合わせるため、金魚の入った袋を水槽に30分~1時間ほど浮かべます。
その後、袋の中に水槽の水を少しずつ注ぎながら、水質を合わせていきましょう。最後に、金魚のみを水槽内へ移して水合わせ完了です。
3日間の絶食 順次エサの量を増やす
金魚は消化不良を起こしやすい生き物なので、飼育開始から3日間は絶食させましょう。新しい環境に慣れてないうちにエサを与えると、うまく消化できずお腹を壊してしまいます。
4日目の朝に1粒、その後は様子を見ながら少しずつエサの量を増やしていき、最終的に1日2回、2~3分で食べきれる量を目安に与えるのが理想です。
なお、金魚は絶食に強く、2週間前後エサを食べなくても健康に問題ありません。絶食期間中に金魚がエサをねだって近寄ってきても、ぐっと我慢してくださいね!
金魚は15年以上も生きる長寿の魚
金魚すくいでお馴染みの「和金」の寿命は、一般的に約10~15年と言われています。
2025年1月現在のギネス記録に認定されている金魚の最高齢は、イギリスの夫妻が飼っていた和金で、なんと43歳! さらには、記録には載っていませんが、45歳の金魚がいたことも報告されています。
もちろん、金魚すくい出身だからといって、寿命自体に違いはありません。金魚に健康で長生きしてもらうためにも、金魚すくいですくった後の金魚のケアを、ぜひ実践してみてくださいね!
(サカナトライター:わかめ)