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高校野球の甲子園連覇は過去何校? センバツ、選手権、春夏、夏春の連続優勝を振り返る

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甲子園球場,Ⓒ7maru/Shutterstock.com

春夏連覇は大阪桐蔭など過去7校

プロ野球の世界では読売ジャイアンツが前人未踏の9連覇を達成するなど、数多くの連覇が成し遂げられている。高校野球でも春のセンバツ連覇、夏の選手権連覇、春夏連覇、夏春連覇とあり、それぞれ意味合いが違う。甲子園における連覇の歴史を振り返ってみたい。

まずは、最もわかりやすい春夏連覇から見ていこう。同一年度に行われる春のセンバツ、夏の選手権を連覇することを春夏連覇と呼ぶ。唯一、世代が変わらない中での連覇となり2023年春のセンバツ終了時点で7校が計8回達成。近年では2018年に根尾昂(現中日)、藤原恭大(現ロッテ)らを擁して2度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭が記憶に新しい。

最もインパクトが強かったのは1998年の横浜ではないだろうか。エース松坂大輔、後藤武敏、小池正晃、小山良男らを擁し、PL学園との準々決勝は延長17回の死闘、明徳義塾との準決勝は終盤に6点差を逆転、京都成章との決勝ではノーヒットノーランと記録にも記憶にも残るチームだった。この世代は公式戦44連勝で無敗のまま引退する偉業も達成している。

【春夏連覇達成校】
1962年:作新学院高(栃木県)
1966年:中京商業高(愛知県)
1979年:箕島高(和歌山県)
1987年:PL学園高(大阪府)
1998年:横浜高(神奈川県)
2010年:興南高(沖縄県)
2012年:大阪桐蔭高(大阪府)
2018年:大阪桐蔭高(大阪府)

最も困難?春のセンバツ連覇

最も連覇が少ないのは春のセンバツだ。センバツに出場するためには、夏の選手権終了後の新チーム結成直後に行われる秋季大会で結果を残す必要がある。新チームになったばかりで完成度は低く、選手も1年生、2年生でまだまだ成長途上だ。

このような状況で秋に結果を残し、冬を越して全国の舞台で結果を残すのは容易ではない。さらに連覇となると、2世代連続で結果を残すことが必要。そのため、2023年春のセンバツ終了時点で達成は3回のみとなっている。

直近の達成例は2017年、2018年の大阪桐蔭で、福井章吾主将だった2017年はセンバツで優勝して夏の甲子園は3回戦敗退。翌2018年は中川卓也主将の下、根尾、藤原ら「最強世代」と呼ばれたメンバーがセンバツ連覇、さらに春夏連覇も果たした。

【春連覇達成校】
1929年、1930年:第一神港商(兵庫県)
1981年、1982年:PL学園高(大阪府)
2017年、2018年:大阪桐蔭高(大阪府)

史上唯一の3連覇も達成された夏連覇

高校野球の集大成である夏の選手権を連覇した高校は6校(3連覇含む)。そのうち5校は、まだまだ学校数が少なく地域格差も大きかった1940年代までに成し遂げており、近年では2004年、2005年の駒大苫小牧高の1校のみとなっている。3連覇を目指した2006年夏の選手権は、エース田中将大(現楽天)の力投で決勝まで勝ち進んだものの、延長15回引き分け再試合で斎藤佑樹(現日本ハム)がエースだった早稲田実業に敗れた。

史上唯一となる夏3連覇を達成したのは1931年、1932年、1933年の中京商(現中京大中京)だ。エース吉田正男は甲子園最多の23勝(3敗)を記録するなど圧倒的な強さを誇った。このチームには吉田以外にもプロ入りする野口明、杉浦清らがおり「甲子園史上最強」との呼び声もあるほどだ。

【夏連覇達成校】
1921年、1922年:和歌山中(和歌山県)
1929年、1930年:広島商(広島県)
1939年、1940年:海草中(和歌山県)
1947年、1948年:小倉中、小倉高(福岡県)
2004年、2005年:駒大苫小牧高(南北海道)

【夏3連覇達成校】
1931年、1932年、1933年:中京商(愛知県)

4校が達成している夏春連覇

夏の選手権を制し、新チーム結成後も勝利を重ねて翌春センバツも優勝する夏春連覇は4校が達成している。1960年、1961年に夏春連覇を達成した法政二高は、後に巨人で活躍する柴田勲がエースだった。そして、1961年夏の選手権でも準決勝まで勝ち上がり、夏春夏の3連覇目前まで迫ったが、浪商・尾崎行雄との3度目の対決で敗れた。

1982年、1983年の池田高を最後に達成校はなく、40年も遠ざかっている記録だ。当時の池田高は「攻めだるま」こと蔦文也監督がチームを率いており、圧倒的な攻撃力を誇る「やまびこ打戦」で1980年代前半の高校野球を牽引した。

史上初の夏春夏3連覇を狙った1983年夏の選手権では、準決勝でPL学園に0-7で敗戦。PL学園は1年生の桑田真澄と清原和博が初めて甲子園に登場した年でもあり、池田からPL学園へと主役が移った瞬間でもあった。

【夏春連覇達成校】
1930年、1931年:広島商(広島県)
1937年、1938年:中京商(愛知県)
1960年、1961年:法政二高(神奈川県)
1982年、1983年:池田高(徳島県)

2024年夏の甲子園で春夏連覇に挑む健大高崎

2024年夏の甲子園には、春に群馬県勢初のセンバツ優勝を果たした健大高崎が出場している。昨夏全国制覇を果たした慶応は甲子園出場を逃したため、「連覇」への挑戦権を持つのは健大高崎のみ。初戦は大会初日(8月7日)の第2試合で英明(香川)と対戦する。

群馬大会では主将の箱山遥人捕手と田中陽翔内野手が2本塁打を放ち、計7本塁打を記録するなど打線は強力。その一方で、センバツで22イニング無失点に抑えた左腕エースの佐藤龍月が、左肘の故障でベンチ外と投手陣には不安を残す。

また、同ブロックには智弁学園(奈良)、大阪桐蔭(大阪)、興南(沖縄)、明豊(大分)と強豪校がひしめいており、春夏連覇への道のりは決して平坦ではない。この逆境を乗り越え、史上8校目の春夏連覇達成なるか注目が集まる。

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記事:SPAIA編集部

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