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チアリーダー菊池桃子と「潮風ドライヴ」しよう!シーサイドで聴きたいシティポップの決定版

Re:minder

2025年07月23日 コンピレーションアルバム「潮風ドライヴ〜SUNSHINE DRIVE~」発売日

カセットテープに自分だけのオムニバス


2022年7月、今から3年前におすすめシティポップ【夏の夕暮れチルアウト編】カセットテープで聴くドライブソングというコラムを書いたことがある。夏の夕暮れに似合う楽曲をセレクトして、疑似カセットテープのコンピを作るという企画だ。

お気に入りの曲をレコードからカセットにダビングして、自分だけのオムニバスを作ることは、1980年代に青春期を過ごした音楽ファンなら誰でもやっていたことだろう。カセットテープの収録時間ギリギリに収まるように曲のサイズを計算したり、B面の最後にはバラードを選んだりして、命を削る思いでオリジナルのテープ作りをしていたのだ(笑)

CD時代に突入すると、レコード会社が選曲したオムニバスが多く発売され、車の中や夏の海辺で気軽に音楽を楽しむことができるようになった。CDバブル時代の1990年から2000年代中盤にかけて洋楽、邦楽問わず、ミリオンセラーを記録したコンピレーションCDも多数存在している。

そして、音楽ストリーミングサービス全盛期となった今、誰もが収録時間を気にせずプレイリストを作れる時代になっている。リスニング環境の変化にともない、コンピレーションCDはかつてのような量は発売されていないが、発売するからにはきちんとコンセプト立てをしたコンピが増えたように思う。

シーサイドシティポップチューン満載の1枚「潮風ドライヴ」


2023年7月に発売された『潮風ドライヴ〜CITYPOP DRIVE〜』もそんな1枚だった。タイトル通り、夏のドライヴにぴったりのシーサイド・シティポップチューン満載の1枚だ。松原みき「真夜中のドア〜stay with me」、杏里「Good Bye Boogie Dance」、カルロストシキ&オメガトライブ「アクアマリンのままでいて」、中原めいこ「FANTASY」のような80年代シティポップの定番曲はもちろん収録されている。

その上で、ジャンク フジヤマ「僕だけのSUNSHINE」、角松敏生がプロデュースしたAnna「YOU & ME」「Colors」、Ms.OOJAがカバーした竹内まりやの「プラスティック・ラブ」など全16曲が収録されている。こういったコンピの良いところは、自分が知らなかったアーティストや名曲のカバーを新たに知るチャンスになることだったりもする。

ジャケットには日本、台湾で人気のチアリーダー “菊池桃子(MOMOKO)” が登場!



あれから2年。『潮風ドライヴ』のシリーズ第2弾が2025年7月23日に発売された。タイトルは『潮風ドライヴ〜SUNSHINE DRIVE~』。こちらも夏のドライヴにぴったりのシーサイド・シティポップチューン満載の1枚だ。前作のジャケットには台湾人気チアリーダー “チュンチュン ”が起用されたが、本作は日本と台湾で人気のチアリーダー “菊池桃子(MOMOKO)” が登場!

今作も前作同様、全16曲が収録されており、1980年代〜2020年代までに発表された楽曲がバランスよく散りばめられている。丁寧なマスタリングの効果もあり、新旧の楽曲を並べても何ら違和感がないところがサブスクにはない、CDの良いところだ。

AORサウンドが心地よい、岩崎良美「Aka to Kuro 」


それでは、収録曲を何曲かピックアップしてみよう。オープニングは、昨年発売された12インチのアナログ盤が好評だった岡田有希子「Summer Beach」(1985年)。作詞・作曲は尾崎亜美で、松任谷正隆のアレンジが光る1曲だ。もちろん尾崎亜美自身の楽曲も収録されていて、「地中海ドリーム」(1985年)は、杏里のシングルに提供した楽曲のセルフカバーである。

