沖縄の海にペットボトルの墓場?!プロダイバー × ゴミ拾いでペットボトルを1000本回収 by ゴミ拾いダイバー東真七水
こんにちは!「水中ゴミ拾い専門店Dr.blue」でゴミ拾いダイビングのインストラクターをしている東真七水(アズママナミ)です。 私は普段「スキューバダイビング」と「ゴミ拾い」を掛け合わせ、海の底に沈んだゴミをスキューバダイビングをしながら楽しく回収する「水中ゴミ拾い」を新しいマリンアクティビティとして広める活動をしています!
普段は一般ダイバー(ファンダイバー)の方々と一緒に、楽しみながら海中のゴミを回収していますが、今回は 宜野湾市の清掃事業 に参加し、プロダイバーの皆さんと本気の水中ゴミ(海洋ゴミ)拾いを実施してきました! 想像を超える量の海洋ゴミを回収してきましたので、この活動を多くの方に知っていただきたく、記事を書かせて頂きます。
1本目:サンゴやテトラに絡まる釣り糸の回収
最初のポイントは 漁港周辺。 ここでは、テトラポットや岩に引っかかった釣り糸やサンゴに絡みついた釣り糸を慎重に取り除いていきました。
釣り糸は複雑に絡まり、無理に引っ張るとサンゴを傷つけてしまうため、慎重に作業を進めます。 状況によっては、1つのサンゴから取り除くのに5分以上かかることもあります。 こうした作業には、ダイバーとしての高い技術と根気が不可欠!プロダイバーならではのスキルが求められるのです。
さらに、作業中にはオニヒトデに遭遇!? オニヒトデは触れると 激痛、炎症を引き起こし、病院送りになることもある危険生物です。
このように、水中ゴミの回収には危険が伴うこともあるため、安全管理を徹底しながら作業を進めました。 ちなみに、このポイントは昨年も清掃を行い一度綺麗にしたばかりの場所でしたが、再び大量のゴミが溜まっていました。
改めて問題の根深さを感じます。 今後もこのエリアの状況を観察しながら、継続的に活動していきたいですね。
2本目:まるで墓場のような光景!一箇所に集まるペットボトルの大量回収
毎年の宜野湾市での清掃活動の中で、たまたま発見したペットボトルの溜まり場。
写真には収まりきらないほど、広範囲にわたってペットボトルが沈んでいるのを目の当たりにしました。 このエリアの海底は泥に近い底質のため、少しでもフィンが触れると砂埃が巻き上がり、視界が悪くなってしまいます。 だからこそ、プロダイバーの熟練技術を活かし、慎重に効率的に作業を進めました。
想像以上の多さだったため、20分ほどで水中ゴミ袋がいっぱいになり、足りなくなりました。 よく見ると、長年海中にあったためか変色しているものばかりでした。
どこから流れてきたのか?なぜここに集まるのか? 正確な原因は分かりませんが、一箇所に大量の海洋ゴミが集中して溜まることが明らかになったため、今後もこのポイントでの定期的な清掃が必要だと感じました。
ダイバーにしかできないゴミ拾い
現在、海洋ゴミの回収には様々な技術が開発されています。 例えば… ・水中ドローンを使って水面のゴミを回収 ・専用の回収船を活用 ・無人探査機 による探索 など。 しかし、今回取り組んでいたサンゴやテトラポットに絡まった釣り糸の回収は機械には難しい、とても繊細で複雑な作業です。 また、ペットボトルなどの回収 にも注意が必要です。 なぜならボトルの中に小さな生き物が住んでいたり、外側に付着していることがあるからです。 海により優しいゴミ拾いをするためには、中身、外側をしっかりと確認し、生き物を逃がしてから回収する、もしくは置いて帰るなど、ただ拾えばいいわけではない場面が多々あります。 そのため、非常に地道ではありますが、最終的にはダイバーの手作業も不可欠だと改めて感じました。 今回のプロダイバーの参加延べ人数は36名、 延べ72ダイブ にわたる作業の結果、 回収した海洋ゴミの総量は200kg以上となりました。
宜野湾市の水中清掃事業は、2020年から毎年実施されています。 今後もこの活動が続き、ノンダイバーの皆様にも海の現状を知ってもらう機会が増えることを願っています。 今回ご一緒させていただいた宜野湾市のダイビングショップの皆さま、本当にお疲れ様でした!
今月も最後までお読み頂きありがとうございました。 今後もコラムで海や活動の様子をお届けしますのでお楽しみに! また来月も、よろしくお願いします^^ #ゴミ拾い #水中ゴミ拾い #沖縄