聖パウロ学園高校 研究展で最優秀賞 恩方地区の課題に焦点
下恩方町にある聖パウロ学園高等学校(小島綾子校長)の生徒らが、社会的課題についての研究や取り組みを発表する「グリーンインフラ・ネットワーク・ジャパン2025全国大会」に出展。2グループが学生・研究者部門でともに最優秀賞を受賞した。応募があった全92件のうち、最優秀賞は4件。
「グリーンインフラ」とは森林や河川、水田など、自然環境がもつ機能を活用し、社会的な課題を解決しようという考え方。同大会ではこれに関する取り組みを発表し、持続可能な社会に役立てることを目的としている。研究を1枚にまとめたポスター展示の観覧者投票をもとに、学生・研究者部門から2件、企業・行政部門、非営利部門から各1件ずつ最優秀賞が選ばれた。
2グループが出展
今回受賞したのは、同校が所有する「学校林(りん)」についての研究と、同校のある恩方地区で課題となっている獣害についての研究。2年生の有志2グループが出展した。
「学校林」を題材にしたのは、南澤剛至さん、小川滉太さん、松本実知さん。敷地内にある「パウロの森」で、土砂災害などを防ぐ流域治水がどのように行われるかに着目。硬度計を使用して土の硬度を調査したり、森の保水力を向上させる手入れ方法をまとめた。
獣害については、北村アレンさん、飯田星来さん、井出涼介さん、立川愛也さん、幅下加瑞希さんが研究。恩方地区では、収穫予定のないゆずなどを狙い猿などが田畑を荒らす獣害が発生していることを受け、昨年、同校生徒がボランティアで収穫。これを八王子市や町会、民間企業と協力して学校給食やオリジナルクラフトビールに活用する取組をまとめた。
学生らは、先月末に東京ビッグサイトで行われたポスターセッションにも参加。小島校長は「2件とも地域と関わり地域の抱える課題に向き合った点が評価されたのでは」と総括。ポスターセッション後は、「内容を説明するのにすごく緊張した」「専門家の人から指摘されたアドバイスが参考になった」など生徒は思い思いの感想を述べた。