斉藤由貴「ストローハットの夏想い」(1986年)は、大ヒットアルバム『チャイム』の収録曲。昨年(2024年)アナログ盤としてシングルカットされた、シティポップ風のサマーチューンだ。そして、なんと言っても今回の目玉は、岩崎良美「Aka to Kuro」(1980 pre-debut Version)だろう。この曲はご存じ岩崎良美のデビュー曲「赤と黒」なのだが、1980 pre-debut Versionといったタイトル通り、元々はこのアレンジでもレコーディングされており、デビュー45周年目にあたる、今年(2025年)の2月に初お目見えとなった1曲だ。アイドルのデビュー曲らしからぬAORサウンドが心地よい。

作詞・作曲を尾崎亜美が手がけたAnnaの「Let’s Imagine」


1990年代の楽曲からは、Annaの楽曲が2曲セレクトされている。「LAST DANCING」(1997年)は全曲の作曲・編曲を角松敏生が手がけたアルバム『ANNA』の収録曲で、シングルとしても発売されている。もう1曲の「Let’s Imagine」(1998年)はアルバム『Stories』に収録されたもので、こちらの作詞・作曲は尾崎亜美が手がけている。

2000年代の楽曲からは古内東子「サヨナラアイシテタヒト」(2003年)、小原明子「虹色タイムマシーン」(2002年)がセレクトされているが、実はこの2曲は偶然にも、2006年に筆者が監修した女性R&Bコンピ『Vocal-Rhythm』(ポニーキャニオン)に収録されている曲なのだ。あれから20年以上経過しても、名曲というのはこのようにまた違った角度からクローズアップされ輝きを放つということが証明されたような気がする。

現代のシティポップ・シーンには欠かせないジャンク フジヤマ


近年発売された楽曲も見逃せない。現代のシティポップ・シーンには欠かせないジャンク フジヤマの楽曲も2曲収録されている。「WINDY SUMMER」は、1983年に発売され、海外リスナーからも人気の高い杏里のアルバム『Timely‼』に収録された楽曲のカバーだ。もちろん彼のオリジナル曲「Tokyo highway disco drive」(Horizon Version)も収録されている。そして、ジャンク フジヤマのサポートをきっかけに結成されたシティポップバンド “island etc.” にも注目したい。収録曲「Skyline」は、2024年5月にリリースしたファーストアルバム『A short trip』からのリードチューンだ。

時代は令和になり、様々なテーマのプレイリストを手軽に聴くことができる時代になった。約70分のCDという名の “小宇宙” に身を委ねてみてはいかがだろうか。今年の夏も猛暑日が続きそうなので、涼しい部屋で “妄想の『潮風ドライヴ』” を体験してみる過ごし方もいいかもしれない。もちろん、実際に海辺をドライブしながらこのCDを聴いていただくのが、正しい聴き方だとは思いますが(笑)

Information
コンピレーションアルバム『潮風ドライヴ~SUNSHINE DRIVE~』

▶ 発売:2025 年7月 23 日(水)
▶ 価格:3,000 円(税込み)
▶ 収録曲(全16曲):
01. Summer Beach / 岡田有希子
02. WINDY SUMMER / ジャンク フジヤマ
03. LAST DANCING / Anna
04. サヨナラ Baby / BLUEW(CD初収録)
05. ストローハットの夏想い / 斉藤由貴
06. 夏だから / WEATHER SIDE
07. 地中海ドリーム / 尾崎亜美
08. Skyline(Aerial Version)/ island etc. (CD初収録)
09. Let's Imagine / Anna
10. リベルタ / 中村舞子
11. Syndi / BLUEW(CD初収録)
12. サヨナラアイシテタヒト / 古内東子
13. 虹色タイムマシーン / 小原明子
14. Tokyo highway disco drive(Horizon Version)/ ジャンク フジヤマ
15. Aka to Kuro(1980 pre-debut Version)/ 岩崎良美
16. 真夜中のドア~stay with me / 唐沢美帆


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